パーマネント野ばら
監督：吉田大八
出演：菅野美穂 小池栄子 池脇千鶴 宇崎竜童 夏木マリ 江口洋介 ほか
２０１０年５月22日(土)より新宿ピカデリー、シネセゾン渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
２０１０年／カラー／ビスタ／ＤＴＳステレオ／１０３分
小さな港町にある町で１軒だけの美容室“パーマネント野ばら”。そこは、いくつになってもそれぞれのかたちで“恋”をする女たちが集まる場所――。
数々の映画・ドラマに出演し、女優としての確固たる地位を築いている菅野美穂が、人気マンガ家・西原理恵子の同名作品を映画化した『パーマネント野ばら』で、８年ぶりとなる映画主演を果たす。
菅野が演じるのは、離婚して娘を連れ故郷に戻り、母の営む“パーマネント野ばら”を手伝うなおこ。穏やかな表情の中に成熟した女性の強さとたくましさを感じさせつつ、ときに少女のような可憐さとはかなさをのぞかせる演技で、なおこという人物を魅力的にスクリーンに息づかせてみせた。
そして、なおこの母親・まさ子役でベテランの夏木マリが貫禄の存在感を見せるのをはじめ、小池栄子、池脇千鶴と個性あふれる女優陣が共演。さらに、まさ子の再婚相手を演じる宇崎竜童ほか加藤虎ノ介や山本浩司ら男優陣が“男のしょうもなさ”を巧みに表現し、なおこの恋人・カシマ役の江口洋介が包み込むような演技でなおことカシマの間の優しい空気を醸し出す。
メガホンをとったのは『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』で高い評価を受けた吉田大八。原作者・西原の出身地である高知県でのロケ撮影による美しい風景の中、登場人物の織りなすドラマを独特の距離感を持って描き出していく。
菅野美穂、西原理恵子、吉田大八。３人の才能の出会いが、限りない切なさとあたたかさを持った珠玉の恋愛映画として結晶した。
山々に囲まれた小さな港町にある美容室“パーマネント野ばら”。夫と離婚したなおこ（菅野美穂）は一人娘のもも（畠山紬）を連れて故郷の町に戻り、母のまさ子（夏木マリ）が営むこの店を手伝っている。町でただ１軒の美容室である“パーマネント野ばら”は、いつも町のオバチャンたちが集まってはあけすけな色恋話の花を咲かせている賑やかな店だ。
まさ子の再婚相手・カズオ（宇崎竜童）は、ほかに女を作って家を出たきり戻ってこない。カズオの話題となると不機嫌となるまさ子を見かねたなおこが会いにいっても、カズオはまさ子のところに戻る気はないらしい。
なおことは幼なじみのみっちゃん（小池栄子）は、フィリピンパブのママ。みっちゃんの夫のヒサシ（加藤虎ノ介）は店で働く店で働く女の子と浮気を繰り返し、とうとう家を出てしまった。みっちゃんはヒサシ相手に一騒動を巻き起こすが、それでも「どんな恋でもないよりましやき」と、ヒサシのことを想っている。
同じようになおこと幼なじみのともちゃん（池脇千鶴）は、極度に男運が悪くて乱暴な男とばかり付き合ってきた。ようやく殴らない男と知りあって結婚をしたが、そのユウジ（山本浩司）はギャンブルにハマって借金を抱えて失踪。ずっと一緒だった飼い猫も死んでしまい、ともちゃんはなおことともに山へ猫のお墓を作りにいく。
それぞれの恋に悩んだり、笑ったりの日々。なおこはというと、高校の教師・カシマ（江口洋介）と付き合っている。放課後の学校で、旅館で、海辺で、他人の目を避けるようにしながらカシマとの時間を過ごすなおこ。
みんなそれぞれ、いろいろなものを抱えながら、それでも町の人たちは明るく暮らしている――。
