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11年間の眠りから目覚めた姉。真面目な妹は、心は8歳のままの無邪気な姉に振り回されつつも、かけがえのない時間を過ごす…。
大林宣彦監督の『ふたり』やキャメロン・ディアス主演の『イン・ハー・シューズ』など、姉妹の深い絆は邦画、洋画を問わず繰り返しテーマとなり、数々の名作が生み出されてきた。そしてここに、姉妹をめぐる新たな名作の誕生を予感させる作品が登場した。熱狂的なファンを持つマンガ家・古屋兎丸の短編コミックを映画化した『いちばんきれいな水』だ。
主人公の姉妹を演じるのは、いま最も映画界の注目を集めている加藤ローサと菅野莉央。女優としての成長著しい加藤ローサは、映画初主演にして8歳の無垢な心を持つという難しい役柄に挑戦。『仄暗い水の底から』などで天才子役との呼び声も高い菅野莉央は、少女のひと夏の変化を抜群の演技力で表現した。ふたりのいきいきとした愛らしさととびきりの笑顔には、誰もが元気をもらえるだろう。また、多岐にわたり活動するアーティストのカヒミ・カリィが映画に初出演。少女たちの心に寄り添う重要な役を独特の存在感で好演している。
監督ウスイヒロシはこの作品が映画初監督。これまでに多くのミュージックビデオを手掛け、女性のいきいきとした輝きを映像化する名手として知られてきた。一青窈、大塚愛、椎名林檎といった女性アーティストから寄せられている信頼の厚さがその手腕を物語っている。この作品では姉と妹の、どこかちぐはぐな、でもウキウキとした気分と、やがて心が通い合うまでの姿をときに繊細に、ときに大胆な演出で鮮やかに描き出す。
「自分らしくいたい」、そう想いつつも、女の子にとってありのままの自分を受け止め、素直でいるのはなかなか難しいこと。『いちばんきれいな水』は、そんな女の子を応援する映画として誕生した。女の子が自分らしく輝くために、『いちばんきれいな水』がある。
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小学生6年生の夏美(菅野莉央)には、むずかしい病気で11年間眠ったままの姉・愛(加藤ローサ)がいる。いばら姫のように美しく眠る愛を中心に、父の薫(田中哲司)と母・陽子(南果歩)の4人で穏やかに暮らしている。しかし、夏休みのある日、陽子の妹でカメラマンの真理子(カヒミ・カリィ)が南米で事故に巻き込まれたという連絡が入る。夏美を残してあわただしく現地に出発する両親。姉妹が生まれて初めてふたりきりになったその夜に、奇蹟は起こる。愛が突然目を覚ましたのだ。
いつの間にか19歳になっていることに戸惑う愛。そして心は8歳のままの愛に振り回される夏美。今まで姉妹として過ごせなかった時間を時間を埋めるように、ふたりだけの、かけがえのない3日間の冒険がはじまる。
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