増田有華さんが主演をつとめる『Love song』を上映中の池袋シネマ・ロサで、10月21日に増田さんと共演の木口健太さん、青木一馬さん、平山大さん、牧野裕夢さんが公開記念舞台あいさつをおこないました。

　『Love song』は、テレビの２時間ドラマなどを手がける児玉宜久監督がメガホンをとった和製ノワール。幼なじみであったマネージャーを殺され、自身も狙われつつも復讐を誓うシンガー・花と、花の幼なじみで久々の再会を果たした誠との関係を軸に、運命に翻弄される男女の姿が、横浜を舞台に描かれていきます。

　主人公の花を演じた増田有華さんは、演じた花について「勝ち気で気が強く見られがちな感じは、私の10代のときとまったく同じと言うか」「ほんとは甘えん坊さんなところがあったり、助けてほしいと言いたいのに言えないところとか、似ている部分もあったので、役作りは苦労せずにできました」とコメント。
　シンガー役とあって劇中では花の歌唱シーンもありますが、現場で撮影しながらの録音でスタッフも歌収録に不慣れという環境に戸惑いも感じつつ「ここで負けてたまるか」という気持ちで歌ったと増田さん。「一発録りで行きましょうという感じだったので、そういう臨場感は劇中に入っているのかなと」と、感想を述べました。

　花の幼なじみ・誠を演じた木口健太さんは、木口さん自身が「普段演じさせていただいている役とはけっこう違う」という役柄を演じるにあたり、監督とも話した上で松田優作さんの出演作などを参考に観たとのこと。「そこらへんの世代の映画とか、もともと好きなのでもう一回見直して、温度感みたいなものを取り入れられたらと思ってやっていたので、楽しかったです」と、役作りを語りました。

　増田さんと木口さんは初共演ですが、増田さんは『Love song』のオーディションを受ける１週間ほど前にたまたま木口さんの出演作『おんなのこきらい』（２０１４年／加藤綾佳監督）を観て木口さんを「素敵な俳優さんだな」と思い調べていたそうで、相手役が木口さんになりそうと知ったときは「木口健太さんですか!?　ってなって、大興奮みたいな感じ」だったと回想。一方の木口さんもドラマ「全裸監督 Season2」で増田さんを「いい女優さんだな」と思っており「（相手役が）増田さんってなったときに、すごく嬉しいなって」と思ったそう。増田さん、木口さんとも、お互いに観ていた作品を話題にできたため、現場で話しやすかったと振り返りました。

　花と誠の幼なじみで花のマネージャー・猛を演じた青木一馬さんは、映画の現場経験があまりない中で「増田さんと木口さんがすごく頼りになって、おふたりを見ているとちょっと安心したというか」とコメント。
　青木さんはさらに、猛と花ふたりのシーンで苦戦していたときに増田さんが「大丈夫です、私に任せてください」と言ったというエピソードを紹介。その頼もしさに実際は年上にもかかわらず「“姉貴！”って思いました(笑)」という青木さんに、増田さんは「そんなこと言った？　恥ずかしいんだけど(笑)」と照れたような表情を見せました。

　花を狙う男・久住の手下・城山を演じた平山大さんは「ぼく、映画とか舞台とか演じさせていただくときは、ちょっと怖い役のオファーが来ることが多くて、その分、演じにくさはなかったですね」と話し、セリフの「幼なじみ」がうまく言えず「ぼくがこの映画で一番、噛み倒しました(笑)」と裏話も披露。
　同じく久住の手下・伊原を演じた牧野裕夢さんは、伊原を「バカでアホでどうしようもないんだけど憎めない役」と評した上で「バカだけど全力なのはぼくにちょっと似ている部分があるのかなって」と、役作りに難しさはなかったと話しました。

　若手キャストが多い『Love song』には、藤吉久美子さん、本田博太郎さんのベテラン陣も出演。
　増田さんは、藤吉さんは花の歌唱シーンの撮影でアドリブで拍手をしてくれて「周りもそれにつられて拍手というのがあって、それはすごく嬉しいと思いました」と、本田さんとは撮影中３時間の待ち時間ができた際に演技や俳優という仕事についての話をして「そういう機会って、あまりないじゃないですか。短時間ですけどよい時間をいただけたなって思いました」と、ベテランとの共演で得たエピソードを語りました。

　舞台あいさつの最後に、木口さんは「ぼくはただただ観てもらえて嬉しいので、まだ上映が続くので、最後まで見守ってください」と、増田さんは「最後列まで埋まって、すごく幸せな気持ちです。（上映が）終わったあとのみなさんの顔を見ると、どうう感想なのかひとりずつ尋問していきたいような気持ちではあるのですけど(笑)、いまはＳＮＳがありますので、呟いて感想をいただけたら嬉しいです」と、それぞれあいさつして舞台あいさつを締めくくりました。

　舞台あいさつ登壇者のほか、山口大地さん、藤吉久美子さん、本田博太郎さんらが出演する『Love song』は、10月20日より26日まで東京の池袋シネマ・ロサで上映中、10月28日より11月３日まで大阪のシアターセブンで上映のほか、愛知のシネマスコーレほか全国順次ロードショー。
　また、花がラスト近くのシーンで歌う劇中歌「My love...」が、新たにレコーディングされ増田有華さんの曲としてデジタルリリースされています。
→増田有華さん「My  love...」デジタルリリース情報