舞台あいさつをおこなった架乃ゆら(かの・ゆら)さん、古谷蓮(ふるや・れん)さん、工藤渉監督(左より)
※画像をクリックすると大きく表示します
コロナ禍に制作され話題となった『30days』の後日譚を描く『僕の月はきたない』が6月15日に新宿K's cinemaで初日を迎え、主演の古谷蓮さんとヒロインを演じた架乃ゆらさん、工藤渉監督が舞台あいさつをおこないました。
『僕の月はきたない』は「若手俳優の古谷蓮が30日間の禁欲生活を過ごして憧れの人に告白する」という設定のフェイクトキュメンタリー『30days』(2020年/吉田浩太監督)の「その後」を描いた長編作品。30日の禁欲生活ののちに寺修行を決意した俳優・古谷蓮が、寺での生活や自分のファンだと名乗る美女・海野琴絵との出会いなどを経て、やがてたどり着くものが描かれていきます。
主人公の「俳優・古谷蓮」を演じた古谷蓮さんは、これまでも本人役や「古谷」という役名の役を演じた経験があったため、本人を演じる上で特別なものはなかったそうですが「作風的に自分を通して出さなきゃいけないものが多くあったので、今回は本当に気合が入りました」と振り返りました。
古谷のファンを名乗る美女・海野琴絵を演じた架乃ゆらさんは、行動原理も行動自体も突飛で共感しづらい琴絵について「私は琴絵のムチャクチャな行動をするところとか、100%ではないですけど、わかる部分があったので、わかる部分を引き出してやるというのが“苦労した”と言い方をすれば苦労したなと思います」とコメント。
古谷さんはそんな架乃さんについて「架乃ゆらとしてもムチャクチャなことをやっていた」と、古谷さんと一緒の撮影が始まって間もない時期に、架乃さんがいきなりアドリブを入れてきたという裏話を披露。架乃さんが「古谷さんが現場でもイジられて可愛がられている感じで、私もそういう感じで行っていいんだなって」アドリブを入れたと説明すると、古谷さんは「ありがたいことに、アドリブでイジっていただいて」と笑顔で応えて現場の雰囲気を感じさせ、古谷さんは「終始、楽しく撮影させていただきました」、架乃さんも「平和でしたよね」と撮影の印象を述べました。
これが長編初監督となる工藤渉監督は、監督する上で大事にしていたことを「癪なんですけど(笑)、なんとかして古谷くんを輝かせなくてはいけない」ということだったと話し「あまり長編デビューとかは考えてはいなかったです。古谷蓮と、ぼくの中にいる心の中の人のために撮ったという気持ちではあります」と初長編を振り返りました。
工藤監督のその言葉に古谷さんは「普段、こういう真面目な話をふたりで全然しないので、ちょっと感激ですね」と感想を。「ふたりのときもそういう話をしてほしいなと思いますね」という古谷さんに、工藤監督は「恥ずかしいし(笑)」と笑いました。
撮影を振り返る架乃ゆらさん、古谷蓮さんと、ふたりのやり取りに笑う工藤渉監督
舞台あいさつは、3人それぞれのメッセージで締めくくられました。
古谷蓮さん「この映画では“生と死”というものをメインに描いていて、やっぱり生きていくってことはすごく大変なことではあると思うんですけど、さらにその上で“自分らしく生きていく”というのはもっと大変なことだなと常々いまでも思っていて、修行を通じて、この撮影を通じて、大変だけれどもこうやって助けてくれるたくさんの方がいらっしゃったり、こうやって観に来てくださる方々に助けられて生きているなと、いま日々感じて生きております。これからも、いまこの瞬間を大切に、まっすぐにがんばって生きていきたいと思います。今日はありがとうございました」
架乃ゆらさん「今日は初日をたくさんのお客さまに観ていただけて、すごく幸せだなと思います。これから上映が始まるので私からはあまり細かくは言わないようにしておきますが、SNSでぜひ感想をつぶやいていただけると、我々本当にすべて見にいきますので、ぜひツイートしていただければと思います。今日はありがとうございました」
工藤渉監督「いろいろなメッセージというか、いろいろなことを込めている映画なんですけど、楽しんで観ていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます」
舞台あいさつ登壇者のほか、仁科貴さん、国保裕子さん、鹿野裕介さん、芹澤興人さんらの実力派が共演し、前作『30days』の監督である吉田浩太さんをはじめ、坂牧良太さん、平波亘さんら、映画監督が出演者として参加しているのも注目の『僕の月はきたない』は、6月15日土曜日より東京の新宿K's cinemaにてレイトショー公開中。上映期間中は古谷蓮さんとスタッフ・キャストやゲストによるトークイベントが連日開催されます。