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早くも海外映画祭で受賞! 金子雅和監督新作『光る川』2025年3月公開 キャスト情報など解禁

 『リング・ワンダリング』などで海外でも高い評価を受ける金子雅和監督の新作『光る川』が2025年3月に東京のユーロスペースで公開となることが発表され、華村あすかさんらキャスト情報と作品の世界を伝える場面写真4点が解禁されました、日本公開に先立ちスペインで開催された第62回ヒホン国際映画祭でユース審査員最優秀長編映画賞を受賞しました。。

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解禁された『光る川』場面写真。有山実俊さんが演じる少年・ユウチャ

 映画美学校で瀬々敬久監督らに師事した金子雅和監督は、水や森など荘厳な風景を捉えた美しい映像と民俗学的モチーフにより、現代に忘れられかけている自然への畏怖や人間の根源にある生命などをテーマにした作品を発表し続け、初長編『アルビノの木』(2016年)では世界9ヶ国の映画祭で20の賞を受賞、続く長編第2作『リング・ワンダリング』(2021年)はインド国際映画祭で同映画祭史上日本人監督3人目となる最高賞・金孔雀賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得ています。

 待望の新作となる『光る川』は、金子監督の長編としては初の原作ものとなり、岐阜出身の作家・松田悠八さんの小説「長良川 スタンドバイミー一九五〇」が原作。長良川を舞台に少年たちの日々を描いた原作を、長良川流域の土地・民話・伝承から受けたインスピレーションによって大きく膨らませた物語を構築。高度経済成長が始まった1958年を舞台に、洪水の被害に脅かされる山間の集落に住む少年が、悲恋の哀しみから洪水を起こすようになった里の娘の伝承を知り、娘の哀しみを鎮めようと山奥の淵を目指すという、大きな川を介して異なる時代が交錯する物語が描かれていきます。

 土地に伝わる悲恋物語の主人公であり物語の根幹となる里の娘・お葉を演じるのは、Netflixドラマ「シティハンター」(2024年)くるみ役で注目を集め、出演作『悪鬼のウイルス』(2025年/松野友喜人監督)公開も控える華村あすかさん。
 お葉の恋の相手である山の民の木地屋・朔(さく)には、モデルとして活躍し連続テレビ小説「舞いあがれ!」(2022年)章兄ちゃん役など俳優へと活動の場を広げる葵揚(あおい・よう)さん。
 物語の眼差しとなる少年・ユウチャは、金子監督の師・瀬々敬久監督『春に散る』(2023年)や「王様戦隊キングオージャー」(2023年)主人公・ギラの幼少期などを演じる2015年生まれの子役・有山実俊(ありやま・さねとし)さんが、お葉の弟・枝郎と一人二役で演じます。
 さらに、金子監督の劇場デビュー作である中編『すみれ人形』(2006年)でヒロインを演じて以降、金子監督の作品に欠かせない存在となった山田キヌヲさんや、金子監督との運命的な出会いから『リング・ワンダリング』に出演し、続けての金子作品出演となった安田顕さん、そして足立智充さん、堀部圭亮さん、根岸季衣さん、渡辺哲さんら、多彩なキャストが揃いました。

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解禁された『光る川』場面写真。華村あすかさん演じるお葉(右)と、葵揚さん演じる朔

 撮影は2023年9月にすべて岐阜県内で実施。水辺や洞窟、山々の情景など、金子監督自身が数十回にわたるロケハンをおこなったからこそ実現できた、CGを一切使わない神秘的な風景が映像へと収められました。

 このほど解禁された4枚の場面写真は、金子監督作品の大きな魅力である観る者を圧倒する風景の力が、本作でも存分に堪能できることを確信させます。

 美しい映像と物語を彩る音楽は、細田守監督作品や『静かな雨』(2020年/中川龍太郎 監督)『違国日記』(2024年/瀬田なつき監督)など数々の映画音楽を手がける高木正勝さんが担当。
 また、脚本は『リング・ワンダリング』に続き脚本家・映画監督の吉村元希さんが金子監督と共同で執筆、撮影は『愛のまなざしを』(2021年/万田邦敏監督)などを手がけ金子監督作品には短編『鏡の娘』(2008年)パイロット版『水虎』(2021年)に参加している山田達也さんと、スタッフにも注目です。

