2年前、ミュージシャンとして上京したカツヲ(石田真人)が、突然、故郷の香川へと戻ってきた。カツヲはもうすぐおこなわれる花火大会のイベントでバンドを募集していることを知ると、メンバーもいないのに出場を決めてしまう。高校時代のバンド仲間のマスオ(板倉善之)は音楽をやめて家業を継いでいたが、カツヲに誘われてなんとなく参加することに。そして後輩のマチ子(戸田比呂子)も誘おうとするカツヲ。久々に再会したマチ子は、いまは大学に通い彼氏もいる。高校時代に期待させておきながら、上京してからまったく連絡をしなかったカツヲを微妙に責めているのだが、いたって鈍感でちょっとズレているカツヲにとっては、どこ吹く風だ。
大阪の中学校に通っていた玉枝(小池里奈)は、コスプレ撮影会をしていたのが学校にばれて“島流し”で祖父(蛭子能収)のもとに預けられてきた。田舎の生活は退屈で、祖父とも折り合いは悪い。退屈しのぎに音楽スタジオでドラムを叩くようになった玉枝は、スタジオでカツヲとマスオに出会う。
エリートサラリーマンの舟木(山本剛史)は、地方に赴任してきた途端、本社の談合取引が発覚。東京に戻り出世する道が閉ざされてしまった。落ち込む舟木は、夜の商店街で練習をしているカツヲとマスオからギターを奪うと、突然ひとりリサイタルをはじめだした。
こうして、おかしな縁で結ばれて、なんとか4人のメンバーが揃った。花火大会に向けて練習をはじめた4人だが、言いだしっぺのカツヲはやる気があるのかないのか。ついに、花火大会前日のカツヲの意味不明の言動によって、バンドは空中分解の危機に陥る……。
青空ポンチ
監督:柴田剛
出演:石田真人 板倉善之 小池里奈 山本剛史 ほか
2008年9月13日(土)渋谷ユーロスペースにてレイトショー
ポンチ=しっかりとした考えのない、軽いノリの人物のこと。アジアの地中海と呼ばれる香川を舞台に、愛すべき“ポンチ”たちが繰り広げる青春映画が『青空ポンチ』だ。
ひょんなことからバンドを結成することになった4人。花火大会での演奏を目指して練習に励むが、果たしてうまくいくのか?
監督は、関西芸術大学出身で、2007年公開の『おそいひと』で一躍日本映画界注目の存在となった柴田剛。そして、数々のヒット曲で知られ、現在も関西を拠点に活動する伝説的ロックバンドのジッタリン・ジンが名曲「夏祭り」と新曲「恋のルアー」を提供。さらに、関西ミュージックシーンで話題の“あらかじめ決められた恋人たちへ”が音楽を担当、衣裳は“スーパーレスキュウウエアズ”と、関西発のオリジナリティあふれる才能たちが集結し、日本映画界に新風を巻き起こす。
キャストにも充実のメンバーが揃った。かなりずれた意味不明の言動で周りを困惑させるバンドのボーカル・主人公のカツヲを自然体で演じたのは、モデル出身で俳優としての活躍が期待される石田真人。ちょっと生意気なドラマーの少女・玉枝には、テレビ「仮面ライダーキバ」の静香役で注目を集めているU-15美少女の小池里奈。エリートサラリーマンでギタリストの舟木に『ばかのハコ船』など山下淳弘監督作品でお馴染みの山本剛史。カツヲの高校時代からの仲間でギターのマスオに監督としても活躍する関西インディーズ映画界のカリスマ・板倉善之。それぞれにユニークな魅力をもったバンドの4人に加え、映画・ドラマ・CMで活躍する戸田比呂子、タレントとしても人気の蛭子能収、個性派俳優の神戸浩らが共演。豪華キャストの存在感が、香川の美しい自然の中でこの作品独特の空気感を生み出している。
- カツヲ:石田真人
- マスオ:板倉善之
- 玉枝:小池里奈
- 舟木:山本剛史
- 野原善吉:蛭子能収
- マチ子:戸田比呂子
- 秀次:内堀義之
- 能勢:神戸浩
- 店長:北山ひろし
- 田川:あじゃ
- 監督:柴田剛
- 原作・脚本:いこま
- 企画:アサオヨシノリ
- エグゼクティブプロデューサー:宮本知
- プロデューサー:アサオヨシノリ
- 撮影:近藤龍人
- 照明:田村廣人(東通ライティング)
- 美術:宇山隆之
- 録音:永田知久
- 編集:佐藤貴雄
- 助監督・野田千晶/藤本雅也
- 制作主任:城内政芳
- 制作進行:福井雅之/豊島和歌子
- 音楽:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)
- 主題歌:ジッタリン・ジン「恋のルアー」
- 挿入歌:ジッタリン・ジン「夏祭り」
- 衣裳:スーパーレスキュウ/ヨシカワショウゴ
- 企画・制作:月眠「なにデジ」
- 製作:月眠
- 配給:月眠