|
|
|
2006年、戌(イヌ)年にふさわしい傑作映画が誕生しました。それはとっても楽しくて、ちょっぴり切ないドッグ・ファンタジー映画。
いつでも人生に消極的で、恋人にもあきられがちな主人公・直喜。そんな彼が父親に押し付けられたフレンチブルドッグ・ペス。一見可愛いペスは、実はオッサン声で関西弁を話す不思議なイヌだった…!? 映画は、ペスとの出会いによって直喜が少しずつ変わっていく姿を描きます。
主人公・直喜を演じるのは山下敦弘監督作品『ばかのハコ船』('02)『リアリズムの宿』('03)の主演で注目された山本浩司。最近では『魁!!クロマティ高校 THE☆MOVIE』の前田役や、レゲエ・バンド“湘南乃風”のビデオクリップ主演、マクドナルドのCM出演などで、邦画界だけでなくお茶の間にまで欠かせない存在となった若手個性派俳優の彼が、ほのぼのとした独特の間で不器用な青年を演じます。フレンチブルドッグ・ペスの声を演じるのは、日本映画に欠かせない存在であり『マトリックス』シリーズCMやアニメ映画『銀色の髪のアギト』('06)など、声の出演も多い遠藤憲一。個性あふれるふたりが演じる人間と犬の掛け合いは必見です。さらに『ナビィの恋』('99)『欲望』('05)などの多くの作品に引っ張りだこの村上淳、テレビドラマ「白線流し」シリーズや舞台など幅広く活躍する馬渕英里何、『稀人』('04)で注目された宮下ともみらが脇を固めます。
監督は『SEMI〜鳴かない蝉』('03)『ヒッチハイク 溺れる箱舟』('04)などの横井健司。俳優の個性を生かした演出でハート・ウォーミングな作品を完成させました。
『イヌゴエ』は、あなたの周りに存在する「背伸びしない、すぐそこにある“小さな幸せ”」を感じさせてくれます。
|
|
|
|
|
芹澤直喜(山本浩司)は、悪臭公害対策協会で働く26歳の青年。肩書きは“臭気判定士”。住宅の臭気指数を測定したり、地域住民の苦情対策が主な仕事。抜群に効く鼻を持った直喜にとって、それは天職ともいえる仕事だった。一方で、鼻を守るため常にマスクをしたり、食事の際には換気扇を回すなど、普段の生活での臭い対策が、いつしか彼を後ろ向きな人間にしていた。
ある日、恋人のはるか(馬渕英里何)と食事をしていた彼のもとに父親から電話がかかる。旅行に行く間、拾った犬を預かって欲しいという頼みだったが、アパート暮らしの上、犬の臭いが我慢できない直喜は即、断る。
翌日、製薬会社が新開発した“日本海の臭い”の芳香剤のサンプルを嗅いだ直喜は、その強烈な臭いに倒れてしまう。自宅に運ばれ、目を覚ますと一匹のフレンチブルドッグが! 父親が残したDVDレターを見た直喜はその強引な押しに負けて1週間その犬を預かることにする。ところがそのとき、関西弁でまるでオッサンのような声が…。慌てた直喜は同僚の力石(村上淳)のマンションを訪ねるが、どうやらこの声は直喜にしか聞こえないらしい。直喜はペス(声=遠藤憲一)と名付けたその犬を力石に預かってもらおうとするが断られ、仕方なくアパートに戻る。
こうして始まった直喜とペスの共同生活。散歩の途中で犬を連れた美女・音無ちぬ(宮下ともみ)と知り合うという嬉しい出来事もあったが、一方で困った事態も…。
|
|