発表から100年を迎えた谷崎文学の名作を井土紀州監督が新たな解釈で映画化する『痴人の愛』の公開日が11月29日に決定し、ポスターヴィジュアルと予告編・場面写真、主演の大西信満さんと奈月セナさん、井土監督のコメントが解禁されました。
歴史に名を残す文豪・谷崎潤一郎が1924年(大正13年)に発表した『痴人の愛』は、世代を越えて読み継がれ、増村保造監督による映画(1967年)をはじめ、繰り返し映像化されてきました。
発表から100年を迎えた2024年、2023年にやはり谷崎作品の代表作である『卍』を新たな解釈で映画化した井土紀州(いづち・きしゅう)監督が、この名作の映画化に挑みました。
『ラザロ-LAZARUS-』(2007年)などの監督作や瀬々敬久監督作品などの脚本で映画監督・脚本家として日本映画界で独自の存在感を放ってきた井土監督が、昨年の『卍』の脚本を担当した小谷香織さんと再びタッグを組んで取り組んだ2024年版『痴人の愛』は、主人公を「谷崎潤一郎『痴人の愛』の映画化脚本を執筆する脚本家志望の男」に設定。メタフィクショナルな要素も取り入れ、創作を志す者の青春や「創作と恋愛の狭間」の葛藤を描く、現代を舞台とした新たな『痴人の愛』となりました。
脚本家志望の主人公・河合譲治を演じるのは、大西滝次郎の名で主演をつとめた『赤目四十八瀧心中未遂』(2003年/荒戸源次郎監督)や四肢を失った元軍人を演じた『キャタピラー』(2010年/若松孝二監督)などで知られる大西信満(おおにし・しま)さん。
そして、河合譲治が出会う「運命の女」ナオミ役には、グラビアで人気を博し『大きい女の子は好きですか?』(2020年/大橋孝史監督)『レディ加賀』(2024年/雑賀俊郎監督)など演技のフィールドでも活躍してきた奈月セナさんが起用され女優としての新境地を見せています。
さらに、連続テレビ小説「虎に翼」で主人公の友人である男装の女性・山田よねを演じて注目を集めた土居志央梨(どい・しおり)さん、幅広い作品に出演するベテラン・村田雄浩さん、近年の日本映画に欠かせないバイプレイヤーの川瀬陽太さんや、吉岡睦雄さん、中島ひろ子さん、芳本美代子さん、友情出演の丸純子さんら、共演には充実のキャストが揃いました。
解禁されたポスターヴィジュアルは、抱き合う河合譲治とナオミの姿に添えられた「私のために生きてみる?」という刺激的なセリフが印象に残るデザイン。
予告編は、脚本家として成功しようと苦闘する河合譲治とナオミとの出会いや、ふたりを取り巻く人物たちが映し出され、原作小説とは違った映画『痴人の愛』の世界を垣間見せる映像となっています。