
2006年1月に初版が発売された櫂末高彰の小説「学校の階段」は、ひたすらに学校の階段を走る高校生の姿を描き、シリーズで20万部を越えるベストセラーになった。その人気小説が、現役アイドルたちが女子高生に扮して階段を駆け回るアクション・エンターテイメントムービーとなって、待望の映画化を果たした。
主人公・里美を演じるのは「ケータイ刑事」シリーズで人気沸騰の女優・黒川芽以。学校非公認の部活「階段部」に入部し階段を駆け上がる中で、次第に新しい自分を見出していく里美の汗と涙は、観る者すべてを爽やかな感動で包んでくれる。里美がほのかな恋心を抱く「階段部」部長・刈谷には映画『パイルドライバー』で主演をつとめた実力派俳優の松尾敏伸。「階段部」を敵視する生徒会長・ちづるにグラビア系のトップアイドルとして活躍し続ける小阪由佳。「階段部」の仲間に『タイヨウのうた』で演技力が高く評価された通山愛里、「魔法戦隊マジレンジャー」でヒロイン役を好演した甲斐麻美、「仮面ライダー響鬼」で人気の秋山奈々。「階段部」顧問にはグラビアアイドル、女優と活躍を続ける神楽坂恵。不思議な存在感を放つ校長には森本レオが扮する。
監督は『発狂する唇』『血を吸う宇宙』の“発狂シリーズ”でカルトな人気を誇る異才・佐々木浩久。テレビシリーズ「ケータイ刑事 銭形泪」、大ヒット作『ケータイ刑事 THE MOVIE』でタッグを組んだ黒川芽以と再び息の合ったコンビネーションを見せる。さらにアクションシーンを中心に手掛けるセカンドユニット監督として『独立少女愚連隊』の安里麻里が参加している。
“部活”を題材にした映画は数あれど、本作ほどシンプルに楽しくモーション(動き)としての部活を描ききった作品は稀だ。ワイヤーアクションやCG合成といったアクション映画的な演出にミュージカル的な要素が加わり、ファンタジックな明るく楽しい、新時代の青春映画が誕生した。

何事に対しても真剣に向き合うことに臆病で優柔不断な女子高生の神庭里美(黒川芽以)は、両親の海外転勤を機に叔母の家に住むことになり、天栗浜高校へ転校してくる。
転校初日、バスケット部に入部しようと体育館に向かっていた里美は、校内を全速力で駆け巡り競い合う学校非公認の「階段部」の部員・泉(甲斐麻美)とぶつかりそうになり、泉はケガをしてしまう。泉を保健室に連れて行った里美は、階段部員のゆうこ(通山愛里)から泉の代理として強く入部を勧められる。
「学校の恥」と揶揄されている階段部とかかわりを持ったことで、転校早々に周囲からの風当たりの強くなった里美は階段部への入部を拒否していたが、部長の刈谷健吾(松尾敏伸)の「走り続けていれば先があるから」という言葉に心を動かされ、入部を決意する。刈谷、ゆうこ、泉、奈美(秋山奈々)、三枝(栩原楽人)、顧問の紀子(神楽坂恵)とのふれあいを通じて、里美の中に次第に「信じることを怖れない」という想いが芽生え始めた。
そんなある日、里美は「階段部」廃部に執念を燃やしている生徒会長の中村ちづる(小阪由佳)と、部の存続を賭けて校内ラリーで対決することになる。里美は自分自身を乗り越えられるのか? 果たして勝負の行方は! 「階段部」の運命はいかに!?