函館で暮らす真乃(桐谷美玲)は、子供のころ、哀しい別れをした経験があった。幼なじみの速人の一家が乗った乗用車が港から海へ飛び込んだのだ。事件は一家心中として処理されたが、速人の姿は車の中にはなく、速人は行方不明のまま10年の歳月が流れた――。
短大を卒業して上京を間近に控えた真乃は、やはり幼なじみで、いまもよき“友達”である亨(白石隼也)と食事に出かけたとき、遠くから自分を見つめる人影に気づく。真乃は、その人影に速人の面影を見た気がした。
速人は、まだ生きているのではないか? そんな想いが真乃の胸によぎる。真乃は、函館を離れるまでの残された時間で速人を探そうと決意する。そんな真乃を心配しつつも、協力を約束する亨。
そして、遠藤家の墓を訪ねた真乃の前に、速人の面影を残す青年が現われた。だが、彼は速人ではなく、速人とよく似た従兄弟の勇麻(青山ハル)だった。勇麻も速人がまだ生きていると考えており、真乃と勇麻は速人の手がかりを見つけようと力を合わせていく。そんな中、真乃のもとに差出人不明の郵便物が届く。その中に入っていたのは、子供のころに真乃と速人が交わしていた秘密の交換日記だった。真乃はかつて交換日記をやり取りしていた思い出の場所を訪ねるのだが――。
真乃たちの周りで不可解な出来事が起こりだす中で、勇麻は彼が速人を探す意外な理由を明かす。一方で、亨は勇麻が速人自身なのではないかと疑念を抱いていく。
さまざまな謎が渦巻く中、速人との“雪のかけら”の思い出が真乃を導いていく――。
スノーフレーク
監督:谷口正晃
出演:桐谷美玲 青山ハル 白石隼也 石丸幹二 ほか
2011年8月6日(土)よりシネマート新宿ほかにて『乱反射』と2本立てロードショー
2011年/カラー/ビスタ/ステレオ/74分
映画『音楽人』『ランウェイ☆ビート』、ドラマ「女帝 薫子」などで注目の女優・桐谷美玲。雑誌「セブンティーン」モデルやCM出演などマルチに活躍する彼女の主演作2本が同時公開される。『乱反射』と『スノーフレーク』だ。
大崎梢による同名小説を原作とした『スノーフレーク』は、北海道・函館を舞台にしたミステリー。短大生の真乃(まの)の周囲で起きる不可解な出来事。まさか、10年前に行方不明となった幼なじみの速人が生きているのか? 男友達の亨とともに調査を始めた真乃の前に、速人の従兄弟の青年・勇麻が現われる……。
真乃を演じる桐谷は、幼なじみを想いつつ、10年前に端を発する謎にまっすぐ立ち向かっていくキュートなヒロインを好演。挿入歌「サヨナラまでのあいだ」と主題歌「スノーフレーク」を桐谷自身が担当しているのも注目だ。
どこか謎めいた青年・勇麻を演じるのは『君に届け』でも桐谷と共演している青山ハル、ちょっと頼りないが真乃を見守る友人の亨にはジュノン・スーパーボーイコンテスト出身で『ごくせん THE MOVIE』『GANTZ』シリーズなどに出演する白石隼也と期待の若手男優ふたりが共演。また、劇団四季出身の石丸幹二が物語の鍵となる人物役で出演している。
脚本を担当したのは、劇団“ヤニィーズ”主宰で、映画の舞台である函館出身の矢新図。監督デビュー作となる仲里衣紗主演『時をかける少女』で高い評価を受けた谷口正晃がメガホンをとった。
函館ロケによる透明感あふれる風景の中で繰り広げられる物語は、ミステリアスな中にも、どこかあたたかな温もりを感じさせる。“雪のかけら”の記憶が導く青春ミステリーが、誰かを想う純粋な気持ちを届けてくれる。
- 桐谷美玲
- 青山ハル
- 白石隼也
- 石丸幹二
- 監督:谷口正晃
- 原作:大崎梢「スノーフレーク」(角川書店刊)
- 脚本:矢新図
- エグゼクティブプロデューサー:一志順夫
- 企画プロデューサー:村山達哉
- プロデューサー:松岡周作
- 撮影:上野彰吾
- 照明:赤津淳一
- 録音:岩丸恒
- 美術:寺尾淳
- 編集:伊藤潤一
- 音楽:石塚徹/村山達哉TOKYO GRAND ORCHESTRA
- 挿入歌:桐谷美玲「サヨナラまでのあいだ」(作詞:松尾潔/作曲:小松清人)
- 主題歌:桐谷美玲「スノーフレーク」(作詞:松尾潔/作曲:吉田裕之)
- 製作プロダクション:ボイス&ハート
- 製作:「乱反射/スノーフレーク」製作委員会
- 配給:スタイルジャム