今関あきよし監督が、鹿児島出身の女優・上大迫祐希さんを主演に迎え、鹿児島を舞台に描く青春ファンタジー『青すぎる、青』が、公開に先駆け2月19日に第3回かごしま平和映画祭でクロージング上映されます。
1970年代より自主映画界で注目を集め、故・大林宣彦監督の推薦により『アイコ十六歳』(1983年)で商業監督デビュー以降、少女の青春期を捉えた作品を送り出してきた今関あきよし監督。
近年は東欧や台湾など海外での映画撮影に精力的に取り組み、コロナ禍の中では自身の原点に戻ったような短編を制作するなど、つねに意欲的な活動を見せる今関監督待望の新作長編となるのが『青すぎる、青』です。
主人公は鹿児島に住む美大生の美巳(ミミ)。卒業制作に思い悩み、また家庭環境の変化に戸惑う美巳が、不思議な体験を通して成長していく、青春ファンタジーで、今関監督の原案をもとに、長編では今関監督と久々のタッグとなる小林弘利さんが脚本を担当しています。
日本有数のロケ地である鹿児島から地元発信の作品をと企画された作品で、鹿児島市の全面協力のもと2022年にオール鹿児島ロケで撮影され、鹿児島のシンボルである桜島はもちろん、桜島フェリーや鹿児島市の人気スポットなどが登場し、鹿児島の魅力を伝える作品ともなっています。
主演をつとめるのは上大迫祐希(かみおおさこ・ゆうき)さん。主演作『神田川のふたり』(2021年/いまおかしんじ監督)で第96回キネマ旬報ベストテン日本映画新人女優賞第3位に選ばれるなど注目の上大迫さんは鹿児島出身で過去に地元専門学校のテレビコマーシャルに出演した経験もあり、故郷を舞台に2回目の長編映画主演。短編『ザ・オーディション』(2021年)に続いての今関監督のタッグにも注目です。
共演には、コンビニエンスストア「New Days」イメージキャクターをつとめ今後の活躍も期待の女優・原愛音(はら・あいね)さん、舞台を中心に活動する鹿児島出身の肥後遼太郎さん、ドラマや映画で活躍する逢澤みちるさん、今関監督の師である故・大林宣彦監督の後期作品の常連であった窪塚俊介さん、金子修介監督作品・押井守監督作品などのヒロインで知られる佐伯日菜子さんら、多彩なキャストが集結しています。
2023年秋ごろの劇場公開が予定されている『青すぎて、青』が、公開に先駆けて、地元・鹿児島で上映されます。
かつて開催された「かごしま映画祭」をリニューアルして今年度より開催されるかごしま平和映画祭は、2月18日と19日の2日間に渡って開催。
『青すぎる、青』は、2月19日日曜日の15時半より「鹿児島特別上映版」として、かごしま県民交流センター県民ホールで限定上映され、当日は今関監督と上大迫さん、肥後さんらによる舞台あいさつも予定されています。
映画祭での上映にあたり、今関監督と主演の上大迫さんは、コメントを発表しています。
今関あきよし監督コメント
《自分とは何者なのか》《自分探し》という普遍的なテーマを映画という映像表現で自由奔放に描いてみたいと思った。
日常の生活に追われてしまうと、気にも留めないようなこのテーマを「鹿児島」でなら描けると直感した。
桜島という大自然の象徴がドンッ!と存在する中、市内は活気に満ちて、最南端の土地では時間がゆっくり流れ、夜空には眩しいほどの星。
鹿児島全体が、地球や宇宙を肌で感じることが出来る街。ここ「鹿児島」なら純粋で繊細な物語が成立すると思った。上大迫祐希というピュアで、透明感のある女優との出会いもあり、この映画はスタートし、ついに完成した。
そして何処よりも先に「鹿児島」での上映が叶い、とても嬉しく思っています。
主人公・田中美巳役:上大迫祐希さんコメント
「青すぎる、青」は鹿児島出身者である私でさえも気づくことのなかった、
あるがままの鹿児島を丁寧に切り取ってくれました。鹿児島に住む皆様が、
この土地の魅力を再確認するきっかけになればと思います。
そして、完成間近のこの映画を一人目の鑑賞者として、この機会に見守っていただけたら幸いです。
「青すぎる、青」がかごしま平和映画祭の良き締めくくりになりますように。
日常の中にあるファンタジーを描き出す『青すぎる、青』は、かごしま平和映画祭での上映後、2023年秋ごろに公開予定。今後の情報にも期待です。