“孤高の映像詩人”越川道夫監督の新作で女優・佐藤里穂さんが主演をつとめる『背中』の公開が10月29日に決定し、ポスターヴィジュアルと場面写真が解禁されました。
『アレノ』(2015年)で監督デビュー以降、『海辺の生と死』(2017年)や「誰でもない恋人たちの風景」シリーズ3作品『愛の小さな歴史』(2019年)『あざみさんのこと』(2020年)『アララト』(2021年)などを送り出し、市井の人々の「生」と「性」を見つめる独自の視点と高い文学性から“孤高の映像詩人”と呼ばれる越川道夫監督。その最新作となる『背中』は、越川監督自身がコロナ禍の中で身近な人の死や自身の眼病の手術など多くの「喪失」を経験する中でたどり着いた映像抒情詩。
去っていった恋人の「背中」を待ち続けながら、恋人の親友だった男と関係を持つ30歳の女を主人公に、その心象風景が綴られていきます。
解禁された『背中』場面写真。佐藤里穂さん演じるハナ(左)と落合モトキさん演じるアカツキ
恋人を待ち続ける主人公・ハナを演じる佐藤里穂さんは、これが映画初主演。映画・ドラマや舞台、CMなどで活躍し、出演作『間借り屋の恋』(2021年/増田嵩虎監督)公開も控える新進気鋭の女優が、自身と同年代のヒロインを鮮烈に演じてみせます。
ハナと関係を持ちつつ親友であったハナの恋人を探すアカツキ役には、子役時代から長いキャリアを持ち、2022年は「僕の大好きな妻」「ぴーすおぶけーき」などテレビドラマ出演が続いてさらに注目度が高まる若手実力派・落合モトキさん。
さらに、突然姿を消したハナの恋人・ショウイチロウを『菊とギロチン』(2018年/瀬々敬久監督)など多数の作品に出演し、越川監督の監督作・プロデュース作では常連と言える嶺豪一さんが演じています。
解禁されたポスターヴィジュアルは、海辺に立つ3人の人物のシルエットを中心に、どこかを見つめるような表情のハナと思いにふけるような表情のアカツキの写真が配置され、タイトルの『背中』と「孤高の映像詩人 越川道夫監督が描く“海辺の性”」の文字が印象的なデザイン。
場面写真は、並んで座るハナとアカツキなど、登場人物のさまざまな表情を切り取ったものになっています。
越川監督が待ち続ける女の心象を抒情的に描いていく『背中』は、10月29日土曜日より新宿K's cinemaにて公開されます。
『背中』あらすじ
ある日突然恋人ショウイチロウに去られたハナは、恋人の親友であったアカツキと関係を結んでいる。二人はハナの元を去り何処かに消えたショウイチロウを待ち続けている。去っていった男の背中と海辺の風を感じながら、待つ女の心象風景を描いた物語。