左腕で弟を抱きしめることもできた――そう、あの日までは。
スポーツが得意で明るい女子高生の日向アミ(八代みなせ)は、弟のユウ(河村亮介)とふたり暮し。両親の死のあとも、ふたり力を合わせ、仲良く暮らしてきた。
しかし、実はユウは学校でイジメにあっていた。首謀者は、ヤクザの息子・木村翔(西原信裕)。度を過ぎたイジメの結果、ついにユウと同級生のタケシ(秀平)は命を奪われてしまう――。
ユウとタケシの死は自殺として処理されたが、アミはユウの残したノートを発見。イジメに関わった者たちの名前を知る。弟の苦悩に気付けなかった後悔と怒りに震えるアミは、復讐を果たさんと翔の家に乗り込むが、翔の家は忍者の血を引く家系。翔の父・龍二(島津健太郎)や母のスミレ(穂花)の力の前にアミは囚われ、残虐な拷問の末、ついには片腕を失ってしまう。しかし、強い復讐心を燃やすアミは、隙を突いて脱出に成功するのだった。
酷い傷を負いつつも逃げ出したアミは、タケシの両親の工場にたどりつき、傷の手当てを受ける。そして当初は反目しあっていたタケシの母・ミキ(亜紗美)とアミは、それぞれの想いをぶつけ合う対決の末、お互いの気持ちを認めあい、ともに翔への復讐を果たすことを誓う。
そしてアミはミキのもと特訓をはじめ、ミキの夫・スグル(石川ゆうや)はアミの失った腕の代わりに“鋼鉄の腕”を作りはじめる。だが、アミを狙う木村夫妻の配下が、工場に近づいていた……。
片腕マシンガール
監督:井口昇
出演:八代みなせ 亜紗美 穂花 島津健太郎 ほか
2008年8月2日(土) 池袋シネマ・ロサ、シアターN渋谷にてレイトショー
弟を殺され、自らも片腕を失った女子高生が復讐に立ち上がる。失くした腕の代わりには、鋼鉄製のマシンガン!
これまで、三池崇史作品や北村龍平作品など、過激な描写が特色の日本映画をアメリカに紹介してきたビデオメーカー「メディアブラスターズ」(=FEVER DREAMS)が、日本から世界に向けて発信する「TOKYO SHOCK」オリジナルシリーズの製作を開始。そのシリーズ第1弾が『片腕マシンガール』だ!
予告編がインターネットで公開されるや世界から注目を集めている本作のメガホンをとったのは『恋する幼虫』などの奇才・井口昇。『女囚さそり』など、1970年代の“女復讐もの”のテイストをベースに、“肉体変形”へのこだわりや、海外から見た間違った日本観もミックスし、独特の作品世界を作り上げた。そして、スクリーン狭しと噴出す血飛沫や、痛みを感じさせる特殊メイクなど、これまでも井口監督とタッグを組んできた西村喜廣による“残酷効果”も本作の見どころだ。
ヒロインのアミを演じるのはテレビ、グラビアなどで活躍する八代みなせ。映画初主演にして復讐に燃えるヒロインという難役で激しいアクションにも果敢に挑戦。その凛とした佇まいは血まみれになってもどこか清楚さを感じさせる。
アミと女同士の友情で結ばれ、ともに闘うミキには、井口監督作品『おいら女蛮』で主演をつとめた亜紗美。そのほか、『テレビばかり見てると馬鹿になる』の穂花や、井口作品ではお馴染みのデモ田中など、個性溢れすぎのキャストが大集合。煮詰めたような濃ゆい井口ワールドを作り出している。
規格外の日本映画ともいえる『片腕マシンガール』。アミのマシンガンが吹き飛ばすのは悪党たちの身体だけではない。日本映画の“常識”だ!
- 日向アミ:八代みなせ
- 杉原ミキ:亜紗美
- 木村翔:西原信裕
- 日向ユウ:川村亮介
- 杉原スグル:石川ゆうや
- 藤井ヨウスケ:岸建太朗
- ヨシエ:小嶋のりこ
- 杉原タケシ:秀平
- ヤクザ金子:デモ田中
- 藤井マサコ:菜葉菜
- 木村龍二:島津健太郎
- 木村スミレ:穂花
- ヤクザ:諏訪太朗
- 監督・脚本:井口昇
- エグゼクティブ・プロデューサー:ジョン・シラベラ
- プロデューサー:羽山陽子/千葉善紀/中村聡
- 撮影監督:長野泰隆
- 照明:安部力
- 録音:横野一氏工
- 美術:黒須康雄
- 編集:田辺賢治
- 助監督:城定秀夫
- 制作担当:遠藤肇
- 装飾:越智利治
- 特技監督・残酷効果:西村喜廣
- 特殊造形・特殊メイク:石野大雅
- 特殊造形・特殊メイク・残酷効果:有限会社西村映造
- VFXスーパーバイザー:鹿角剛司
- アクション監督:鈴村正樹
- 制作プロダクション:日活株式会社
- 製作:FEVER DREAMS
- 提供:TOKYO SHOCK
- 配給・宣伝:SPOTTED PRODUCITONS
- 配給協力:インターフィルム
- 宣伝協力:バイオタイド