麻雀が国際的人気競技となった世界を舞台に、麻雀の頂点を目指す高校生の青春を描いた人気コミック「咲-Saki-」が、いま輝いているキャストを迎え華麗に実写化! 主人公の宮永咲役には、注目の女優・浜辺美波さんが起用されました。
話題沸騰となったドラマ版に続いて公開となる映画『咲-Saki-』では、全国高校麻雀大会出場を目指す咲たち清澄高校麻雀部とライバル校が激突する県予選がついに開幕。浜辺さんは、凛々しく、そして爽やかに咲を演じています。
咲と同じ高校1年生で、2017年は『咲-Saki-』以降も主演作公開が控える浜辺さん。ブレイク間違いなしの期待の新星に、映画『咲-Saki-』公開を前にお話をうかがいました。
浜辺美波(はまべ・みなみ)さんプロフィール
2000年生まれ、石川県出身。2011年開催の第7回東宝シンデレラオーディションでニュージェネレーション賞を受賞してデビュー、映画やドラマなどで活躍する。出演作に映画『逆転裁判』(2012年/三池崇史監督)、『世田谷区、39丁目』(2014年/山下征志監督)、『エイプリルフールズ』(2015年/石川淳一監督)、『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』(2016年/ウシロシンジ監督)、ドラマ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」(2015年・フジテレビ系)など。2017年は主演映画(※北村匠海さんとダブル主演)『君の膵臓を食べたい』(月川翔監督)が夏公開予定。
「原作を大切にやらせていただきたいなという気持ちがありました」
―― 今回『咲-Saki-』に主演が決まったときのお気持ちを聞かせてください。
浜辺:まず、主演をやらせていただけるということがほんとに嬉しくって、とても幸せでした。それと、原作の「咲-Saki-」という作品はタイトルを存じあげていたんですけど、麻雀というのは私がこれまでやったことがないものでしたから、映像になったときにどうなるんだろう、私はどうやればいいんだろうというところで、ちょっと不安もありました。
―― 『咲-Saki-』は原作が大人気で、ファンのみなさんの間でイメージができあがっている作品ですよね。そういう作品で主演をつとめられるのは、演じられる立場としてはどんな感覚なのでしょうか?
浜辺:やっぱり、まずキャラクターであったりストーリーを愛してくださっているファンの方がいらっしゃるというところが原作ものの一番大きなところだと思うので、原作というものを大切にやらせていただきたいなという気持ちがありました。
―― 浜辺さんが演じられた宮永咲というキャラクターについてはどんな印象を持たれましたか?
『咲-Saki-』より。原作を再現した制服と髪型で主人公・宮永咲を演じる浜辺美波さん
浜辺:すごくかわいい子だなって思いました。普段は普通の子なんですけど、不思議ちゃんで天然な部分があって、そういう部分がすごくかわいらしくて、愛されている女の子なのかなって思いました。
―― 演じるにあたって、浜辺さんはどんなふうに宮永咲に近づいていったのでしょうか?
浜辺:原作を読ませていただいて、動きだったりとかは参考にさせていただきましたし、テンションだったりセリフの言い方とかはリハーサルのときや現場で監督さんにご指導いただいたりして、だんだんと掴んでいくところが多かったです。やっぱり、掴みにくかったのは不思議ちゃんな部分で、たくさん考えてやらせていただきました。
―― 浜辺さんご自身は、不思議ちゃんタイプではないんですか?(笑)
浜辺:はい、私はしっかりしていると思うので(笑)。咲ちゃんのちょっと変わっているところとかがなかなかわからなくって、そこはほんとに難しかったです。
―― 今回は、見た目も原作にかなり忠実になっていますよね。初めて咲の姿になったときは、ご自分でご覧になってどう思われました?
浜辺:そうですね、あの制服とかウィッグもたくさんこだわらせていただいたので、最初に鏡を見たときは意外と咲ちゃんに見えるんじゃないかなって思いました。制服の丈とか髪型とか、すごくこだわっているので、がんばったかなと思います。
―― 撮影をしたのは夏ですか?
浜辺:はい、夏休み期間中に集中してやらせていただきました。
―― 撮影で毎日のように制服を着るというのは、夏休み期間でも学校に通っているみたいですね(笑)。
浜辺:ほんとにそんな感じでした(笑)。みんなに会って麻雀をしてというのはほんとの部活動をしているようでしたし、みんなで一緒にひとつのものを作りあげるのは素晴らしいことだなと思いました。
「清澄高校のみんなの仲の良さがにじみ出ていたんじゃないかなと思います」
―― 映画『咲-Saki-』は麻雀のシーンがかなり多くなっていますが、麻雀の場面は卓を囲んで座っているのであまり大きな体の動きがあるわけではなく、でもすごく緊迫感がありますよね。そういう場面を演じてみていかがでした?
浜辺:そうですね、あまり動きがない分、瞬きとか口元に力を入れたりとか、そういうことでも意味が出てくるんです。そこは私がいままでやったことのなかった新しいやり方なんだなと思いましたし、あまり体を動かさないで伝えることは伝えなければいけないので、気持ちは変化しているというのを表現するのは難しかったなと思います。
―― 麻雀のシーンで、小沼雄一監督からアドバイスされたことがあれば教えてください。
浜辺:やっぱり、視線とかも相手の牌を追いすぎないようにとか、そういう細かい仕草に関してリハーサルのときからすごく言っていただきました。咲ちゃんもほかのキャラクターもみんな麻雀をやり慣れているという設定なので、慣れていない感じを出さないようにということで、シーンごとにたくさんご指導をいただきました。
―― 映画では、浅川梨奈さんが演じた同じ麻雀部員の原村和(はらむら・のどか)との友情も、ドラマ版に続いて描かれていますね。咲と和の友情を感じさせるシーンは演じていてどんな感じでしたか?
