1973年、東陽工業高校の2年生・千藤鷹也(斎藤工)は長ランにボンタンのツッパリ=不良少年。ひとりで数人を相手にするほどケンカが強く、親友の菱川晃希(窪塚俊介)とふたり、他校の生徒相手と拳を交えることもしばしばだ。ほかの高校に通う恋人の高木恵里子(須藤温子)は、そんな鷹也をいつも心配している。
鷹也と晃希の通う東陽は、全校生徒3000人のうち半分以上がツッパリという不良高校だ。1年生のとき、学年を束ねていた伊沢をタイマンで叩きのめした鷹也は、本人にその気もないまま周囲から学年の総番と見なされていた。進級したいまでも、2年生1000人の頂点に立っているのが鷹也だ。
東陽では、全校生徒を束ねる総番は建築科から出すのが伝統となっていた。機械科の鷹也が目立っていることが、建築科3年の番長グループには気に入らない。学内でのちょっとしたトラブルもきっかけとなり、3年の番長グループは鷹也に対する敵意を露わにし始めていた。
いつしか東陽は、2年生と3年生が対立する異常な事態を迎えていた。鷹也の力を認めるダブりの2年・坂本和輝(岩永洋昭)は、一歩引いた場所からその様子を見つめる。
派閥や権力には興味もなく、ただ仲間たちとバカをやっていたいだけの鷹也。しかしそんな鷹也自身の想いとはうらはらに、教員たちも巻き込んで事態はさらに緊迫の度合いを増していく。「ここだけが居場所なんだ、唯一なんだ」胸のうちをそっと恵里子に明かした鷹也は、やがてある決断をする――。
不良少年 3,000人の総番(アタマ)
監督:宮野ケイジ
出演:斎藤工 窪塚俊介 須藤温子 ほか
2012年3月10日(土)より池袋シネマ・ロサにて公開
2012年/カラー/アメリカンビスタ/74分/PG-12
全校生徒3000人の半数以上が不良という東陽工業高校。機械科2年のツッパリ・千藤鷹也は、そのケンカの強さゆえに、東陽3000人を束ねる総番をめぐる争いへと巻き込まれていく――。
1970年代を舞台に、硬派な不良少年たちが熱く青春を燃やす、ツッパリ映画がスクリーンに登場する。実際に暴走族のリーダーをつとめた経験を持つ作家・遠藤夏輝が自身の体験に基づいた著書「東京不良少年伝説」を原作とした『不良少年 3,000人の総番(アタマ)』だ。
主人公の鷹也を演じるのは、主演ドラマ「QP」や映画『逆転裁判』など話題作への出演が続く斎藤工。そのどこか危険な佇まいで昭和の不良を好演するのに加え、豊富な格闘技経験に裏打ちされた迫力のアクションシーンも見せる。
鷹也とともにケンカにあけくれる相棒・晃希には、デビュー作のドラマ「ビー・バップ・ハイスクール」や映画『アメイジング グレイス〜儚き男たちへの詩〜』など不良役の経験も多い窪塚俊介。鷹也の恋人・恵里子には、国民的美少女コンテスト出身の須藤温子。揺れ動く東陽の状況を冷静に見守る建築科2年の坂本には「仮面ライダーオーズ」伊達昭役で一躍名を広めた岩永洋昭。たしかな力と人気を持った若手キャストが集まった。さらに、名女優・秋吉久美子や、東映ニューフェイス出身の大ベテラン・堀田眞三が、映画の中での役どころそのままに豊富な経験で若手キャストたちを支えている。
監督は、ドキュメンタリー映画などを手がける宮野ケイジ。
いまの時代に、新鮮さすら感じさせる「昭和の不良たち」の青春。その熱さを受け止めよ。
- 千藤鷹也:斎藤工
- 菱川晃希:窪塚俊介
- 高木恵里子:須藤温子
- 村岡:堀田眞三
- 坂本和輝:岩永洋昭
- ひろ子:秋吉久美子
- 監督:宮野ケイジ
- 原作・原案:遠藤夏輝「東京不良少年伝説」(ミリオン出版刊)
- 脚本:遠藤夏輝/宮野ケイジ
- 企画:日達長夫
- エグゼクティブプロデューサー:加藤和夫
- プロデューサー:山口敦規/鈴木純/小笠原文夫/榎本靖
- アシスタントプロデューサー:鈴木智
- キャスティングプロデューサー:飯田正樹
- 撮影:吉沢和晃
- 照明:山口峰寛
- 録音:田代浩由紀
- 美術:田仲正彦
- 編集:金子尚樹
- 助監督:荒川栄二
- 殺陣:西形龍哉
- 音楽:濱田勇樹
- 製作著作:株式会社テレハウス
- 企画・製作・配給:東映ビデオ株式会社
- 宣伝:グアパ・グアポ