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２００３年３月20日に始まった米英国のイラク攻撃から１年。やまぬテロ、進展しない拉致問題、好転しない日本の景気。『花井さちこの華麗な生涯』はそんな現在の日本が抱える様々な問題を決して深く掘り下げることはなく“上っ面の理解と勢いだけで作ってしまった”精神溢れる、おバカでちょっとポリティカルな、おピンクコメディーです。
監督は女池充。サトウトシキ監督作品の助監督などを経て、１９９７年に『白衣いんらん日記 濡れたまま二度、三度』でピンク映画監督デビューし、その年のピンク大賞新人監督賞を受賞。２０００年、２００１年開催のピンク映画上映イベント“P-1 GRAND-PRIX”の実行委員長をつとめるなど、ピンク映画を広めるための活動にも力を入れており、２００４年10月より、現役ピンク映画監督としては初めて文化庁の留学制度でニューヨークへ１年間留学しています。
脚本はバカ映画監督として知られ、テレビ出演や執筆活動も盛んな中野貴雄。
主人公・花井さちこを演じるのは黒田エミ。中野貴雄が主催するキャットファイト団体・ギャルショッカーにてキャットファイター『稲妻サンダー』として活躍中の彼女が初の映画主演。そして『ゼイラム』『平成ガメラ３部作』などの螢雪次朗、『あんにょんキムチ』監督の松江哲明、『きらい・じゃないよ』などの伊藤猛らが脇を固めます。
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イメクラ嬢のさちこ（黒田エミ）は外国のスパイが絡んだ発砲事件に巻き込まれ、額に流れ弾を受けてしまう。なぜか大事には至らずに済んださちこだったが、額に空いた穴にアイペンシルを差し込んでしまったことから猛烈な知識欲に目覚め、急速に天才的な頭脳の持ち主となってしまう。その過程で知りあった佐伯教授（螢雪次朗）に見込まれ、さちこは彼の息子・守（松江哲明）の家庭教師になった。だが、徐々にさちこの体は変調をきたしていた。感覚の伝わりが遅れて訪れるようになってしまったのだ。
一方、さちこの額に流れ弾を撃ち込んでしまった男・キム（伊藤猛）はさちこの行方を追っていた。彼が手に入れようとしていた「大統領の指」がひょんなことからさちこの手に渡っていたからだった。さちこの部屋を探りだし、上がり込んでさちこが帰ってくるのを待つキムだったが、さちこはなかなか帰ってこなかった。さちこの部屋は汚かった。食べたら食べっぱなし、脱いだら脱ぎっぱなし。キチンとしたキムにはとても耐えきれず、部屋を片付けだしてしまう。甲斐甲斐しく部屋の掃除をし、さちこの写真を眺めているうちに、キムの心に微妙な変化が生まれてきていた…。
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