初監督作『その神の名は嫉妬』が話題となった芦原健介監督の初の短編特集上映が12月17日より池袋シネマ・ロサにて開催されることが発表されました。各地の映画祭で高評価を得ている『マニブスの種』と新作『ペットショップ』が上映されます。
大学在学中より俳優として活動し映画やドラマ、舞台に出演してきた芦原健介監督は、主演もつとめた『その神の名は嫉妬』(2018年)で監督デビュー。同作は2020年に池袋シネマ・ロサで劇場公開されたのを皮切りに、同館での再上映も含めシネマスコーレ(名古屋)、シアターセブン(大阪)など各地のミニシアターで上映され、2022年にはフランス・ニースで開催されたニース国際映画祭2022(Nice International Film Festival 2022)で外国語長編映画最優秀脚本賞するなど話題となりました。
芦原監督にとって初の短編特集となる今回の特集上映で上映される1本は『マニブスの種』。
無趣味だった工場勤務の男が差出人不明の封筒で送られた種を育てはじめるストーリーで、舞台を中心に活動する菅野貴夫さんや、映画『フィア・オブ・ミッシング・アウト』(2019年/河内彰監督)『誰もいない部屋』(2019年/田口敬太監督)などに出演する小島彩乃さんが出演。
すでに2021年開催の第6回福井駅前短編映画祭2021と2022年開催の第2回SAITAMAなんとか映画祭のふたつの短編映画祭でグランプリを受賞、アジア最大の国際短編映画祭であるショートショート フィルムフェスティバル & アジア2022ではオフィシャルコンペティション部門に選出されるなど、高い評価を受けており、待望の一般上映となります。
『マニブスの種』には、音楽活動にとどまらずバラエティ番組などでも活躍するミュージシャンのDAIGOさん、日本映画界に欠かせない俳優の津田寛治さんが推薦コメントを寄せています。
ミュージシャン・DAIGOさんコメント
たった25分の極上のエンターテインメント。古き良き日本映画の伝統と現代の文化を融合させた意欲作。手に汗握る衝撃の結末に、誰もがMTH。マニブスの 種が 欲しくなる。
俳優・津田寛治さんコメント
芦原健介監督は俳優でもあるので、やはり芝居のデザインが素晴らしい。「マニブスの種」で描かれる人間関係も乾いていながら程よくウェットでチャーミングだ。芝居だけでなく映画全体にも漂う、どことなく泥臭くて温かい郷愁感は芦原監督独自の世界観かも知れない。CGやストーリー展開だけに頼らない現場の人間力を感じた。
もう1本は、今回の特集上映のために新たに撮り下ろされた『ペットショップ』。仕事に疲弊した福祉事務所勤務の男性と、その上司を中心に描かれるホラーコメディとなっており、舞台を中心に活躍する土屋康平さん、舞台の作・演出も手がける小崎愛美理(こさき・えみり)さん、映画制作ユニット・ルネシネマでの活動でも知られるしゅはまはるみさんらが出演しています。
特集上映開催にあたり、2作品の持つ奇妙な世界の一端に触れられるような予告編も解禁。また、芦原監督自身によるコメントも公開されました。
特集上映は12月17日土曜日より池袋シネマ・ロサにてレイトショーで開催。
気鋭の監督が不条理な世界にはまりこんだ人間の姿を描く、独特な2作品に注目です。
芦原健介監督コメント
こんにちは。芦原健介と申します。この度上映する運びとなりました二作品『マニブスの種』と『ペットショップ』は、それぞれ現代社会を生きる人々が心に抱えている闇を、寓話的に表現したホラー作品となっております。ホラー作品と言っても、劇中に流れる空気はどこか牧歌的で、不条理な世界にいつのまにか順応していく登場人物たちには何ともいえないおかしみが付いてまわる作品達となっております。
この映画はホラーなのか、はたまたコメディなのか、何とも言えない味わいを是非劇場で体験して頂ければと思います。