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木戸邑弥さん「この言葉たちを届けたい」と想いを 『コインランドリーカタルシス』舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった菅井玲さん、阿部亮平さん、木戸邑弥(きど・ゆうや)さん、北原里英さん、えのもとぐりむさん(左より)
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 人気朗読劇を映画化した『コインランドリーカタルシス』(長谷川康監督)を上映中のシネ・リーブル池袋で1月28日に、主演の木戸邑弥さんと共演の北原里英さん、菅井玲さん、阿部亮平さん、原作者のえのもとぐりむさんが公開を記念した舞台あいさつをおこないました。

 『コインランドリーカタルシス』は、舞台の作・演出のほか映像作品の脚本も手がける劇作家・えのもとぐりむさんによる同名朗読劇が原作。別れた恋人「君」との思い出が残るコインランドリーを訪れた主人公の「僕」が、ひとりの「男」と出会ったことで始まる、男女4人の切なくもあたたかな物語となっています。

 舞台あいさつは上映後におこなわれ、今回が初めての映画主演となる「僕」役の木戸邑弥さんが「楽しんでいただけましたか?」と問いかけると、客席からは大きな拍手が贈られました。
 木戸さんは今回の映画以前にも舞台や朗読劇でえのもとぐりむさんの作品に出演しており「えのもとぐりむさんと出会ったことが役者人生の中でとても宝物だと思っているので」と話し、今回、初の映画主演をつとめるにあたっては「役者として素直に嬉しい」だけでなく「ぐりむさんの書く作品、届けたい作品というものがぼく自身もすごく好きだったので、今回、映画というかたちでたくさんの新しい方々に届けられるということで“えのもとぐりむという人を広めてやろう”という意気込みで」作品に臨んだとコメント。「ぼくは、ぼくが好きな人を広げたいという気持ちが強かったので、台本に書かれているぐりむさんの言葉を信じて、まっすぐに演じさせていただきました」と振り返りました。

 主人公の「僕」が想い続ける相手の「君」を演じた北原里英さんも、えのもとさんの舞台作品に出演した経験があり「私もほんとにぐりむさんの書く言葉の数々がすごく美して儚いところがすごく好きなので、それを映画作品で自分の口から言えたことがとても嬉しいですし、この映画はすごく綺麗じゃないですか。海だったり、空だったりとかもすごく綺麗だし、コインランドリーもどこにでもあるものだけどお洒落に見えたりもして、私はこういった雰囲気の映画はとても大好きなので、自分が出られていることがとても嬉しかったですね」と、出演の感想を述べました。

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主人公「僕」役の木戸邑弥さん

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「君」を演じた北原里英さん

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木戸邑弥さんと北原里英さん

 コインランドリーのオーナーで作品のキーとなる人物「女」を演じた菅井玲さんは、今回の役について質問されると「めちゃめちゃ苦戦しました(笑)。私のような、人を想うというのを忘れてしまった人間なので」と答え、この答えには登壇者全員が笑い出し、木戸さんは「そんなことないですよ!(笑)」と笑いながらフォロー。
 菅井さんは、恋愛小説を書いているという繊細な設定の役に苦戦したと話しつつ、共演の阿部亮平さんの現場での佇まいに「哀愁だったり、ときにはチャーミングなところも見えたりとかして“ああ、人ってこういうときに好きになるんだなあ”なんて現場で思ったりしながら、試行錯誤して演じました」と話しました。

