戸崎圭祐(栩原楽人)は高校生のとき初めての恋をした。相手は、陸上部の倉田将成(くらた・しょうせい:高橋優太)……。
ふたりが高校を卒業してから数年。フリーライターとなり取材でIT企業を訪れた圭祐の前に、担当者として将成が現われる。将成が自分のことを覚えているはずなどないと思った圭祐は気づかない振りで取材を終えるが、意外にも圭祐のことを覚えていた将成は、圭祐を呑みに誘った。呑みながら高校時代を振り返る将成は圭祐に告げる。「お前、俺のこと好きだったんだろ?」。そしてふたりは、そのまま一夜をともにするのだった。
体を重ねつつもあっさりと帰っていき、そのあとも連絡すらよこさない将成。将成の気持ちが読めない圭祐は仕事も手につかなくなってしまう。そんな将成が突然、夜中に圭祐の部屋を訪ねてきた。甘い雰囲気などなく、朝になるとあっさりと帰っていく将成。しかし、将成は「また遊びに行く」と言葉を残していく。
その次の日、圭祐が部屋に戻ると、室内には将成と宮田(篠田光亮)の姿があった。圭祐の大学時代の先輩で、いまは圭祐が仕事をしている編集部勤めの宮田は、圭祐に書類を届けに来たのだという。宮田と圭祐の会話から、ふたりがただの仕事上の関係だけではないと感じる将成。宮田が帰ったあと、圭祐はかつて宮田と付き合っていたことを明かす。
将成は、付き合っていた相手から仕事を貰うのが理解できないと圭祐を責める。ふたりが揉めたことを知った宮田は、将成を呼び出すのだが……。
宮田の存在を知ったときから、将成の中で次第に変化していく圭祐への気持ち。その想いの行く先は?
純情
監督:金田敬
出演:栩原楽人 高橋優太 篠原光亮 ほか
2010年9月4日(土)よりシアター・イメージフォーラムにてレイトショー
2010年/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/78分
高校を卒業してから数年、思いがけず再会してしまった初恋の相手。そして相手は、秘めていたはずの想いに気づいていた――。『純情』は、人気マンガ家・富士山ひょうたの同名コミックを原作に、男性同士の恋愛を若手男優陣の共演で瑞々しく描いたボーイズラブストーリーだ。
主人公の戸崎圭祐を演じるのは、テレビシリーズ「仮面ライダー響鬼」にレギュラー出演して注目を集め、NHK大河ドラマ「龍馬伝」での沖田総司役も話題となっている栩原楽人(とちはら・らくと)。待望の主演映画となる本作では、あどけなさを残した表情で、初恋相手との再会に揺れる心を巧みに表現している。
圭祐の初恋の相手・倉田将成(しょうせい)役には、ドラマ「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」でデビューし、ミュージカル「テニスの王子様」など舞台や映画・ドラマで活躍する高橋優太。一見クールながら、素直に気持ちを出せない将成をワイルドさと繊細さを同時に漂わせる存在感で表現している。
そして、舞台出演も多い篠田光亮が、圭祐の先輩・宮田一臣役で、ふたりに優しい眼差しを送るような印象深い演技を見せる。
脚本は『L change the WorLd』『RAILWAY』などのベテラン・小林弘利と女性脚本家・小鶴が共同執筆。ストーリーラインを小林を、セリフを小鶴が担当するというスタイルで、より女性の心に響くシナリオを完成させた。
『愛の言霊』シリーズでボーイズラブものに定評のある金田敬監督が、登場人物の感情を丁寧にスクリーンへと映し出していく。また、金田監督ならではの美しいラブシーンにも注目だ。
- 戸崎圭祐:栩原楽人
- 倉田将成:高橋優太
- 望月塔子:伊佐美紀
- 湯沢朋子:渡邊まき
- 宮田一臣:篠原光亮
- 監督:金田敬
- 原作:富士山ひょうた「純情」(ダリアコミックス・フロンティアワークス刊)より
- 脚本:小林弘利/小鶴
- 製作:安西崇/及川武/川村明廣
- 製作・プロデューサー:三木和史
- プロデューサー:小林智浩/吉成賢一/梅橋美香
- 撮影:今井裕二
- 照明:大町昌路
- 録音:土屋和之
- 美術:石毛朗
- 衣裳:手塚勇/小海綾美
- ヘアメイク:中尾あい
- 編集:小林由加子
- 助監督:佐藤吏
- 製作担当:尾関玄
- 音楽:MOKU
- 主題歌:aotsuki「純情」作詞・作曲:MOKU/編曲:aotsuki(M2 Records)
- 製作:日本出版販売/フロンティアワークス/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント/ビデオプランニング
- 制作・配給:ビデオプランニング