お笑い芸人と6歳の女の子の奇妙なふたり旅を描いた、松本卓也監督の新作長編『あっちこっち じゃあにー』が、11月4日より東京の新宿K's cinemaほか全国順次公開されます。
『あっちこっち じゃあにー』は、映像制作チーム・シネマ健康会を率いて映画制作をおこない、ライジングサン国際映画祭、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、富川国際ファンタスティック映画祭、函館港イルミナシオン映画祭など、国内外の多くの映画祭で受賞・ノミネート歴を持つ松本卓也監督の新作長編。
面白い動画を撮りたい売れない芸人の末松と、遠くに住む父親に会いたい6歳の女の子・加奈が、それぞれの目的のために1台のキャンピングカーで旅をするロードムービーとなっています。
『あっちこっち じゃあにー』場面写真。ゆずさん演じる加奈(左)と松本卓也監督演じる末松
主人公でネット動画が大好きな6歳の女の子・加奈を演じるのは、新人のゆずさん。役の設定と同じ6歳ながら自然な演技で見事に主演をつとめました。
また、ドライバー役でネパール人のディネス・サプコタさん、ふたりの旅に巻き込まれる役で韓国人のハン・ギュヒさんと、国際色豊かなキャストが出演。
そして、もうひとりの主人公でお笑いコンビを解散したピン芸人・末松を演じるのは松本卓也監督自身。松本監督も実際に元・お笑いコンビという経歴を持っており、自身と重なるような設定の役で主演をつとめます。
さらに、謎の日本人役に映画監督でもある岡田深(おかだ・じん)さん、末松の元・相方役に映画プロデューサーとしても活躍する榎本桜さんと、映画制作にも携わる俳優陣が出演しているのも注目です。
撮影は、実際に東京、群馬、新潟、山形をキャンピングカーとともに移動しながら敢行。
フォークデュオ・野狐禅での活動を経てソロアーティストとして活躍し松本監督作品の音楽を以前から担当しているハマノヒロチカさんによる書き下ろし音楽が映像を彩り、現役バンドでありつつ伝説的存在であるザ・クロマニヨンズの楽曲が物語のキーとして使われています。
先ごろ解禁された予告編では、末松と加奈の出会いからふたりの旅が描かれ、ふたりが旅の中でそれぞれ見出すものを予感させます。
公開に向け、松本監督は次のようにコメントを発表。また、末松の周囲の芸人たちを演じるキャスト5人もコメントを寄せています。
松本卓也監督コメント
ガラにもなく、誰もが考える永遠のテーマ、生き死に について考えました。
そして旅に出たくなりました。
そういえば、キャンピングカーで旅する事が、小学生だった僕の夢でした。
そんな事をぐるぐる、あっちこっち思いを馳せている間に生まれたのが本作です。
映画で初めてキャンピングカーを目の当たりにした時、乗った時、寝転んで窓から景色を眺めた時ー
生き死にのことは忘れて、心から喜んでいたと思います。
子どもから大人までこの映画を楽しんで、人によってはふと何かを考えるきっかけになったり、旅に出たくなったりしてもらえたら嬉しいです。
同期芸人・結城ング役:山形啓将さんコメント
大人でスタンドバイミー!!な作品です。
末松の軽快さ、ダメさ、真っ直ぐさ。全てが愛おしく、憎らしい。
行き当たりばったりな旅を観ていると、自分と向き合う時間をしばらくとれていなかったと気付かされました。
大人になってこそやってみたい旅かもしれない。僕もひとっ走り、知らない日本に行きたくなりました。
さて本編ではちゃんと目的がありますが、、、それは是非劇場にてご覧下さい!!
芸人達も行けばよかったのに、、、
後輩芸人・ホッピー&ビール大塚役:尾野綾美さんコメント
大人と子供であっちこっちに旅をしながら、人類永遠のテーマである生死について考える。これだけでもう面白そうですよね。
そしてキャンピングカーで旅をするっていうのがまたすごくいいですよね!
昔からずっと憧れていて、初めて台本を読んだ時からわくわくしてました。
旅パートだけでなく、芸人チームの活躍もぜひ楽しみにしていていただきたいです。
スクリーンで会えますように!
後輩芸人・ホッピー&ビール村上役:吉井翔子さんコメント
後悔したり失敗したりの人生の中で、ほんの少しでも“笑える何か“があれば、その人の人生はキラキラと輝いて見えるのかもしれないーー。
夢を貫こうともがく芸人の末松に、わたし自身どこか心を重ねながら、そんなことを思いました。
“家族”や“夢”だけでなく、“人生観”についても考えさせられる、心あたたまるロードムービーです。
この映画を観て下さった方に、“明日、良いことありますように”!
後輩芸人・シャイニング睦田役:野坂昌司さんコメント
自分のことを認めてくれて、評価されるのがいつくるかなんて誰にもわからない。
明日かもしれないし、1年後かもしれない。
ひょっとしたら自分が死んだ後かもしれない。
足掻きながら、ダサくても自分の信念を貫こうとする彼の姿を見ていたら、私はいつの間にか自分と重ねていたのかもしれません。
またロードムービーの魅力は成長していく主人公の姿、もしくは悲惨な最後を迎えるまでの過程を見ることにあると思います。
この映画はどうなのか?
最後まで楽しんでください。
映画って本当に良いものですね。
後輩芸人・シャイニング平役:遠藤史崇さんコメント
日々あてもなく、ただそこにいる俺は、生きていると言えるのだろうか。
死んでなお人の心に残るあいつは、あの世で幸せだと思っているのだろうか。
生と死を見つめ続けた男の数日間の記憶がここにあるーーー
、なんてお話じゃありません。
うだつのあがらない大人と、リアリストな子供。凸凹コンビ、あっちこっちのぶらり旅。
仕事の後輩、親友、元カノ。津々浦々で出会うひと。
スクリーンの中のだれかが、あなたのはずです。
ほっこり?わらえる? いとしい?せつない?こころづよい?
なんでもいいんだと思います。劇場から一歩出たあと、心にひっそり、何かがのこっていると嬉しいです。
前作「ラフラフダイ」に引き続き、ふしぎな読後感、ならぬ”観後感”が待ってます。
松本ワールド全開の“フリースタイル映画”、ぜひご覧ください!
大人と子どもの奇妙なふたり旅を通して、普遍的な「生き死に」というテーマを笑いやロマンス(?)も織り交ぜながら描く“出会いとオサラバの旅”のロードムービー『あっちこっち じゃあにー』は、11月4日土曜日より、東京の新宿K's cinemaで2週間にわたり、1週目は14時20分より、2週目はレイトショーにて上映されるほか、全国順次公開予定。
新宿K's cinemaでの上映では、松本監督をはじめスタッフ・キャストや多彩なゲストを迎えてのトークイベントが連日開催される予定で、イベントの詳細などはシネマ健康会の公式ウェブサイトや公式X(旧ツイッター)アカウントで随時発信されます。