映像ユニット「群青いろ」17年ぶりの劇場公開作で古川琴音さんがヒロインを演じる『雨降って、ジ・エンド。』の東京・ポレポレ東中野での公開日が2月10日に決定。さらに同作の上映を記念して「群青いろ」の最新作『彼女はなぜ、猿を逃したか?』が2月24日より同劇場で公開されます。
「群青いろ」の2作品『雨降って、ジ・エンド。』『彼女はなぜ、猿を逃したか?』が2月連続公開
「群青いろ」は、髙橋泉さんと廣末哲万(ひろすえ・ひろまさ)さんが2001年に結成した映像ユニット。作品によってふたりが監督・脚本・主演をそれぞれ担当するというスタイルで自主制作作品を発表し、髙橋さん脚本・監督、廣末さん主演の『ある朝スウプは』(2003年)がPFFアワード2004でグランプリを受賞して2005年に劇場公開、廣末さん監督・主演、髙橋さん脚本の『14歳』(2006年)などで営為がファンの注目を集めてきました。
髙橋さんが脚本家として『ソラニン』(2010年/三木孝浩監督)『東京リベンジャーズ』シリーズ(2020年~/英勉監督)などのヒット作を手がけ、廣末さんが俳優として『凶悪』(2013年/白石和彌監督)『ひかりの歌』(2017年/杉田協士監督)などに出演し、それぞれが映画界で活躍しつつ「群青いろ」としての自主制作作品も引き続き発表し、孤高の映像ユニットとして熱狂的なファンの支持を集めています。
2007年公開の『14歳』以来、実に17年ぶりの「群青いろ」劇場公開作となる『雨降って、ジ・エンド。』は、髙橋泉さんが脚本・監督をつとめ、廣末哲万さんが主演。
写真家を目指す派遣OLの日和(ひより)が、ピエロのメイクをして風船を配る中年男・雨森と出会い、バズる写真を撮るため雨森に近づいていくうちに恋心を抱いていく中で雨森の秘密を知ることになるというストーリー。センシティブな題材を衝撃的な展開の待つ予測不能の純愛ラブストーリーとして描いています。
劇場用映画やテレビ・配信ドラマで話題作への出演が続く古川琴音さんが主人公の派遣OL・遠藤日和を演じ、もうひとりの主人公であるピエロのメイクをした中年男・雨森を演じるのは廣末哲万さん。さらに「群青いろ」作品常連俳優の大下美歩さん、新恵みどりさんらが出演しています。
さらに『雨降って、ジ・エンド。』公開を記念して「群青いろ」の最新作である『彼女はなぜ、猿を逃したか?』が、同じくポレポレ東中野で公開されることも発表されました。
『彼女はなぜ、猿を逃したか?』は、高校生が動物園の猿を逃がしたという実際の事件をヒントに髙橋泉さんが脚本を執筆し監督も担当した作品。
動物園の猿を逃がす事件を起こした女子高校生と、彼女の取材をおこなううちに精神のバランスを崩していくルポライター、ふたりの周囲の人々の姿を通して「ネットでの誹謗中傷」や「恣意的に切り取られた報道」といった現代を象徴する事柄を、綿密な構成と幾層にも施された仕掛けでサスペンスとして描いた“「炎上」サスペンス”。
2022年の第23回東京フィルメックスのメイドインジャパン部門での上映、2023年の第15回下北映画祭での上映を経て、待望の劇場公開を迎えます。
ルポライターとして事件を起こした女子高校生の取材を進めるうちに、誹謗中傷される彼女を救えるのは自分だけだという想いに囚われていく市川優子を演じるのは「群青いろ」作品のレギュラーメンバーで『雨降って、ジ・エンド。』ではヒロインの勤務先の上司を演じている新恵みどりさん。
優子の夫で、優しく優子を見守るようでどこかに不穏なものも感じさせる奏太を演じるのは「群青いろ」の廣末哲万さん。
そして、優子の取材を受ける高校生・島村未唯(しまむら・みい)役にはテレビドラマ「マルス-ゼロの革命-」(2024年)などに出演し、これが映画初出演となった藤嶋花音さん、奏太の事務所でバイトする映画監督志望の高校生・トキオ役には大河ドラマ「青天を衝け」(2021年)などの萩原護さんと、今後の活躍が期待される若手俳優を重要な役に抜擢。
さらに「群青いろ」作品にたびたび出演しその世界をよく知る高根沢光さん、結(ゆい)さんが出演しています。
撮影は、かねてから「群青いろ」のファンであった映像作家で俳優でもある恵水流生(えみ・りゅうせい)さんが担当。
数々の映画・ドラマ音楽を手がける小山絵里奈さんが印象的な音楽を担当しています。
ポスターヴィジュアルは、優子と未唯の背後で奏太がスマートフォンのファインダーを、トキオがカメラのファインダーを覗く、ファインダー越しに見られる者、見る者を表現しているような構図に「切り抜きされた 私たちの景色。」というコピーが強い印象を残します。
久々の劇場公開を迎える「群青いろ」最近作は、それぞれが異なるタッチながら、誰にとっても身近な現代社会の問題を、エンターテイメント性の中で鋭く照らしつつ、映画の快感をもたらす作品群となっています。
『雨降って、ジ・エンド。』は2月10日土曜日より、『彼女はなぜ、猿を逃したか?』は2月24日土曜日より、東京のポレポレ東中野で連続公開されます。
『雨降って、ジ・エンド。』ストーリー
フォトグラファー志望の日和は、偶然撮ったピエロ男・雨森の写真がSNSで大バズり。さらなる「いいね」を求めて雨森に近づくうち、日和の思いはいつしか恋心へと変わっていくが、雨森には想像を絶する秘密があった……。それぞれが心に秘めた「思い」を相手にぶつけ合ったとき、未知の扉が開き、淡色の世界はカラフルに色づいていく。
雨降って、ジ・エンド。
- 古川琴音 廣末哲万 大下美歩 新恵みどり 若林拓也
- 監督・脚本:髙橋泉
- 音楽:平本正宏
- 撮影:彦坂みさき
- 照明:金子秀樹
- 録音:皆川慶介
- 美術:泉佳央里
- 衣裳:石原徳子
- ヘアメイク:南辻光宏
- 助監督:菊地健雄
- プロデューサー:齋藤寛朗
- 企画:群青いろ
- 制作:カズモ
- 配給:カズモ
- 宣伝:MAP
- 2020年/カラー/ビスタサイズ/5.1ch/84分
2024年2月より ポレポレ東中野ほか全国順次公開
『彼女はなぜ、猿を逃したか?』ストーリー
動物園の猿を逃すという事件を起こした女子高生に取材し、その理由を探ろうとするルポライター。しかし誹謗中傷に晒された女子高生を救いたいと真実に迫るうち、彼女は自身の精神のバランスを崩していく......。