ちーちゃんは悠久の向こう
監督:兼重淳
出演:仲里依紗 林遣都 高橋由真 ほか
2008年1月19日(土)よりシアターN渋谷、シネマート新宿ほか全国ロードショー
2007年/カラー/35mm/アメリカンビスタ/DTSステレオ/94分

幼馴染みのちーちゃんとモンちゃんは、高校生になってもいつも一緒。オカルト好きのちーちゃんに引っ張られて、ふたりは学校の七不思議を探りはじめる。でも、そんなふたりの周りで不可思議な事件が起こるようになって――。
『ちーちゃんは悠久の向こう』は、2006年に公開され大ヒットとなったアニメ映画『時をかける少女』の声優でスクリーンデビューを果たした仲里依紗と、やはりヒット作である『バッテリー』の主演に抜擢され注目を集めた林遣都のふたりを主演に迎えておくる、心温まる恋愛ファンタジーだ。
原作は、ライトノベル界の新鋭・日日日(あきら)のデビュー作となった新風舎文庫大賞受賞作。映画は、原作の魅力そのままに、学園七不思議をめぐる謎や、モンちゃんの家族の問題、そして恋愛模様など、いくつものエピソードが折重なりながら、衝撃のクライマックスへと向かう。
主人公のちーちゃんこと歌島千草を演じるのは仲里依紗。『時をかける少女』のヒロイン・紺野真琴に続き、今度は実写映画で学園ファンタジーのヒロインに挑戦している。その、悪戯っぽさをたたえた天真爛漫な笑顔には、きっと誰もが魅かれるに違いない。ちーちゃんの幼馴染み、モンちゃんこと久野悠斗を演じるのは『バッテリー』以降ドラマでも活躍、主演作『DIVE!!』も控える林遣都。家族の問題や先輩との恋愛感情、ひとり胸に秘めた“秘密”に揺れる少年を繊細に演じている。また、ファッション誌のモデルとして活躍中の高橋由真が、モンちゃんに心惹かれていく部活の先輩・武藤白役でスクリーンデビューを果たしているのも注目だ。そして堀部圭亮、西田尚美が人生の重みを感じさせる演技で作品に厚みを加えている。
監督は、東陽一や行定勳、犬童一心など数多くの監督のもとで助監督をつとめてきた兼重淳。監督デビュー作となる本作では高校生の日常を鮮やかに描くとともに、全編に散りばめられた仕掛けがクライマックスの驚きへと繋がる巧みなストーリーテリングを見せている。
主題歌は『時をかける少女』の主題歌「ガーネット」を担当したシンガーソングライター・奥華子の「空に光るクローバー」。優しい声で歌われるバラードが映画の余韻をいっそう深める。
フレッシュな若手キャストが演じる、甘酸っぱくて、だけどとても切ない学園ファンタジー。『ちーちゃんは悠久の向こう』は、10代の少年少女だけでなく、広い世代の観客に深い感動を与えるはずだ。

歌島千草ことちーちゃんと、モンちゃんこと久野悠斗は大の仲良し。大きな桜の木の下でシャボン玉を飛ばして遊び、怖い話が好きなちーちゃんは怪談話をしてモンちゃんを怖がらすのだった。
それから月日は流れ、高校入学の日。クラスの記念撮影のとき、ちーちゃん(仲里依紗)の姿を見つけてモンちゃん(林遣都)は笑顔を送る。ふたりは学校でも相変わらず仲良し。昼休みには屋上で一緒にご飯を食べるようになった。実は、モンちゃんの母親(霧島れいか)は家を出てしまい、それから父親(堀部圭亮)は荒れはじめた。そんな事情でいつも購買のパンばかりのモンちゃんに、ちーちゃんは手作り弁当を作ってくるようになる。
ある日、ふたりは屋上で同級生の林田遊子(波瑠)が数人の女子生徒に絡まれているのを目撃する。ちーちゃんに促されておずおずと仲裁に入ったモンちゃん。絡んでいた女子生徒は去っていくが、林田はお礼も言わず「それ、うっとうしくない?」と謎の言葉を残していくのだった……。
弓道部に入ったモンちゃんは、厳しい先輩から注意されてばかり。部長の武藤白(高橋由真)は、そんなモンちゃんのことを気にかけてくれる。居残りを命じられたモンちゃんに優しく声をかけ、一緒に帰ったりと、段々近づいていくふたりの距離。一方、オカルト研究会に入ったちーちゃんだが、オカルトにはまったく興味のないほかの部員たちにうんざり。モンちゃんを誘って高校に伝わる“七不思議”の謎を追おうとする。そして、“七不思議”をひとつひとつたどるふたりの周りで、不可思議な出来事が起こりはじめる……。