浜辺:すごく楽しかったですね。撮影の初日にドラマの1話の指切りをするシーンをやったんですけど、そのときはすごく照れたりしていたんです。でも、映画の大将戦の前に「がんばってきてね」という気持ちを込めて手を合わせるところは、もうノリノリでやらせていただきました(笑)。浅川さんは1歳上で、同世代の子とお芝居をやらせていただくことがなかなかなかったので、ほんとに楽しくやらせていただきました。
―― 浅川さんだけでなく、麻雀部役のみなさんはほぼ同世代なんですよね。
浜辺:ほんとに撮影の合間とかも仲が良くって、一緒の場面じゃないときでも仲の良さがにじみ出ていたんじゃないかなと思います。県予選のシーンはホールで撮影をさせていただいていて、自分の撮影がないときはホールの外で待っていたので、ホールに入るときにはやっぱりみんなスイッチが入るというか、背筋が伸びるような気持ちになるんです。そういう気持ちでやらせていただいていたんですけど、ホールから出たらみんなで仲良くワーワーと喋っていました(笑)。
―― 麻雀部役のみなさんとは最初からすぐに打ち解けられていたのでしょうか?
浜辺:リハーサルのときにはまだちょっと距離があったんです。だけど、合宿のシーン(ドラマ版第四局)を、咲ちゃんたちと同じように合宿して撮影させていただいたので、そこで清澄は一気に仲良くなりました。
―― 麻雀部のみなさんの面白いエピソードなどはありますか?
浜辺:清澄高校のみんなで「清澄会議」というのをやっていて、その日の撮影が終わる時間をみんなで予想して「この時間までに終わらそう」みたいな感じでみんなでがんばったりしていました。あとは、麻雀のシーンはカット割がすごく多くて、みんな一生懸命にやっていたのでそんなにカット割が多いということに気づかなかったんですけど、浅川さんがスタッフのどなたかの台本にカット割が書いてあるのを見て「63だって!」ってみんなに報告したことがあったんです。それからは、麻雀のシーンでは浅川さんがどなたかの台本を見てきてみんなに報告するというのをずっとやっていて、最後のほうになると浅川さんも手慣れた感じになっていました(笑)。
「セリフとか仕草で役を表現するところがお芝居の面白いところだなって思います」
―― 浜辺さんは2011年に第7回東宝シンデレラオーディションでニュージェネレーション賞を受賞されて芸能活動を始められましたが、そのころからお芝居に興味をお持ちだったのですか?
浜辺:いえ、実はそうではなくって……(笑)。ほんとに私はオーディションも途中で落ちるだろうというつもりで「どこまで行けるかな?」という興味だけで応募させていただいていたので、応募したときには、お芝居をしたいという気持ちがそこまではっきりとあったわけではなかったんです。
―― では、お仕事を始められてからお芝居をやるようになって、どういうところにお芝居の魅力を感じますか?
浜辺:台本を読んでセリフとか仕草で役を表現するというところが面白いところだなって思います。役になって考えて、自分で表現するというところが、ほんとに私は好きなところです。
―― 浜辺さんはもう何本も映画にご出演になっていますが、映画をご覧になるのはお好きですか?
浜辺:はい、すごく好きです。
―― 特にこういうジャンルが好きとか、こういう内容のお話が好きというのはありますか?
浜辺:私はファンタジーものとかが好きで、アニメーションも好きですし、ドキドキする展開があるものが作品としてはすごく好きです。
―― ほかの映画をご覧になって、こういう役を演じてみたいと思うことはありますか?
浜辺:楽しそうな役といいますか、見ていて「カッコいいな」と思う役ってあると思うんです。そういう役はやってみたいなと思います。今回の『咲-Saki-』の咲ちゃんも、見せ場で叫んだりするのが私はすごくカッコよく感じて、こういう役もやってみたかった役のひとつでしたので、楽しかったです。
―― 映画『咲-Saki-』の見どころや、浜辺さんがご自分で気に入っているところを教えてください。
浜辺:麻雀シーンはみんなでたくさん練習させていただいたので、カッコよくなっているかなと思いますし、見せ場もすごくドキドキすると思うので、ぜひ観ていただきたいなと思っています。それから、映画版では清澄高校の絆や団結力であったり、浅川さんが演じる和ちゃんとの絆だったりがドラマ版よりも描かれていて、そういうところは私自身もやらせていただいて心に残るシーンがあったので、そういうところも観ていただけたらと思います。
―― 最後にもうひとつ、実写版の『咲-Saki-』はドラマと映画で完結はしていますが、原作はもっと続いていますよね。続きも演じてみたいなとは思います?
浜辺:はい、『咲-Saki-』はとても楽しかったですし、また清澄高校でというのがあったら素敵だと思います。でも、もしまたやることになったときに、私が成長して大人っぽくなっていたらどうしようかな? っていうのが心配です(笑)。
(2016年12月3日/都内にて収録)
咲-saki-
- 原作:小林 立(掲載「ヤングガンガン」スクウェア・エニックス刊)
- 監督:小沼雄一
- 出演:浜辺美波 浅川梨奈 廣田あいか 古畑星夏 山田杏奈 ほか
- 配給:プレシディオ
2月3日(金)よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー