野火明監督が暗殺部隊の女とそのターゲットである男との恋愛を描いた“極限のラブストーリー”『女の仕事』が10月東京を皮切りに東名阪3劇場で公開されることが決定し、ダブル主演の品田誠さんと長谷川千紗さん、野火監督のコメントと公開劇場からのコメントなどが解禁されました。
暗殺者とその標的の“極限のラブストーリー”! 野火明監督『女の仕事』10月より東名阪で公開
『女の仕事』は、政府にとって都合の悪い人間は秘密の暗殺部隊により抹消されてしまう未来の日本が舞台。ターゲットとなった売れない漫画家の男と、彼を暗殺するため近づいたものの彼に恋してしまった女との禁断の恋が描かれていきます。
日本がかつての戦争の前のようになってしまう可能性はゼロではないという発想から2018年に撮影され翌年に映画祭で上映された『女の仕事』が、追加撮影や再編集などを経て改めて完成。より「戦争前の空気」がより色濃くなった2023年、東京の新宿K’s cinemaで10月14日より20日まで、大阪・十三のシアターセブンで10月28日より11月3日まで、名古屋のシネマスコーレで11月18日より24日まで、それぞれ1週間レイトショー上映されます。
売れない漫画家・大野を演じるのは、映画『飢えたライオン』(2017年/緒方貴臣監督)『恋愛依存症 の女』(2018年/木村聡志監督)『リスタート』(2020年/品川ヒロシ監督)『麻希のいる世界』(2022年/塩田明彦監督)やドラマ「明日、私は誰かのカノジョ」(2022年)などに出演し、第12回田辺/弁慶映画祭で映画.com賞を受賞した『不感症になっていくこれからの僕らについて』(2018年)などで監督としても注目される品田誠さん。
大野を殺すことを命じられた女・チサを演じるのは、脚本・主演をつとめた『憂鬱な花』(2016年/堀井彩監督)が日本芸術センター主催第8回映像グランプリに輝き、2018年にはピンク大賞新人女優賞を受賞するなど女優として活躍し、初長編監督作『エターナルラブが蔓延した日』が公開を控えるなど映画監督としても活躍する長谷川千紗さん。
映画監督としても評価を得るふたりの俳優がダブル主演をつとめます。
そのほか、チサの暗殺部隊の同僚役に『凪の憂鬱』(2022年/磯部鉄平監督)な監督もつとめた『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』(2022年)など映画やドラマで活躍する辻凪子さん、漫画雑誌編集者・西村役に『グリーンバレット』(2022年)など阪元裕吾監督作品に出演する松本卓也さん、ネット弁慶な社会批判家インフルエンサー・見里役に俳優・艶歌シャンソニエ家元など多彩に活躍し『PARALLEL』(2021年/田中大貴監督)の怪演も記憶に新しいひと:みちゃんさんら、個性あふれる俳優陣が集結しています。
メガホンをとった野火明監督は、フォトグラファーとして活躍しつつ映画制作を始め『シークレットワルツ』(1996年)で商業映画デビューして以降、自主・商業で多くの監督作を送り出すのに加え、エンターテイメント系自主映画の映画祭「TOKYO月イチ映画祭」主催者としても活動。「娯楽芸術の映画を自由に撮ることができるのは自主映画」という考えのもと制作された本作『女の仕事』では、脚本と撮影・編集もつとめています。
劇場公開決定にあたり、ダブル主演の品田誠さん、長谷川千紗さん、そして野火監督は次のようにコメントを発表しています。
大野役:品田誠さんコメント
もし撮影当時の自分にこの5年で起こった様々なことを伝えたら、きっと信じないだろうなと思います。
目まぐるしく変わりゆく世界を前にしていると『女の仕事』で描かれている世界も決して絵空事ではなく、あり得ない世界ではないと思わされます。野火監督の静かに燃える炎の中、極限の状況を長谷川千紗さん、チームの皆さんと走り抜いた撮影期間でした。公開に心から感謝します。
チサ役:長谷川千紗さんコメント
この映画を撮影したのは、2018年の冬でした。この5年間で、私自身も、世界も大きく変化しました。
この映画には5年前の必死に作品に向き合ったみんな、そして世界が焼きついています。
眩しく、懐かしく、羨ましく、はがゆく、恥ずかしく、もどかしく
5年前のみんなで必死に作ったものが、たくさんの方々の目に触れる機会を頂けて本当に嬉しいです。
野火明監督:コメント
『女の仕事』はラブストーリーであり、アクション映画です。アクション映画は、アクションを見せるために作るのではなく、人間を見せる事、描くことが一番大事な事だと思い、この映画を作りあげました。極限の状況で人間は愛を貫くことが出来るのか?愛とは何か?観客のみなさまも是非この映画をご覧になり、極限の愛を体験してください。
