岩手県釜石市を舞台に、井桁弘恵さん主演でラーメン屋の娘が巻き起こす騒動を描く今関あきよし監督の人情喜劇『釜石ラーメン物語』が4月7日より岩手県先行公開、7月東京ほか公開されることが決定し、ティザーポスター、場面写真、井桁さんと監督らのコメントが解禁されました。
『釜石ラーメン物語』は、近年は東欧や台湾など海外ロケの映画制作を続けてきた今関あきよし監督が、2014年に初めて訪れて魅了された釜石を舞台に、日本をちょっとだけでも元気にできるような映画をと構想した作品。
父親と次女が切り盛りする釜石市の小さなラーメン店に、3年間音信不通だった長女が帰ってきたことから始まる騒動を通して、家族の再生を釜石の人々の人情とともに描き出していきます。
3年ぶりに実家のラーメン店に帰ってきて騒動を巻き起こす主人公・正実を演じるのは「仮面ライダーゼロワン」刃唯阿(やいば・ゆあ)=仮面ライダーバルキリー役で注目を集め、その後もドラマ出演やバラエティ番組司会など活躍を続ける井桁弘恵さん。今回は酒を飲んで文句を言うばかりの「お騒がせ姉貴」を演じ、新たな魅力を見せます。
そして、正実と衝突する妹の仲良(なかよし)を演じるのは、夏に主演作『17歳は止まらない』(北村美幸監督)公開を控え注目の高まる池田朱那(いけだ・あかな)さん。
姉妹の父親・剛志役には、多くの作品に携わる俳優・映画監督で今関監督作品では『恋恋豆花』(2019年)でも主人公の父親を演じた利重剛さん。
さらに、震災で行方不明となった母親の正恵を10代から長いキャリアを持つ佐伯日菜子さんが演じるほか、ベテランの藤田弓子さん、村上弘明さん、『恋恋豆花』の大島葉子さんら、多彩なキャストが集合。釜石市民の方々も多数出演しています。
『釜石ラーメン物語』より。井桁弘恵さん演じる主人公・正実
公開決定にあたり、正実役の井桁さん、仲良役の池田さん、原案もつとめた今関監督は、以下のようにコメントを発表しています。
長女・正実役:井桁弘恵さんコメント
正実役を演じさせていただきました。井桁弘恵です。
この作品には、色々な物語があると思っています。
私が演じた正実と妹の仲良の姉妹のこと、家族のこと。それぞれのわだかまりが釜石ラーメンを通じて、優しいスープに麺が絡むように、解けていく様子をぜひ楽しんでいただきたいです。
撮影は桜の綺麗な時期で、満開の桜に迎えられて毎日すっきりと晴れやかな気持ちで臨めました。
そんな釜石の魅力的な風景や空気も一緒に感じていただけたら嬉しいです。
次女・仲良役:池田朱那さんコメント
最初は背中合わせだった“仲良”とお姉ちゃんの“正実”が、震災により亡くなった母が残してくれた釜石ラーメンの味を姉妹で守っていくのですが、井桁弘恵さんのことが大好き過ぎて、正実との喧嘩シーンの撮影は沢山の悪態をつかないといけないのでとても心が痛みました。
観た後に前を向けるような、背中をそっと押してもらえるような、素敵な映画です。
撮影に参加してくださった釜石の皆様と、キャスト、スタッフの皆さんと大切に大切に作った映画なので、是非多くの方に観ていただけたら嬉しいです。
今関あきよし監督コメント
2014年に初めて釜石に足を運び、ひと目惚れ。その後8年間通い続けてやっと一本の映画が完成した。 震災のこともあり、暗い映画では無く、明るい映画にしたいと思いつつ、なかなか形に出来ないでいた。 《鉄と魚とラグビーの街》…ん?まだあるじゃないか!ラーメンが!と閃いてから、話はトントン拍子に進み、釜石の方々の応援もあり、映画はクランクイン!そしてついに全国へと届けられる日がやって来た。 映画の力と釜石ラーメンの熱気で、日本中を笑顔にしたい!
『釜石ラーメン物語』より。池田朱那さん演じる次女・仲良(右)と利重剛さん演じる父・剛志
スタッフにも、脚本のいしかわ彰さん、撮影の三本木久城さんら、近年の今関作品を支えるメンバーが参加。
幾度も災害に見舞われながら、人々が互いに支え合い復興を遂げ、いまも昭和の香りを残す釜石市でオールロケを敢行し、ティザーポスターのレトロなタッチが象徴するような、回顧ではあたたかさを漂わせる作品となった『釜石ラーメン物語』は、4月7日金曜日より岩手県先行公開、7月より東京・新宿のK's cinemaほか全国公開されます。