結婚相談所の仲人たちの奮闘を描くハートフル・コメディ『マリッジカウンセラー』を公開中の池袋シネマ・ロサで、１月14日に主演の渡辺いっけいさん、共演の松本若菜さんと宮崎美子さん、前田直樹監督が舞台あいさつをおこないました。

　『マリッジカウンセラー』は、価値観をアップデートできない大手不動産会社のオジサン社員・赤羽昭雄が主人公。会社がブライダル事業に進出するため結婚相談所で研修を受けることになった赤羽と、研修先の結婚相談所を切り盛りする仲人・時田結衣が、結婚を望む会員のためにトラブルを起こしつつも努力する姿がコミカルに描かれていきます。

　映画のロケ地となった愛知県での先行公開を経て東京での公開を迎え、メガホンをとった前田直樹監督は「この映画は“ご縁の映画”で、いろいろな方たちに助けられてきた映画で、いよいよ全国順次公開になります。感慨深いなと思っております」と、主人公の赤羽昭雄を演じた渡辺いっけいさんは「手作り感満載の映画で、ご覧になってわかると思います。ひじょうに自分自身気に入っている作品です。なんとか、たくさんの方に観ていただきたいなと思っておりますので、ご協力お願いします」と、それぞれあいさつ。
　仲人の時田結衣を演じた松本若菜さんは「私は“ご縁を感じるな”と思うことが多々ある人生ですけど、今回ご一緒できた監督やプロデューサー、キャストのみなさんも含めてですけど、今日こちらにお越しいただけたみなさんとも、なにかのご縁だと思っております」と、結衣の母親でカリスマ仲人の時田十和子を演じた宮崎美子さんは「この劇場はすごくあたたかくてみなさんの拍手がものすごく大きくこちらに訴えかけてきてみるみたいで、きっと映画を気に入っていただけたんだろうなって手応えも感じながら、いますごく嬉しいなって」と、全国公開を迎えての心境を語りました。

　舞台あいさつでは、劇中の「二の足を踏みより“エイヤー”でご縁に乗っかっちゃえばいいのよ」という十和子のセリフにちなんで、登壇者それぞれの「“エイヤー”で乗っかった経験」が質問されました。

　渡辺さんは、舞台出演が中心だった若いころに初めて野田秀樹さん演出の舞台に出演した際、共演者とある場面のセリフをラップのようにやったら面白いのではないかという話になり、次の日の本番で「エイヤー」でやってみたところ好評だったというエピソードを披露。
　前田監督は渡辺さんのそのエピソードを受け、今回の『マリッジカウンセラー』でも渡辺さん自身が出したアイディアを事前に相談した上で随所に取り入れていることを明かし、アイディアを取り入れていくのが「ライブ感があってよかったですね」と話しました。

　また、同じ質問に松本さんと宮崎さんは、偶然にもともに21歳のときに「エイヤー」で芸能界デビューする選択をした経験を話し、松本さんは「それがあったから、いまこうして舞台あいさつができています」、宮崎さんは「それがいまにつながっていますね」と、21歳から現在につながる「ご縁」を振り返りました。

　『マリッジカウンセラー』の撮影がおこなわれたのは、渡辺さんの故郷である豊川市をはじめとする愛知県６市で、宮崎さんは撮影が「いっけいさんの庭で遊ばせてもらったような感じ」だったとコメント。
　また、愛知県は全国有数のバラの産地で、松本さんは製作発表や撮影中、クランクアップ時など「バラの花束を短期間でこんなにたくさんいただくことはないんじゃないかって思うくらい」贈られたのが印象に残っていると話し「バラの香りに囲まれて撮影ができたなって思い出があります」と、愛知ロケならではの思い出を紹介しました。

　舞台あいさつは、登壇者ひとりひとりのコメントで締めくくられました。

「観ていただいてわかるとおり、地味な映画なんですよね、派手さのない。でも、あったかいものが根底に流れている映画で、ぼくは個人的にひじょうに気に入っているんですけど“あいつ、こういう映画好きだな”っていう友達とか知り合いが浮かびましたら、ぜひ声をかけていただきたいなと思います。今日はどうもありがとうございました」（渡辺いっけいさん）

「愛知県から先行上映が始まり、今日、東京などでも始まり、徐々に徐々に各地で上映が始まっていくと思うんですけど、この映画はそうやって、ちょっとずつちょっとずつみなさんに愛されていく作品になるんじゃないかというふうに思っていますので、いずれロング上映になってまた東京に戻ってきてとかっていうのも素敵だなって思いますし、長い目で私も愛していきたいし、みなさまももし気に入っていただけたら、みなさまの大雪な人に紹介していただきたい思っています。本日はどうもありがとうございました」（松本若菜さん）

「“地味”という言葉がありましたけど、私は“どんな映画？”って言われて説明するのがちょっと難しい映画だなって思っているんですね。大事件が起こるわけじゃないし、サスペンスでもないし、どんでん返しみたいなこともないし、でも、ご覧になっていただけると“ああ、じんわりいい時間を過ごしたな”って、そんな映画だと思うんですよね。だから“よかったよ”という一言だけでも身近な方に伝えていただいて、この映画を育てていただけるとほんとに嬉しいです。なんか“人間って愛おしいな”って思える映画で、私も参加できたことを嬉しく思っています。これからもよろしくお願いいたします」（宮崎美子さん）

「この映画は“ご縁”がつながって、どんどん大きくなってきた映画だと思いますので、今日ご覧いただいたみなさんも“ご縁”だと思いますので、映画にとっても、またみなさんにとっても、新しい“ご縁”が広がるんじゃないかなと思います。本日はありあとうございました」（前田直樹監督）

　婚活にもアプリやネットが使われる時代に、人が繋ぐ人と人の縁をあたたかくコミカルに描いていく『マリッジカウンセラー』は、舞台あいさつ登壇者のほか、青山倫子さん、永山たかしさん、坂口涼太郎さん、呉城久美さん、久田莉子さん、円城寺あやさんらが出演。１月13日金曜日より池袋シネマ・ロサ、kino cinéma横浜みなとみらいほか、全国順次公開。
　１月15日日曜日には、kino cinéma横浜みなとみらいで結婚相談所の会員を演じた青山倫子さんと永山たかしさんが舞台あいさつをおこないます。