 「僕」と深夜のコインランドリーで出会う「男」を演じた阿部亮平さんは、演じた役が「僕」と一緒に小さな旅に出る役のため「コインランドリーから始まってね、海辺でもふたりで座ったり、堤防のほうに行ったり、デートしてるみたいになってね(笑)。木戸くんのファンには悪いけど、ふたりで海にデートに行ったみたい。そんな感じだったです(笑)」と笑顔でコメント。
 また阿部さんは、劇中で「僕」と「男」がふたりで浜辺にいるシーンが、スタッフが遠く離れたところから撮影していたため、演じているふたりは撮影がスタートしたのかどうかわかりにくかったと裏話を披露し、木戸さんも「スタッフさんが遠すぎて“本番!”っていう声が聞こえなくて“阿部さん、いま本番って言いましたっけ?”“とりあえずやっておくか”って(笑)」と、そのときの様子を詳しく紹介しました。
 さらに木戸さんは「僕」と「男」のシーンは映画のストーリーに沿った順番で撮影していたため、初共演の阿部さんと「リアルにどんどん近くなっていく感じが」映画にも反映され「いいほうに行ったなという感じはありましね」と、完成した作品を観ての感想を述べました。

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和やかなトークを繰り広げる阿部亮平さん、木戸邑弥さん、北原里英さん(左より)

 原作と脚本をつとめたえのもとぐりむさんは「朗読劇は、ポエムっぽいセリフ回しみたいなのがけっこう多くて、それを口語にするにはどうすればいいだろうというのは、脚本に入る前に監督と打ち合わせさせていただきました」と、朗読劇の実写化という試みで意識した点を紹介。
 えのもとさんは撮影期間中に3日間、現場を訪れたそうで「もともと劇場で黒いハコの中でやっている朗読劇というのを、実際にバックに景色があったり、その中でぼくの好きな役者さんたちがいて“これはすごくいいものになるな”って、勝手に思っていました」と回想しました。

 木戸さんは「僕」が走るシーンで自分なりに「気持ちだけが先に行って、体が追いついていないみたいな」感じを意識して走ったところ「ぐりむさんから“走り方かわいいねえ”って言ってくれたのをすごく覚えていて、それは嬉しかったです」と、えのもとさんとの現場でのエピソードを披露。
 えのもとさんはそんな木戸さんについて「舞台ではよく木戸くんに主人公をお願いすることが多くてですね、役作りとかそういう話は普段からあまりしなくて ほんとに任せられる俳優さんだなとぼくは思っています。ぼくの頭で想像して書いたことをしっかり具現化してくれるし、こういう綺麗なお顔立ちだし、見ていてずっと楽しくて、最高の俳優さんだと思っています」と、信頼の深さを感じさせる言葉を贈りました。

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「女」を演じた菅井玲さん

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「男」を演じた阿部亮平さん

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原作・脚本のえのもとぐりむさん

 舞台あいさつの最後に木戸さんは「ぼくは先ほども申したように、ぐりむさんの生み出す言葉の数々がほんとに大好きで、その素敵な言葉の数々がたくさん詰め込まれている作品だと思っております。言葉っていうのは、どんなに素敵でも届ける相手がいないと意味がないなとぼくは思っているので、昨日から『コインランドリーカタルシス』が始まってね、今日もこうしてたくさんの方々にその言葉たちが届いているというのを目で見て実感できて、とても嬉しく思っております。これからもまだまだこの映画続いていきます。たくさんの方々にこの言葉たちを届けたいと思っていますので」と応援を呼びかけ「大きなスクリーンで、大きな音で、その言葉の数々を受け取っていただけたらなと思います」と、舞台あいさつを締めくくりました。

 人気ドラマの演出などを手がける長谷川康監督がメガホンをとり、えのもとぐりむさんの描く世界を美しい映像と情感豊かな演出で繊細に映像化した『コインランドリーカタルシス』は、1月27日金曜日よりシネ・リーブル池袋にて上映されています。

※記事初出時、作品の公開表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。(1月29日修正)

【『コインランドリーカタルシス』予告編】
ポスター

コインランドリーカタルシス

  • 木戸邑弥 北原里英 阿部亮平 菅井玲

  • 原作:えのもとぐりむ
  • 監督:長谷川康
  • 配給:アエロ
  • 配給協力:エスピーオー

  • 2023年/53分

2023年1月27日(金)より シネ・リーブル池袋にて公開

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