製作発表に出席した監督・キャスト。前列左より、葵うたのさん、木場明義監督、高鶴桃羽(たかつる・ももは)さん。後列左より、立川志の太郎さん、木ノ本嶺浩さん、重岡サトルさん、安川結花(惡斗(あくと))さん、嶋村太一さん
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インディーズでエンターテイメント作品を次々と送り出す木場明義監督の新作に向けたキックオフイベントが5月10日に都内で開催され、主演をつとめる葵うたのさんらが出席して新作SF長編『タイムマシンガール』の製作発表がおこなわれました。
『サイキッカーZ』(2022年)『エスパーX探偵社〜さよならのさがしもの〜』(2023年)など、日常にSF要素を取り入れたコメディタッチの作品で人気の木場明義監督の新作となる『タイムマシンガール』は、驚くと数十分過去に戻る体質になってしまったOLを主人公にした、木場監督曰く「ちょっと楽しいSFストーリー」。
主人公のOL・星野可子(ほしの・かこ)を『レッドブリッジ』(2022年/山嵜晋平監督)やテレビドラマで活躍する葵うたのさんが演じ、可子と一緒にタイムスリップする同僚・山本千鶴を映画やテレビドラマに出演するほかアイドルグループでも活動する高鶴桃羽さんが演じます。
製作発表には、葵さん、高鶴さん、さらに木ノ本嶺浩さん、女子プロレスラー・惡斗(あくと)としても活躍する安川結花さん、落語家の立川志の太郎さんら、多彩なメインキャストと木場監督が出席し、それぞれに作品への意気込みを語りました。
映画のストーリーにちなんで「もし自分がタイムスリップしたら?」という質問がされると、葵さんは「自分の好きな食べ物をもう1回食べに行きます」、高鶴さんは「テーマパークで乗り物に乗った直後にタイムスリップして乗る前に戻って、何回もループして楽しみたいと思います」と、好きなものを繰り返して楽しみたいと回答。
立川志の太郎さんは「立川志の輔というのが私の師匠なんですけど、タイムスリップしたら別の師匠のところに入門すると思います」と場内の笑いを誘いつつ「とっても厳しくも優しい師匠です」と忘れずにフォローも。
木ノ本さんは「ときどき寝る前とか思い出しません? あのとき失敗しちゃったなとか」と、誰でも経験があるような過去の小さな失敗をやり直して「安らかな睡眠を得たいと思います(笑)」と笑顔。
重岡さんは、舞台や映画で「別の、時間が被ったりして観られなかったやつを」過去に戻って観に行くと、ほかの登壇者も感心する有意義なタイムスリップの使い方を提案。
安川さんは「試合のときに、ここでお客さん盛り上がったからこの技をもっとやろうとか、ここでアピールしようとか、この技失敗したから大事に飛ぼうとか、考えてやるような気がします」とプロレスラーならではの回答。
嶋村さんは「ぼくはほんとにプロレスが大好きなので、もし戻ったら惡斗さんの昔の試合を木場さんと観たいですね」と話し、木場監督も「観たいですね」と盛り上がりました。
製作発表中の木場明義監督、葵うたのさん、高鶴桃羽さん、立川志の太郎さん、木ノ本嶺浩さん、重岡サトルさん、安川結花(惡斗)さん、嶋村太一さん(左より)
製作発表終了後には、木場監督の『ボクたちの宇宙戦争』(2023年)『ブースト』(2020年・オムニバス『地元ピース! 幻想ドライビング』の一編)、映画制作ユニット・ルネシネマでの活動で知られる長谷川朋史監督の『左腕サイケデリック』(2019年・オムニバス『かぞくあわせ』の一編)の、いずれも日常の中にSF・ファンタジー要素のある短編3作品の上映と、木場監督と長谷川監督のトークがおこなわれました。
一貫して自主映画の道を進んできた木場監督、俳優・舞台演出を経て映画制作を始めた長谷川監督と、それぞれ異なるバックグランドを持ちつつ現在のインディーズ映画界で活躍する両監督は、上映作品の制作の裏側や、インディーズでのキャスティングについてなどについてトーク。
長谷川監督が『タイムマシンガール』に撮影で参加することも発表され、両監督が映画祭で会った際に長谷川監督が「“どうすか?”って自ら売り込んで」(長谷川監督談)決まったと参加のいきさつも語られ、新作への期待を高めてトークも締めくくられました。
トークをおこなう長谷川朋史監督(左)と木場明義監督
製作発表出席者のほか、長いキャリアを持つ遠山景織子さんや、プロマジシャン・俳優のアレスさんらが出演、充実のキャストで木場監督が送る「不意打ちタイムスリップストーリー」『タイムマシンガール』は、5月下旬より撮影をおこない、2025年初頭に公開予定。
製作を支援するクラウドファンディングが6月28日まで実施されています。