期待の女優・中尾有伽さんと芸能界で永く活躍する研ナオコさんがダブル主演をつとめる岡﨑育之介監督の長編第2作『うぉっしゅ』が2025年ゴールデンウィークに新宿ピカデリーにて公開されることが発表され、主演の中尾さん・研さん、岡﨑監督のコメントが公開されました。
『うぉっしゅ』は、仕事をしながら祖母の介護をすることになったソープ嬢と、認知症の進んだ祖母が、介護する・される生活の中で築いていく関係をコミカルに描いていくヒューマンドラマ。
家族には仕事を隠しつつソープ嬢と祖母の介護の「人の身体を洗う二重生活」を送ることになる主人公・加那を演じるのは、物語の中心となる中学生を演じた『暁闇』(2018年/阿部はりか監督)や、即興演技による短編『ハッピーエンディング/鳥を見にいく』(2022年/井上康平監督)などに出演してきた中尾有伽(なかお・ゆうか)さん。女優・モデルとして活躍するほか2024年には写真展を開催するなど多彩な活動を見せる期待の存在が、企画段階から参加し監督とのディスカッションを重ねるなど作品に深くコミットして主演をつとめます。
もうひとりの主人公で認知症の進んだ祖母・紀江を演じるのは、長年にわたり歌手活動やバラエティ、演技など多岐にわたる活躍を見せてきた研ナオコさん。監督のオファーにより久々の映画主演をつとめました。
さらに、お笑いコンビ・ニューヨークの嶋佐和也(しまさ・かずや)さん、『ある惑星の散文』(2018年/深田隆之監督)などの中川ゆかりさん、『万引き家族』(2018年/是枝裕和監督)などの髙木直子さん、『とりつくしま』(2024年/東かほり監督)などの磯西真喜(いそにし・まき)さん、一人芝居動画が動画サイトで人気となっている重松文(しげまつ・あや)さん、原田眞人監督作品など多くの作品に出演し近年はショートムービー「年齢確認」シリーズで人気の赤間麻里子さんら、幅広いキャストが顔を揃えています。
メガホンをとったのは岡﨑育之介監督。『犬ヶ島』(2018年・米/ウェス・アンダーソン監督)など俳優としての活動歴を持ち、長編初監督作『安楽死のススメ』(2023年)が海外の映画祭・映画賞で高評価を得た新鋭が、自ら企画、脚本も担当して長編第2作を完成させました。
2025年の公開に先駆けて発表されているポスターヴィジュアルは縦パターン・横パターンの2種。横パターンはちょうど中央を境に左がソープ嬢の加那、右が祖母・紀江を介護する加那と、加那のダブルワークを象徴的に表現した構図。
縦ヴィジュアルは、横ヴィジュアルと同様の写真に、車椅子に乗った紀江と車椅子を押す加那、ふたりの笑顔が印象的な写真が組み合わされています。
『うぉっしゅ』ポスターヴィジュアル ※クレジットありバージョンはこちら
公開決定にあたり、中尾有伽さん、研ナオコさん、岡﨑育之介監督は次のようにコメントを発表しています。
主演(加那役):中尾有伽さんコメント
出来上がった映画を初めて観たとき「クレヨンしんちゃん」みたいだなと思いました。主人公に自分を重ねてもいいし、友情、恋愛、家族の視点もあって、幅広く届くものになっている。皆さんそれぞれの心には、どんなポイントが刺さるのか、私も楽しみにしています。
主演(祖母・紀江役):研ナオコさんコメント
今回、岡﨑監督からオファーをいただいて、監督の経験と人柄を知り、お話を聞いていくうちに「私に対して妥協するなら出ません」と言う答えになりました。久しぶりに心に通じる何かを感じたからです。私はいつもと変わらず一緒なんですけどね。完成した作品を初めてスクリーンで観た時は撮影現場での事をいろいろ思いだしました。現場ではお互い納得のいくところまで話し合い、撮影に挑みました。勿論現場の雰囲気作りも大事ですからね。観ていただいた方に何か一つでも心に引っかかるものがあったら嬉しいです。
監督・脚本・企画・編集:岡﨑育之介監督コメント
新しい芸能界を作りたいと思っています。日本の作品は暗すぎる。みんなそんなものばかり見たいのか?もうそんな時代じゃなくていい。だから、僕が時代を始めます。後に語られる“明るかった時代、令和”を、この映画『うぉっしゅ』から始めます。ジメッとしたテーマこそ「明るくポップなエンタメ作品」に。研ナオコさんのキャラクターさながら映像も音楽もカラフルで、肩に力を入れず笑って泣いて、楽しく観られないと意味がない。そして映画館の帰り道に、ちょっぴり難しいことも考えてみる。「洗うこと・忘れられること」ソープ嬢が認知症のおばあちゃんの介護をする。血の繋がった2人が“初対面”を繰り返す家族の物語。大切な人は、いつまであなたを覚えていられるでしょうか。
今年開催された第19回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門に入選し好評を博した『うおっしゅ』は、2025年ゴールデンウィークに東京の新宿ピカデリーで公開されます(配給:NAKACHIKA PICTURES)
『うぉっしゅ』ストーリー
ソープ店で働く主人公・加那の元にある日、母から電話がくる。「一週間だけ、おばあちゃんの介護してくれない?」
仕事のことを隠していた加那はそれを誤魔化そうとした末、実家とソープ店を行き来して“人の身体”を洗い続ける二重生活〈ダブルワーク〉をすることとなってしまう。
認知症が進み、名前すら覚えていない祖母・紀江の介護に奮闘する加那。
会うたびに“初対面”を繰り返してゆく二人だが、「どうせ忘れる」相手に対し加那は仕事のことを自由に打ち明けられることに気付き、徐々に心を近付けていく。
すると祖母の知らなかったこれまでの人生と孤独が垣間見え、加那は自分自身のことを見つめなおし始める―