また、作品が上映される新宿K's cinema、シアターセブン、シネマスコーレ各劇場、そして長谷川千紗さん出演作のメガホンをとったこともある映画監督の池島ゆたかさんが作品にコメントを寄せています。
K's cinema番組担当:家田祐明さんコメント
90年代の始めに、溢れ出す血まみれの狂騒的世界を無残な美しさで圧倒した野火明監督が帰ってきた。
且つてのグロさは影を潜めたものの、エロスもアクションもファンタジックさも兼ね備え、日常の穏やかな世界をジャンプした。メジャーでは女諜報員「リボルバーリリー」のアクションもあれども、インディペンデントでは女必殺仕事人「女の仕事」。仕事人野火明も、まだまだメジャーに負けない。そして、主演の品田誠、長谷川千紗の儚さに、ひと:みちゃんの無様さに、辻凪子の下品な会話にも乾杯。
シアターセブン支配人:菅野健太さんコメント
“未来の日本”を舞台に平和ボケに警鐘をならしつつ、”仕事”を通して血が通った人間を描く。
自主映画だからこそ描ける表現と物語。野火監督の心意気をしっかりと受け止めたいと思います。
シネマスコーレ代表:木全純治さんコメント
エロ漫画家と女殺し屋とのラブストーリーという異色な設定が、妙な共感を呼ぶ野火明監督の意欲作。
ぼうようとした品川誠と大胆な脱ぎっぷりの長谷川千紗に見所あり。
映画監督:池島ゆたかさん推薦コメント
「女の仕事」…なんと言っても、このタイトルが秀逸。女の仕事?なんだろう?まさか身体を売る仕事にこんな短絡的なタイトルつけるわけもないし、えっ、何!?️と、見るものの想像力を刺激し続ける実にナイスなタイトルではないか!見たくなったね!(笑)実のところ、殺し屋を仕事とする女の物語。こうなると、『蟻が空を飛ぶ日』という殺し屋映画の快作を撮った野火監督の得意分野。あとは心して、ヒロインを演じた長谷川千紗の繊細で微妙かつ力強い演技に震えろ!
暗殺者とそのターゲットの残酷な恋を通して、平和と自由はなにかと問いかけ、メッセージ性とエンターテイメント性を兼ね備えた『女の仕事』は、10月14日土曜日に新宿K’s cinemaで公開されるのを皮切りに、大阪・シアターセブン、名古屋・シネマスコーレの東名阪3館で各1週間レイトショー上映。公開中は各劇場で連日イベント開催が予定されており、イベント詳細は各劇場公開10日前に発表される予定です。
『女の仕事』公開スケジュール
- 東京:10月14日(土)〜20日(金) 新宿K's cinema 〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目35−13 3F
- 大阪:10月28日(土)〜11月3日(金) シアターセブン 〒532-0024 大阪府大阪市淀川区十三本町1丁目7−27 サンポードシティー 5F
- 名古屋:11月18日(土)〜24日(金) シネマスコーレ 〒453-0015 愛知県名古屋市中村区椿町8−12 アートビル 1F
『女の仕事』ストーリー
一見すると現在と何の変わりも無い平和な未来の日本。大野(品田誠)という売れない漫画家がいる。彼は旧日本軍が侵略した海外の地の女を犯しては殺す漫画を描いて、少数のエログロ漫画ファンに支持されていた。大野はある日偶然出会った女、チサ(長谷川千紗)と恋に落ちる。だがチサには秘密の仕事があった。それは政府が組織する秘密の暗殺部隊の仕事だった。反戦を訴えるジャーナリストや文化人等、政府にとって都合が悪いとAIが判断した人間たちを暗殺するのだ。チサは大野を暗殺するために彼に近づいたのだった。だが、チサは大野に本気で恋をしてしまう…。チサと大野の奇妙な同棲生活がはじまる。
女の仕事
- 品田誠 長谷川千紗 森恵美 加藤絵莉 下城麻菜 辻凪子 いとうよしぴよ 西川莉子 川口貴弘 松本卓也 上西雄大
ひと:みちゃん いとうたかし 蒲生映与 天白奏音 森りさ 真柳美苗 徳永訓之 北林佑基 石原邦久 矢口明子 矢口美結 高畑保弘 郡司博史 - 監督・脚本・撮影・編集:野火明
- 共同脚本:木島悠翔
- 録音:吉田康弘
- ヘアメイク:進士あゆみ
- 絵本イラスト:前谷至竜
- 漫画制作:青魚光
- ガンエフェクト:富永音夢
- 音楽:hoto-D
- 特殊効果:内田剛史
- 英語字幕:松田慎介
- 協力:和智右桂/杉崎智久/春園幸宏/末田佳子/ブエノ/岩崎友彦
- 機材協力:(株)タムロン
- 製作:ワイルドファイア
- 2022年/カラー/ビスタ/ステレオ/99分|R15+
2023年10月14日(土)より新宿K's cinema、10月28日(土)よりシアターセブン、11月18日(土)よりシネマスコーレにて 各1週間レイトショー ほか全国順次ロードショー