大阪芸術大学で学んだ杵村春希監督の初長編監督作で、期待の女優・山﨑翠佳さんが映画初主演作をつとめる『カフネ』が、10月12日より東京のポレポレ東中野で公開されることが発表されました。
『カフネ』は、小さな港町を舞台に、恋人との子どもを妊娠してしまった高校3年生の澪が主人公。さまざま困難の中で、新たな決断をくだしていく澪の姿をとおして、男女の心と心の通い合いを静かに描いていきます。
メガホンをとったのは、2001年生まれで『カフネ』製作時には大阪芸術大学在学中だった杵村春希(きねむら・はるき)監督。
コロナ禍の中で「若年層の望まない妊娠」が増えているというニュースに杵村監督が関心を持ったことから企画が動き出し、杵村監督と脚本の千葉美雨さん、プロデューサーの吉田光歩(よしだ・みつほ)さんら、大阪芸術大学学生を中心とした25名の大学生が集まり、「高校生の妊娠」というセンシティブな事象を扱いつつも「本音で語り合うことで生まれる真の対話」をテーマにした作品づくりがスタートしました。
映画の舞台は、スタッフたちが「この街を舞台に映画を撮りたい」と感じた世界遺産の町・三重県熊野市に決定し、クラウドファンディングによる支援も受け、2022年8月に2週間にわたるオールロケ撮影がおこなわれています。
キャストは、400名以上がエントリーしたオーディションにより決定されました。
彼氏との子どもを妊娠する主人公の高校3年生・瀬川澪を演じるのは山﨑翠佳(やまざき・すいか)さん。人気デュオ・コブクロのミュージックビデオ「卒業」2022年バージョンで主演をつとめコンテンポラリーダンスを披露し、現在放送中のテレビ小説「虎に翼」ではヒロイン・寅子のクラスメイトを演じている期待の若手女優が、長編映画初主演をつとめます。
そして、澪の彼氏・遠山渚役の太志さん、澪がただひとり胸の内を明かせる親友・峯田夏海役の松本いさなさん、仲野豊役の木下隼輔さんと、映画やドラマ、舞台で活躍する若手俳優陣が出演。
さらに、脚本を読んで出演を決めた宝塚歌劇団出身の桜一花さん、映画祭会場で監督が直接オファーした入江崇史さんと、豊富なキャリアを持つ俳優も参加しています。
また、主題歌「秘密」は、大阪発のアードバンド・終日柄(ひねもすがら)が担当。『カフネ』本編映像を用いた同曲のミュージックビデオも公開されています。
2023年8月に第18回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門で歴代最年少監督となるノミネートを果たし、同年10月には若手監督の登竜門となっている第24回TAMA NEW WAVE「ある視点」部門で上映されるなど、話題を集めていた『カフネ』が、いよいよ10月12日土曜日より東京のポレポレ東中野で劇場公開。
公開に向け、主人公・澪の横顔に「無駄なことなんかなかった。」というコピーが添えられたフライヤー画像も公開されました。
なお、劇場公開では、杵村監督の新作で『カフネ』出演の松本いさなさんが主演する短編『チョコレートコスモス』が同時上映されます。
すでに公式SNSが稼働しており精力的に情報を発信中。若きスタッフと期待の俳優陣が神秘的な町・熊野で作り上げた「少女の新たな決断と希望の物語」の、今後の情報に注目です。
主演(瀬川澪役):山﨑翠佳さんコメント
『カフネ』の企画書を見た瞬間、熊野の海と街の写真に魅了され、「ここに行きたい!」と感じました。脚本を読み、「澪の言葉を話したい」と強く思いました。
当時、私は自分の在り方に不安を感じ、他人と関わることを恐れていました。澪は私に、自分の気持ちを感じてもいいこと、人生を自分で選ぶ大切さ、人と本音で関わる居住まいを教えてくれました。
杵村監督の「本音で語り合うことで様々な感情が生まれるが、そこには本気で誰かを思う温かさがある」という言葉が心に残っています。この温かさこそが、キャラクターたちの魅力であり、『カフネ』の見どころの一つです。体当たりで演じた『カフネ』をどうぞ、よろしくお願いいたします。
杵村春希監督コメント
自分の人生を、自分自身で決める。
そうすることではじめて、人は自分と真に向き合い、自他を愛することができると信じています。『カフネ』は、自分の感情に背を向ける少女が、対話を重ねることで不器用ながらも自分の本心と出会い、他者とはじめて関わる映画です。様々な価値観が蔓延する現代で、自分自身に対する決断を自分で行う美しさは、いくら強調してもし切れません。令和を生きる私たちにとって、最も大切な愛にまつわるストーリーを是非ご覧ください。