西山真来さんと水澤紳吾さんのダブル主演で娘が行方不明となった夫婦の姿を描く坂本礼監督8年ぶりの監督作『二人静か』が、11月4日より東京の新宿K's cinemaで公開されることが発表されました。
坂本礼監督8年ぶりの新作『二人静か』11月4日公開 西山真来さん水澤紳吾さんW主演の夫婦の物語
『二人静か』は、幼い娘が5年前に行方不明となったひと組の夫婦が主人公。娘の行方不明をきっかけに関係が冷え切った夫婦とその前に現れた若い妊婦を中心に、衝撃の展開で愛とトラウマ、再生と喪失の物語が描かれていきます。
夫妻の妻で次第に壊れていく涼子を演じるのは『夏の娘たち ひめごと』(2017年/堀禎一監督)『カウンセラー』(2020年/酒井善三監督)主演の西山真来さん、涼子のすべてを受け止めようとする夫・雅之を演じるのは『ぼっちゃん』(2012年/大森立嗣監督)主演の水澤紳吾さんと、近年日本のインディペンデント映画シーンで存在感を発揮するふたりがダブル主演。
そして、夫妻の前に現れる妊婦・莉菜役にテレビ小説「まんぷく」(2019年)や映画『わたしのお母さん』(2022年/杉田真一監督)などテレビドラマ・映画で活躍するぎぃ子さん、奨学金返済のためパパ活をおこなう女性・華役に゙新鋭・裕菜さん、さらに伊藤清美さん、佐野和宏さん、川瀬陽太さん、小林リュージュさんら、個性派俳優陣が顔を揃えました。
メガホンをとった坂本礼監督は、瀬々敬久監督に師事してピンク映画の世界でキャリアをスタートさせ、一般作でも『乃梨子の場合』(2014年)『夢の女 ユメノヒト』(2015年)などを監督するほか、プロデューサーとしても『菊とギロチン』(2018年/瀬々敬久監督)『れいこいるか』(2019年/いまおかしんじ監督)などプロデューサーとしても数々の話題作を送り出してきました。
8年ぶりの監督作となる『二人静か』では、豊富な経験による演出で問題作を生み出しました。
解禁された予告編は、娘の手がかりを求めて街頭に立つ涼子と雅之の姿で幕を開け、涼子と莉菜の出会い、そして登場人物それぞれのドラマを予感させる映像が積み重ねられていきます。
公開決定にあたり、小説「救われてんじゃねえよ」で第21回女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞した作家の上村裕香(かみむら・ゆたか)さんは、次のようにコメントを寄せています。
作家・上村裕香さんコメント
映画は時間。わたしたちはスクリーンの前で、各々の人生のうちの103分を、平等な時間をすごす。
雅之と涼子が失踪した娘を探してきた5年。莉奈が失った9年。いくつもの、止まった時間と動きだした時間の交錯を経て、時のうねりが合流する。わたしたちは、うねりの中にいる。
ピンク映画出身の監督たちの活躍が目立つ中、ピンク映画最後のフィルム撮り世代である坂本監督が、卓越した演出により不条理な運命に翻弄される夫婦の姿を描いていく『二人静か』は、11月4日土曜日より東京の新宿K's cinemaにて公開。ほか、全国順次公開されます。
『二人静か』ストーリー
出版社に務める雅之とその妻の涼子。どこにでもいる平凡な夫婦の生活は5年前を境に一変した。5歳になる娘 の明菜はある日突然姿を消し、今日まで行方知れずのまま。あの日娘を預けた涼子の父・丈志を涼子は恨んだが、 認知症の進んだ父は涼子の母・初恵に介護されている。そして娘の行方不明を機に雅之と涼子の仲は修復不可能 なまでに冷えきっていた。わずかな手がかりを求めて街頭に立ち、道ゆく人に情報提供を呼びかける夫婦はチラ シ配布を手伝ってくれる莉奈と出会う。涼子は子供のいなくなった心の空虚を埋めるかのように、出産を控えた 彼女との交流にのめり込むが......。