25歳の森谷千波(小橋めぐみ)はごくごく普通のOL。アフターファイブに命を賭ける同僚の康代(矢沢心)や、イマイチ女子社員とのコミュニケーションが不得手な課長の野田(田口浩正)に囲まれながら、会社では堅実に仕事をこなし、同僚と飲みに行ったり、友人とお茶をしたりという日常を送っていた。千波には付き合いはじめて長い恋人の佳介(高橋一生)がいたが、ここのところ佳介の仕事は忙しく、ふたりで会う時間も減ってきている。それが千波には不満だった。
そんな中、人事異動で千波の課に新しい課長として桑村(保阪尚希)が赴任してきた。甘く端正な顔立ちの桑村はたちまちOLたちの憧れの的となる。だが桑村の人事異動は、事実上の本社からの左遷。家に帰れば、会計士の妻・優子(西尾まり)との無味乾燥な生活。桑村もまた、心の中に空白を抱えていたのだった。
ある日の残業中、千波が食事抜きで仕事を続けていることに気づいた桑村は、千波を食事に誘う。それは純粋な桑村の気遣いで、千波も妻子持ちの桑村に安心感を持って接し、ふたりはあくまで上司と部下の関係……のはずだった。
しかし、その日からふたりの心は急速に近づいていく。たまに部屋に来たかと思えば疲れて眠ってしまう佳介に感じてしまう距離感と、桑村のさり気ない優しさが、千波の心を一層桑村へと向かわせる。そして、ときにはシティホテルの一室で、ときには千波の部屋で、ふたりの密かな関係は続いていく――。
マリッジリング
監督:七里圭
出演:小橋めぐみ 保阪尚希 高橋一生 ほか
2007年12月8日(土)より銀座シネパトスにてロードショー
2007年/カラー/35mm/DTS/99分
彼氏のいる女、家庭のある男。男の薬指に光る結婚指輪(マリッジリング)。その指輪があるから、そこに妻の存在を感じるから、ふたりの間の距離感は近くて、遠い――。
一大ブームを巻き起こした「失楽園」、映画化され大ヒットを記録した「愛の流刑地」と、不倫をキーワードに数々のベストセラーを送り出してきた渡辺淳一。その短編集「泪壷」に収められた、25歳のOLと妻子ある上司と不倫の関係を描いた話題の短編「マリッジリング」が、ついに映画化を果たした。
恋人と上司の間で揺れ動く主人公の千波を演じるのは、女優活動のみならず、音楽活動や創作活動など、多方面で活躍をみせる小橋めぐみ。清楚な魅力の彼女が、本作では初のヌードを披露し、大胆なベッドシーンにも挑んでいる。
千波と不倫の関係におちる上司の桑村には、テレビドラマ「愛の迷宮」の主演でも注目を集める保阪尚希。仕事や家庭の悩みを抱え、それから逃避するように部下との関係を結ぶ男の心理を巧みに演じる。
千波の恋人の佳介には『MEET BALL MACHINE』『LOVE MY LIFE』などで注目される若手実力派の高橋一生。さらに田口浩正、西尾まり、中村麻美、矢沢心など、個性的な面々が顔を揃えた。
監督は、廣木隆一らの助監督をつとめ、2004年公開の『のんきな姉さん』、同時上映の短編『夢で逢えたら』で高い評価を受けた七里圭。脚本は『ビタースイート』など、愛と性の機微の表現に定評のある西田直子が七里監督と共同執筆。ふとしたきっかけから思いがけない方向へと動いていく登場人物の心理を繊細に描き出した。
- 森谷千波:小橋めぐみ
- 桑村紀夫:保阪尚希
- 藤沢佳介:高橋一生
- 竹内絵里:中村麻美
- 太田康代:矢沢心
- 桑村優子:西尾まり
- 野田課長:田口浩正
- 監督:七里圭
- 原作:渡辺淳一(講談社刊「泪壷」より)
- 製作:松下順一
- 企画:加藤東司
- プロデューサー:今井朝幸
- 脚本:西田直子/七里圭
- 撮影:高橋哲也
- 照明:酒入康之
- 美術:桜井陽一
- 録音:小林徹哉
- VE:中塚政明
- 編集:宮島竜治/村上政樹
- 音楽監督:侘美秀俊
- 助監督:村田啓一郎
- 制作担当:平山高志
- 制作:円谷エンターテインメント
- 製作:アートポート
- 配給・宣伝:株式会社アートポート
- 宣伝協力:アルゴ・ピクチャーズ株式会社