“俳優の俳優による俳優のための映画製作プロジェクト”の第二弾となる短編オムニバス『HAKUSHI PROJECT vol.2』が、10月7日より東京の下北沢トリウッドで上映されます。
『HAKUSHI PROJECT vol.2』は、俳優の澤田和宏さんと映画監督の浅沼直也さんが代表をつとめる俳優主体のクリエイティブ集団・ワークデザインスタジオによる、映画製作と劇場公開を目指すプロジェクトの第二弾。
昨年、東京をはじめ各都市で劇場公開され好評を博したプロジェクト第一弾『HAKUSHI PROJECT』と同様にワークショップを通じて作品を製作し、劇場公開した際の興行収入は各作品に携わった俳優・監督・スタッフなどに還元されるという「新たな映画製作と還元のかたち」を実践した作品となっています。
今回の『HAKUSHI PROJECT vol.2』は、気鋭の監督と俳優による2本の短編で構成されています。
1本は、両親を失い、親代わりとして妹を育ててきた姉と、いつも「ダメ」ばかり言う姉に反発する妹の物語『お姉ちゃんのダメ出し』。
監督をつとめたのは、第66回ベネチア国際映画祭をはじめ世界23の映画祭で受賞・入選を果たした日米合作短編映画『自転車』(2009年/ディーン・ヤマダ監督)の脚本や『猿楽町で会いましょう』(2019年/児山隆監督)共同脚本などを手がける脚本家・映画監督で劇団牧羊犬を主宰する渋谷悠監督。
短編映画『さらりどろり』(2020年/髙橋栄一監督)で主演をつとめた井内友理恵さんらが出演しています。
『お姉ちゃんのダメ出し』場面写真。井内友理恵さん演じる姉・葉月(右)と木下真愛さん演じる妹・桃香
もう1本は、かつて日本で実際に起きた無差別テロ事件をもとに、30年近い時間を経た現代へと舞台を置き換えて描かれる『消える陽』。
監督をつとめたのは『ラストラブレター』(2016年)が第11回田辺・弁慶映画祭で2冠を獲得し、新作長編『光る鯨』の公開も控える森田博之監督。
舞台から映像作品へと活躍の場を広げる堀さやかさんらが出演しています。
まったくテイストの違う2本の短編で構成され、そのコントラストも見どころとなっている『HAKUSHI PROJECT vol.2』は、10月7日土曜日より13日金曜日まで、東京の下北沢トリウッドで連日19時30分より上映。料金は前売り券1500円、当日1800円となっています。
公開に向け、X(旧ツイッター)のHAKUSHI PROJECT公式アカウントでは、作品に関する情報が精力的に発信されています。
また、渋谷悠監督が講師をつとめるYouTubeチャンネル「超映画ワークショップでは『お姉ちゃんのダメ出し』の企画当初から撮影現場までに密着した解説動画が6回に分けて公開されており、作品鑑賞前あるいは鑑賞後に解説動画を観ることで、、別の角度からも作品を楽しむことが出くるでしょう。
『HAKUSHI PROJECT』というプロジェクトの名称には「未来は常に白紙だ。」という意味が込められています。
今回上映される2作品は、2020年秋から2021年の、コロナ禍の中で制作されました。先の見えない状況の中で創作を続けた俳優・監督たちの、白紙だからこその可能性を提示する『HAKUSHI PROJECT vol.2』に注目です。
『消える陽』場面写真。地下鉄内でテロ事件が起こる……