幼いころに両親を亡くし、いまは祖母と暮らすみなと(堀北真希)。彼女には、どんなことでも打ち明けられる文通相手がいた。ナイトという名前と、同い年の男の子だということ以外なにも知らないが、ナイトはみなとが心を許せる世界でたったひとりの存在だった。今日もみなとは青い封筒に入れた手紙をナイトへと出す。そしてナイトからの返事を楽しみに待つのだった。――青い封筒に入れられた、ナイトからの返事を。
コンビニでバイトをするみなとは、あるきっかけから店に来る医学部志望の浪人生・シュウ(石田卓也)を意識するようになった。その気持ちをナイトの手紙に書くみなと。そしてある日ついにみなとはシュウから想いを打ち明けられる。
初めて迎えたシュウとのデート。楽しい時間を過ごすみなとだったが、突然に意識を失ってしまい、気づくと自宅に戻っていた。思い切ってシュウへと電話をかけるが、シュウの態度はどこかよそよそしい。みなとは、昔からときおり記憶をなくすことがあったのだ。
やがて、みなとはシュウから一方的に別れを告げられる。みなとは傷心の悲しみをナイトへの手紙に綴るが、それだけでは気持ちを抑えられず、どうしてもナイトに会って話がしたいと思いはじめる。そして手紙の住所を手がかりにナイトのもとを訪ねようとするのだが……。
東京少年
監督:平野俊一
出演:堀北真希 石田卓也 ほか
2008年2月2日(土)より新宿トーアほかにて全国順次ロードショー
2008年/35mm/カラー/ビスタサイズ/ステレオSR/95分
テレビドラマ主演作は常に高視聴率をマーク、『アルゼンチンババア』『ALWAYS 続・三丁目の夕日』など劇場用映画でも出演作が続き、いまや日本を代表する若手女優となった堀北真希。『東京少年』で彼女が挑むのは“絶対に報われない恋”というテーマだ。
どんなに想っていても、その人に逢うことはできない。こんなにそばにいるのに、守ることもできない。なぜなら、想う相手は自分自身だから――。
本作のプロデューサーは「ケータイ刑事」シリーズなどBS-iのヒットシリーズや、堀北真希主演『恋する日曜日 私、恋した。』などの劇場作品を送り出してきた丹羽多聞アンドリウ。「ケータイ刑事 銭形舞」で堀北を初の連続ドラマ主演に起用し、女優としての成長を見つめ続けてきた丹羽が今回堀北に与えたのは、一人二役、それも男性と女性の二役という難役だ。その丹羽の期待に応え、堀北が、明るい笑顔の中にどこか陰を秘めた少女・みなとと、彼女の中のもうひとつの人格である少年・ナイトの二役で新境地を見せる。
共演は『グミ・チョコレート・パイン』『リアル鬼ごっこ』など主演作が続く邦画界期待の若手・石田卓也。ナイトの存在に気づきながらみなとに想いを寄せる青年・シュウのナイーブさと葛藤を見事に体現している。さらに、草村礼子、平田満のベテラン勢が脇を固め、若いふたりをガッチリとサポートする。
監督はドラマ「ブラックジャックによろしく」「いま、会いにいきます」などを手掛けてきた俊英・平野俊一。初の劇場用長編作品となる本作でも、その繊細な映像感覚を発揮している。そしてエンディングを平野監督たっての希望で起用されたカリスマ的な人気のシンガー・浜田真理子の名曲「LOVESONG」が優しく飾る。
堀北真希が全身全霊をかけて挑んだ、残酷なまでに切なく、そして優しい究極のラブストーリー。それは堀北真希が女優として新たなステップに踏み込んだことを感じさせ、人々の心に強く訴えかける。
- みなと/ナイト(二役):堀北真希
- シュウ:石田卓也
- 唐沢洋二:平田満
- 藤木菊江:草村礼子
- 監督:平野俊一
- プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ
- 脚本:渡邊睦月
- 製作:高西伸兒/渡辺香
- 共同プロデューサー:長生啓/小野寺直樹
- ラインプロデューサー:鈴木浩介
- 音楽:遠藤浩二
- 撮影:高柳知之
- 照明:鋤野雅彦
- 音声:小高康太郎
- 美術:桜井陽一
- 編集:佐野由里子
- 主題歌:浜田真理子「LOVESONG」
- 制作:BS-i
- 制作協力:ハニーバニー
- 製作:BS-i/TCエンタテインメント
- 宣伝:る・ひまわり
- 宣伝協力:クルーズ
- 配給:エム・エフボックス