全然大丈夫
監督:藤田容介
出演:荒川良々 木村佳乃 岡田義徳 田中直樹 ほか
2008年1月26日(土)シネクイントほか全国順次ロードショー
2007年/35mm/カラー/アメリカンヴィスタ/DTSステレオ/110分

劇団「大人計画」の俳優であり、その強烈なインパクトを持った風貌とたたずまいで、舞台をはじめ、映画、テレビドラマで活躍、最近はカロリーメイトのCMでさらに知名度を広げつつある荒川良々。多くの作品で超個性派バイプレイヤーとしてその存在感を発揮してきた彼の待望の主演作が登場する。
お化け屋敷を作るというデカい夢を持つ古本屋の長男・照男とお人好しサラリーマン久信は幼なじみ。そこへ強烈に不器用な絵描きのあかりが現れて、ふたりの関係は微妙に変化していくことに……。
もともと荒川良々主演ありきでスタートした企画だけに、人を驚かすのが大好きでどこか大人になりきれない主人公・照男の飄々としたキャラクターは荒川にしか出せない独特な魅力たっぷり。そして、周囲とのトラブルを避けるあまり八方美人な行動に陥りがちな青年・久信を「木更津キャッツアイ」などの岡田義徳が等身大に好演。さらに『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』など話題作への出演が続く木村佳乃がキュートなコメディエンヌぶりを披露して新境地を開いている。また、脇を固めるココリコの田中直樹、蟹江敬三、白石加代子、きたろう、根岸季衣、小倉一郎らの巧みな演技にも注目だ。
監督は「大人計画」結成初期より劇団の映像作品を手掛け、本作が劇場映画初監督となる藤田容介。グループ魂主演の「グループ魂のでんきまむし」で絶賛を浴びた卓越したユーモアセンスがいよいよスクリーンに繰り広げられる。音楽はニューエイジ・ハワイアンバンド“エコモマイ”が担当。ウクレレのサウンドを中心とした心和む音楽が全編を彩る。同バンドの伴奏に乗せ、蟹江敬三が挿入歌「コメ」を歌っているのも話題だ。
登場人物たちのおかしな行動に笑いつつ、いつのまにか彼らに共感と愛しさを抱き、最後にはホッと心が休まる『全然大丈夫』は、日々の生活に疲れ、憩いまくりたい人たちに贈る、恋のユル騒ぎムービーだ。

古本屋の長男で植木職人の照男(荒川良々)は29歳。人を怖がらせることが大好きで、周囲に怪談を作って聞かせたり、化け物の扮装をして人を驚かせたり。そんな照男は、世界一怖いオバケ屋敷を作るという大きな夢を持っている。
照男の幼馴染みの久信(岡田義徳)は、清掃会社につとめるサラリーマン。誰もが認める“いい人”だが、30歳を前に、自分に自信が持てず、どこか不安を感じている。そんな久信は、いつまでも能天気に人を驚かして楽しんでいる照男につい説教をしてしまう。プライドを傷つけられた照男は、改めてオバケ屋敷実現に意欲を燃やすのだった。
ある日、久信は求人に応募してきたあかり(木村佳乃)という女性を面接することになる。ただでさえ負のオーラを発している上に、なぜかボロボロな姿で面接にやってきたあかり。絶望的に不器用な彼女に不思議な好感を感じた久信は、さっそく職場でトラブルを連発するあかりを陰ながら見守っていく。
一方、久信の説教に続き、周囲からのプレッシャーを感じ始めた照男は、一念発起し、人生初の企画書を作って大金持ちの叔父さん(小倉一郎)にオバケ屋敷作りの資金提供を申し込みにいくが、「熱いものが伝わってこない」とキツいひと言とともに断られてしまう。そして鬱状態で寝込んでいた父親の英太郎(蟹江敬三)がぶらりと家を出て行ってしまう。
あかりはあまりのドジっぷりについに仕事をクビになり、久信の紹介で照男の古本屋を手伝うことになった。あかりに惚れてしまった照男は、勝手にあかりとの結婚まで考える始末。こうしてあかりをめぐって照男と久信は静かに火花を散らしはじめるが、その微妙な三角関係は古本屋に湯原(田中直樹)が現われたことで意外な方向へと進んでいく……。