ひとりの男が頭を銃で撃ちぬいて死亡した。現場は鍵がかけられた密室状態。状況は男の自殺であることを示していた。だが、捜査にあたる刑事はいくつかの不審な点に気がついていた。監視カメラに映っていた、事件の前に男の部屋を訪れた女性はいったい何者なのか?
マカオから東京に到着した旅客機の中に、あの監視カメラの女性――火田七瀬(芦名星)の姿があった。旅先で知りあった瑠璃(前田愛)とともに空港に降り立った七瀬は、自分を狙う“殺意”を感じる。七瀬は、他人の心を読み取る力を持ったテレパスである。普通の人間と違った力を持っているがゆえに、七瀬たち“能力者”を敵視する者がいる――。
からくも難を逃れた七瀬のもとに、予知能力を持った了(田中圭)からの連絡が入る。かつて、同じ能力者同士として出会いながらも、ある理由から七瀬と距離をとるようになった了。了は「なるべくひとりでいないこと」と七瀬に忠告する。
やはり能力者である藤子(佐藤江梨子)は能力者の身に危険が迫っているのではないかと不安を告げる。北海道では、七瀬の仲間、テレパスの少年・ノリオ(今井悠貴)と念動力者の青年・ヘンリー(ダンテ・カーヴァー)が七瀬の帰還を待っていた。
一方、例の拳銃“自殺”事件を担当する刑事の山木(平泉成)は上層部から捜査の打ち切りを言い渡され、その背後に強大な力が存在していることを知る。
能力者を抹殺しようとする狩谷(吉田栄作)の手は、すでに七瀬たちに迫っていた。なぜ自分たちは生まれたのか? ときに迷い、苦しみながらも、七瀬は誓う。この世界で、闘うことを。
七瀬ふたたび
監督:小中和哉
出演:芦名星 佐藤江梨子 田中圭 前田愛 ほか
2010年10月2日(土)よりシネ・リーブル池袋、シアターN渋谷ほか全国ロードショー
2010年/カラー/35mm/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/105分
テレパス=他人の心を読むことができる火田七瀬。普通の人間とは違った力を持つ“能力者”の抹殺を企む強大な敵に、七瀬と仲間の能力者たちは敢然と立ち向かう! NHK少年ドラマシリーズの1本としてテレビドラマ化されたのをはじめ、これまで繰り返し映像化されてきた名作『七瀬ふたたび』が、原作者・筒井康隆の作家生活50周年作品としてスクリーンに登場する!
今回の映画版でヒロイン・火田七瀬を演じるのは日加伊合作映画『シルク』で注目を集め、多くの映画・ドラマに出演する芦名星。その美貌とクールな佇まいは、原作者・筒井康隆からも「芦名星はもっとも七瀬らしい七瀬である」との賞賛を受けた。
七瀬の仲間である能力者を演じるのは、さまざまな作品で女優としての幅広さを発揮する佐藤江梨子、名子役との呼び声の高い今井悠貴、若手男優の中でも独自の存在感を持つ田中圭、携帯電話のCMで話題のダンテ・カーヴァーという、人気・実力を兼ね備えた俳優陣。さらに、前田愛、河原雅彦、平泉成、吉田栄作と、充実のキャストが揃った。
脚本を担当したのは「平成ガメラ」シリーズやアニメ作品で多くのファンを持つ伊藤和典。原作の魅力はそのままに、よりスリリングさとスピード感を増した構成で観客を引き込んでいく。
そして監督は小中和哉。少年ドラマシリーズへのオマージュである『星空のむこうの国』で監督デビューし、その後も『なぞの転校生』など多くのSF作品を手がけてきた小中監督と『七瀬ふたたび』という作品は、まさに最高の組み合わせだ。これまでの小中作品を思い出させる要素も散りばめられた『七瀬ふたたび』は、小中SFの集大成的な作品とも言えるだろう。
過酷な運命の中で、それでも七瀬は未来を切り拓こうとする。いま、時代へのメッセージを込めて、不朽の名作が蘇る。
- 火田七瀬(ひだ・ななせ):芦名星
- 漁藤子(すなどり・ふじこ):佐藤江梨子
- 岩淵了:田中圭
- 真弓瑠璃:前田愛
- ヘンリー・フリーマン:ダンテ・カーヴァー
- 山沢ノリオ:今井悠貴
- 景浦:河原雅彦
- 西尾秀幸:池田成志
- 署長・相田:大杉漣
- 山木義男:平泉成
- 狩谷:吉田栄作
- 監督:小中和哉
- 原作:筒井康隆(新潮文庫刊「七瀬ふたたび」より)
- 脚本:伊藤和典
- 製作:川城和実/樫野孝人/一志順夫/堀徹
- プロデューサー:小椋悟
- アソシエイトプロデューサー:安斎みき子
- 撮影:西久保弘一
- 照明:白石宏明
- 美術:大庭勇人
- 衣裳:宮本まさ江
- 編集:松本朗
- 特殊視覚効果:泉谷修
- サウンドデザイン:岩浪美和
- 助監督:小原直樹
- 制作担当:金子哲男
- キャスティング:おおずさわこ
- スクリプター:松隈理恵
- ヘアメイク:貴島貴也
- スチール:佐藤芳夫
- スタントコーディネイト:谷垣健治
- 特殊メイク・造形:西村映造
- 脚本協力:村井さだゆき
- 音楽:岸利至
- 主題歌:school food punishment「Fkashback trip syndrome」(EPICレコードジャパン)
- 音楽製作:EPICレコードジャパン
- 「七瀬ふたたび」製作委員会:バンダイビジュアル/IMJエンタテインメント/EPICレコードジャパン/キュー・テック/小椋事務所)
- プロダクションスーパーバイザー:鯨オフィス
- プロダクションサポート:日本エフェクトセンター/STUDIO MAUSU
- 企画・製作プロダクション:小椋事務所
- 配給:IMJエンタテインメント/マジックアワー