足立謙介(川野直輝)は、仕事でミスを繰り返し上司からきつく叱責されたことを思いつめ引きこもりになってしまった。同居する姉の裕子(中村ゆり)と父の謙三(ベンガル)は、近所の評判を気にしつつも厳しい態度はとらない。気がつけば、5年の月日が流れていた。
ある日、謙介はネットで女装を趣味とする男性=女装娘が集まるサイトを見つける。はじめは女装娘たちの写真をバカにして笑っていた謙介だが、いつの間にか女装に興味を抱きはじめ、たびたびそのサイトを訪れては投稿された女装娘の写真にコメントを残すようになっていく。
謙介の女装への興味はさらに膨らんでいき、姉の服をこっそり持ち出すと部屋の中で身につけるまでに。さらに、サイトで人気の女装娘・カレン(草野康太)とメールのやり取りを重ねるようになる。
やがて、謙介はカレンから女装娘が集まるイベントに誘われた。姉や父に黙って家を抜け出した謙介はカレンとともにイベント会場へ。カレンの手ほどきで初めてメイクまでする本格的な女装を体験し、お酒を飲んだり記念写真を撮ったり、これまで経験したことのない楽しい時間を過ごしていく。
カレンの働く女装バーのママ・静香(木下ほうか)や常連客の昇(河合龍之介)とも知り合いになり、より深く女装の世界に足を踏み入れていく謙介。だが、謙介の行動を心配した姉に女装バーに行ったことを知られてしまい、姉から話を聞いた父親は激怒。父に怒鳴られた謙介は、衝動的に家を飛び出してしまう……。
僕の中のオトコの娘
監督:窪田将治
出演:川野直輝 中村ゆり 草野康太 ほか
2012年12月1日(土)より銀座シネパトスほか全国順次ロードショー
2012年/カラー/HD/100分
「女装娘」と書いて「じょそこ」。それは、性的嗜好とは無関係に女装を楽しむ男性たちの呼び名だ。近年、コミックやドラマで外見は女性の男子「オトコの娘(おとこのこ)」が登場する作品も増え、女装がひとつのカルチャーとして広く認識されていることを感じさせる。その「女装娘」を題材にした異色の青春ムービーが『僕の中のオトコの娘』だ!
主人公の謙介は、社会になじめずに引きこもりになってしまった元・サラリーマン。偶然に出会った女装娘のサイトがきっかけとなり、謙介はこれまで知らなかった未知の世界へと足を踏み出していく……。
監督・脚本は『失恋殺人』が海外で高い評価を得た窪田将治。『僕の中のオトコの娘』では、謙介と女装娘たちの交流や家族との関係を真摯かつライトなタッチで描き、ひとりの青年のさわやかな成長物語として完成させた。
謙介を演じるのは「踊る大捜査線」シリーズなど映画やドラマ、舞台で活躍する注目の若手男優・川野直輝。本作では、他人との関係に悩むナイーブな青年の心理を巧みに演じるとともに、端正なルックスならではの見事な女装姿を見せている。
そして、謙介の先生的存在になる女装娘のカレンをインパクトたっぷりに演じるのは窪田監督作品3作連続出演となる草野康太。さらに、謙介の姉を演じる中村ゆり、父親・謙三役のベンガル、女装バーのママ役の木下ほうか、バーの常連客役の河合龍之介や、内田朝陽、山田キヌヲ、柳憂怜ら、若手からベテランまで実力派キャストが揃った。また、窪田監督の前作『CRAZY-ISM』で主演をつとめ「特命戦隊ゴーバスターズ」で注目度上昇中の馬場良馬が特別出演している。
女装に興味のある人も、ない人も、きっとどこかに共感できる、ユニークな“女装娘映画”がここに誕生した。
- 川野直輝
- 中村ゆり
- 草野康太
- 河合龍之介
- 内田朝陽
- 山田キヌヲ
- 馬場良馬(友情出演)
- 柳憂怜
- 木下ほうか
- ベンガル
- 監督・脚本・編集:窪田将治
- エグゼクティブプロデューサー:菊池笛人/竹井佑介/三上靖史
- プロデューサー:小関智和/斉藤三保
- 撮影監督:根岸憲一(J.S.C.)
- 録音:田邊茂男
- 制作担当:坪井力
- ヘアメイク:MYSA
- スタイリスト:三浦玄
- 美術:岩田有立
- 助監督:大城義弘
- 音楽:與語一平
- エンディング曲:LYMRAM-リムラム「My Color」
- 製作:『僕の中のオトコの娘』製作委員会(マクザム/FAITHentertainment/NEXT LEVEL)
- 企画・制作プロダクション:FAITHentertainment
- 制作協力:トライアムズ
- 配給・宣伝:太秦
- 宣伝協力:ボダパカ