fjmovie.com
関連リンク
公式サイト
関連記事
初日舞台あいさつの模様
トップページ
ハリヨの夏

2006年10月、シネマート六本木ほか 全国順次ロードショー

2006年/日本/カラー/35mm/アメリカンビスタ/レーザーステレオ/99分
イントロダクション
17歳の少女は、純粋だからこそたくさん傷つき、また、傷つける。そして次の春が来るころには、孵化した魚のように大人へと成長を遂げるのだ。
 1990年の夏、京都。高校三年生の瑞穂は、同級生の翔に夜のプールで泳ぎを教えてもらうが、なかなかコツがつかめない。陽気な母の奔放さに反抗心をむき出しにしながら、家を出た父が戻ってくることを願っている瑞穂。その父がくれたハリヨ。背中にある3本のトゲで小さな身体を守る、すんだ水にしか生息しない魚だ。この年の夏休み、瑞穂の人生は水中でもがいているがごとく、思いも寄らない展開を迎える。
 女子高生の妊娠と出産という出来事を通して、揺れ動く思春期の心を瑞々しく描き出したのは、新鋭女性監督の中村真夕。京都で生まれ育ち、高校時代からイギリスに留学し、ニューヨーク大学大学院映画化を卒業した中村監督は、この劇場用映画デビュー作で、鴨川べりをはじめ、京都の街の魅力を下敷きに、さまざまな想いを込めて青春の痛みと輝きを撮り上げた。
 団塊の世代に属する瑞穂の両親は、学生運動を通じて知り合った仲だ。そして瑞穂の人生に大きな変化をもたらすアメリカ人のチャーリーは、ベトナム戦争で脚を負傷し、今なお癒えない心の傷を抱えている。青春時代の挫折感を抱えたまま生きる彼ら大人たちの存在が、瑞穂の不器用なほど一本気な生き方に、深みのある陰影を与える。  瑞穂を演じるのは、これが初主演作になる於保佐代子。鋭く強い眼差しをときに悲しみや不安で曇らせ、痛々しいほどまっすぐに生きる瑞穂を見事に演じる。瑞穂を遠くから見つめる、その誠実さがまぶしい同級生の翔には映画初出演の新人、高良健吾。本作以降、出演作が立て続けの注目の逸材だ。このフレッシュなふたりを、円熟した風吹ジュンと柄本明の二者がしっかりと支え、物語に奥行きをもたらす。ふたりが演じる両親との関係の変化の中にも、瑞穂の成長がありありと描きこまれているのだ。
 柄本明が演じる父親に対する瑞穂の思いには、中村監督自身の父親への思いが重なっているという。京都への思いと家族への思い。個人的な思いをたっぷり込めながら、中村監督は普遍的かつ新鮮な成長物語を誕生させた。
ストーリー
 京都に暮らす高校三年生の瑞穂(於保佐代子)。多感な年頃の彼女は、母親(風吹ジュン)には批判と反抗を繰り返すが、別居している父親(柄本明)とは鴨川べりで仲良く肩を並べてお喋り。また以前のように家族みんなで暮らすことを願っていたが、すでに父親には若い恋人がいることを知ってしまう。
 同級生の翔(高良健吾)は、夜のプールで泳ぎを教えてくれたり、何かと優しくしてくれるが、本心が掴めなくてもどかしい。一方、母親が働く居酒屋で知り合ったアメリカ人・チャーリー(キャメロン・スティール)は、瑞穂がほんとうは繊細で傷つきやすい女の子であることを鋭く見抜く。ベトナム戦争で脚を負傷したチャーリーもまた、心の中に大きな孤独を抱えており、瑞穂はそんなチャーリーに急速に惹かれていくのだった。
スタッフ
キャスト
製作総指揮:大村正一郎
エグゼグティブプロデューサー:岡田裕/熱田俊治/中野一郎
プロデューサー:姫田伸也/増田悟司/奈良聡久
音楽プロデューサー:浅野勇一/島田尚
撮影監督:山崎裕
録音:滝澤修
美術:矢内京子
編集:井上雅貴
助監督:千村利光
制作担当:中村隆行
スチール:間部百合
ハリヨ指導・資料提供:森誠一

音楽:PE'Z
監督・脚本:中村真夕

協力:独立行政法人国際交流基金
支援:文化庁
宣伝:ライスタウンカンパニー
制作・配給:葵プロモーション
製作:葵プロモーション/毎日広告社/アルゴ・ピクチャーズ/World apart ltd.
大島瑞穂:於保佐代子

大島敦子:風吹ジュン

チャーリー・シャーマン:キャメロン・スティール

杉本翔:高良健吾
大田節子:前田昌代
甲斐:甲斐扶佐義
桜井直子:五十嵐愛生
大島治子:松本花奈

三木先生:谷川俊太郎

トランペッター:大山渉(PE'Z)

大学院生:山池健二
岡本:若林宏紀
看護婦:友寄由香利

大島洋介:柄本明

サイト内の画像・文章の転載はご遠慮ください fjmovie.com トップページ 作品情報一覧