舞台あいさつをおこなったキャストと監督。前列ポスターを挟んで鄭玲美さん(左)、水村美咲さん。後列左より、松本動(まつもと・ゆるぐ)監督、飛香まい(あすか・まい)さん、川連廣明(かわつれ・ひろあき)さん、岩永光祐さん、八木橋聡美さん、鈴木浩文さん、清成月恵さん、倉橋うみさん、今谷フトシさん
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俳優の水村美咲さんが企画・原案・プロデュース・主演をつとめた『在りのままで咲け』『在りのままで進め』の東京アンコール上映が6月8日に池袋シネマ・ロサで始まり、水村さん、八木橋聡美さん、鄭玲美さんら出演者と松本動監督が舞台あいさつをおこないました。
『在りのままで咲け』と『在りのままで進め』は、姉妹作となる2作品。『在りのままで咲け』は、主人公の女優が家族との考え方の違いに悩みつつ仕事と子育ての両立を目指す姿を水村美咲さん主演で描いた短篇。『在りのままで進め』は、子育てしながら女優の夢を追う女優、結婚や出産を諦めて仕事を続ける女優、映画監督を目指す女性助監督、3人の女性がそれぞれの進む道を見つけていく姿が水村さんと八木橋聡美さん、鄭玲美さんのトリプル主演で描いた長編となっています。
今回のシネマ・ロサでの上映は今年1月下旬からの上映が好評を得たことを受けてのアンコール上映となり、舞台あいさつに登壇した水村さんは「本当にありがとうございます」と、再上映の実現に感謝。そして「私が30歳のときにこの企画を立ち上げたんですけど、周りの女優仲間で30歳を節目に夢を諦めて“辞める”という選択をする人がポツポツいたことをきっかけに、フル回転じゃなくても(30歳以前と)やり方を変えて夢を追いかけ続けるという選択に、もうちょっとポジティブなイメージを持てないかなというところからこの企画が始まって、女性が活躍するだけじゃなくて周りの男性も一緒に成長していく物語になればなということで『在りのままで進め』も企画して、1年間で2本撮影をして完成した作品になります」と、作品の成り立ちを説明しました。
舞台あいさつでは、松本動監督がキャスト陣に質問するかたちで『在りのままで進め』撮影時のエピソードが語られました。
八木橋聡美さん演じる女優の中村マコの誕生日をマネージャーの照井が祝うシーンは事情により1ヶ月後に再撮影となっていたそうで、八木橋さんは「照井さん(を演じた鈴木浩文さん)が、1ヶ月後に会ったら照井さんのままだったので」違和感なく演じられたと回想。
劇中映画の助監督・浅井美奈を演じた鄭玲美さんは、大人数で物も多いスタッフルームのシーンで移動がスムーズにできるよう「“ちょっとここ椅子を引いといていただいていいですか?”みたいに、みなさんに協力していただいていた記憶はあります」と現場での工夫を紹介。
女優の和泉京華を演じた水村さんは、京華がマネージャーにある決意を伝えるシーンで「喧嘩別れしようと思って行ったわけではなくて、感謝の気持は持ち続けようと思って」演じていたと、撮影時の心境を振り返りました。
トークでは、マコの友人を演じた女優陣を中心に「俳優という夢を追いかけている女性として、仕事と家庭のバランスについて」の話題も。八木橋さんが「理想と現実の狭間で、自分と家族の、自分たちにとって一番いいところを常に探しながら歩んでいくのかなみたいに思っています」と話すなどそれぞれの立場からの意見が出され、今回のような舞台あいさつに登壇するのも子どもを見てくれる人の協力がないと難しいのではという意見も出ましたが、水村さんは「私は(映画の中で)京華が息子の颯ちゃんを連れてロケハンに行っていたみたいに、舞台あいさつに子どもを連れてきてもなにも言われない世界になればいいなとは思います」と、社会が子育てしながらの仕事に寛容な方向に向かってほしいと考えを述べました。
水村美咲さんが俳優として活動する中で実感してきたテーマを、短篇が国内外の映画祭で多くの賞に輝く松本動監督をはじめとするスタッフとキャストがエンターテイメント性も持った前向きな作品へと昇華させた『在りのままで咲け』『在りのままで進め』は、6月8日土曜日より1週間、東京の池袋シネマ・ロサでアンコール上映。上映期間中には舞台あいさつや特典映像上映がおこなわれるほか、リピート鑑賞者への感謝を込めたスタンプラリーも実施されています。