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解禁された『光る川』場面写真

 『光る川』は、11月15日より23日まで開催されたスペインで最も歴史ある映画祭・第62回ヒホン国際映画祭(Gijon International Film Festival)で、長編1作目から3作目の監督の作品を対象としたRetueyosコンペティションにノミネート。ユース審査員最優秀長編映画賞を受賞しました。
 この賞は、17歳から25歳の若者で構成されるユース審査員(Youth Jury)11名により選ばれるもので、ユース審査員は作品について「普遍的な感情を繊細かつ美しく描き、時間や距離を超えて物語に共感出来る作品に仕上げたこと」を高く評価したとしています。
 金子監督は、受賞に際に次のようにコメントを発表しています。

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金子雅和監督 第62回ヒホン国際映画祭ユース審査員最優秀長編映画賞受賞コメント

最初に、62年もの長い歴史があるヒホン国際映画祭で『光る川』のワールドプレミアを迎えられたことを、大変光栄に感じています。
この映画は、複雑で困難な状況にある現代の世界中の人、特に若い人に対し、かつて私たち人類の誰もが持ち備えていた「自然と人間の関係への思慮」からヒントを得て、未来に向け希望を抱いて生きて欲しい、というメッセージを込めて作りました。
ですので、若い人たちの心に最も残ったのであれば、この作品の監督として最大級の喜びです。
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第62回ヒホン国際映画祭で登壇する金子雅和監督(提供写真)

 日本公開に先駆けての海外映画祭受賞で期待の高まる『光る川』は、2025年3月、渋谷ユーロスペースほか全国公開されます。

※記事初出時、キャストのお名前を誤って記載した部分がありました。お詫びして訂正いたします。(11月28日修正)

記事写真。華村あすかさん演じるお葉(左)と、有山実俊さん演じる枝郎

解禁された『光る川』場面写真。華村あすかさん演じるお葉(左)と、有山実俊さん演じる枝郎

『光る川』ストーリー

大きな川の上流、山間の集落で暮らす少年ユウチャ。父は林業に従事し、母は病に臥せっていて、老いた祖母と暮らしている。まだ自然豊かな土地ではあるが、森林伐採の影響もあるのか、家族は年々深刻化していく台風による洪水の被害に脅かされている。
夏休みの終わり、集落に紙芝居屋がやってきて子どもたちを集める。その演目は、土地にずっと伝わる里の娘・お葉と山の民である木地屋の青年・朔の悲恋。叶わぬ想いに打ちひしがれたお葉は山奥の淵に入水、それからというもの彼女の涙が溢れかえるように数十年に一度、恐ろしい洪水が起きるという。紙芝居の物語との不思議なシンクロを体験したユウチャは、現実でも家族を脅かす洪水を防ぎ、さらには哀しみに囚われたままのお葉の魂を鎮めたいと願い、古くからの言い伝えに従って川をさかのぼり、山奥の淵へ向かう・・・

光る川

  • 華村あすか 葵揚
    有山実俊 / 足立智充 山田キヌヲ / 髙橋雄祐 松岡龍平
    堀部圭亮 根岸季衣 渡辺哲
    安田顕

  • 脚本・監督:金子雅和
  • 音楽:高木正勝
  • 共同脚本:吉村元希
  • 美術監督:部谷京子
  • 撮影:山田達也
  • 音響:黄永昌
  • OPアニメーション:高橋昂也
  • 原作:松田悠八(「長良川 スタンドバイミー一九五〇」より)
  • 製作:長良川スタンドバイミーの会
  • 制作プロダクション:プロジェクト ドーン
  • 配給:カルチュア・パブリッシャーズ
  • スタッフ
  • スタッフ

  • 2024年/カラー/1.85:1/5.1ch/DCP/108分

2025年3月 ユーロスペースほか全国公開

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