日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページニュース一覧>迫力のケンカシーンは「セリフのない会話」:『不良少年 3,000人の総番(アタマ)』初日舞台あいさつ

迫力のケンカシーンは「セリフのない会話」:『不良少年 3,000人の総番(アタマ)』初日舞台あいさつ

記事メイン写真

舞台あいさつをおこなった宮野ケイジ監督、岩永洋昭さん、窪塚俊介さん、斎藤工さん、須藤温子さん、遠藤夏樹さん(左より)

 1970年代を舞台に、ケンカにあけくれる高校生たちの青春を描いた硬派な不良映画『不良少年 3,000人の総番(アタマ)』が3月10日に池袋シネマ・ロサで初日を迎え、主演の斎藤工さんと原作者の遠藤夏輝さん、宮野ケイジ監督らキャスト・スタッフが舞台あいさつをおこないました。
 『不良少年 3,000人の総番(アタマ)』は、全校生徒3000人の半数以上が不良という工業高校を舞台に、全校を束ねる総番を巡る争いに巻き込まれていく少年・千藤鷹也を主人公にしたストーリー。
 鷹也を演じた斎藤さんは、劇場を埋めた観客を前に「数ある映画が初日公開の中、この作品を選んで足を運んでいただきありがとうございます」とあいさつ。映画の見せ場となっている迫力のアクションシーンについて「ただケンカをしているわけではなくて、セリフのいらない会話になり得るものだと思うんですね。たとえばチャップリンの映画を観ても、セリフで説明するんじゃなくて動きひとつで訴えるものがあるし表現が成り立つので、この映画のポイントはアクションではないかと思っていました。なので、なるべくドキッとさせたいと作為はありまして、リハーサルはあまり繰り返さないで、そこで生まれる感覚とか間(ま)とかを大事にしたいなと思っていました」と意図を語りました。
 また、鷹也の恋人・高木恵里子役の須藤温子さんが「セーラー服を着てはいけない年齢なのでちょっと恥ずかしかった」と笑いまじりにコメントすると、すかさず斎藤さんが「着てはいけない年齢ってあるんですか?」と質問。「リアルじゃないなって(笑)」という須藤さんの答えに「そんなんぼくら(男子高校生役の3人)もオッチャンですから。元も子もない感じになっちゃいますからね」と返し、客席の笑いを誘いました。

コメント写真

原作者・遠藤夏樹さんをモデルにした主人公・千藤鷹也役の斎藤工さんは「モノマネをするわけではなくて、本質的な部分で遠藤先生から匂っているものを大事にしようと思ったし、ひとりの人間を丁寧に演じようと思いました」とコメント

コメント写真

「ぼくたちはまだ生まれていない時代の話という大前提がある中で、その分、逆に自由に想像力を使ってやらせていただいたかなと思っていて、それがこの映画に参加してぼくが一番楽しい部分でした」と鷹也の親友・菱川晃希を演じた窪塚俊介さん

コメント写真

「ホン(脚本)を読んだとき、私は不良の世界からかけ離れて生きてきたので、不安はあって悩むところはあったんですけど、実際に(共演の)役者さんを前にしたらスムーズにできました」と鷹也の恋人・高木恵里子を演じた須藤温子さん

コメント写真

「あまり多くを語らない、ベラベラ喋る役ではなかったので、セリフがないときにどう観ている側の方に伝えるかということを、ぼく個人としては中心にしてやっていたような気がします」と、鷹也と同じ学校の生徒・坂本和輝を演じた岩永洋昭さん

コメント写真

原案・原作の遠藤夏樹さんは「プロデューサーに“千藤役は斎藤工くんです”と言われたときに“えっ、カッコよすぎねえ?”と言ったら、プロデューサーが“映画だからそれでいいんです”と言われました(笑)」と裏話を披露し会場を沸かせました

コメント写真

ドキュメンタリーを多く手がけてきた宮野ケイジ監督は「ドキュメンタリーと劇映画は性質は違うんですけど、スタンスは共通しているところがあるかもしれないですね。アプローチの仕方は重ねている部分はあるかもしれないです」とあいさつ

 高校時代の実体験を元に原作を執筆した遠藤夏樹さんは、映画のキャスティング決定以前にテレビドラマで斎藤さんを見て「すごい役者が出てきたな」という印象を持っていたそうで「(先輩である)岩城(滉一)さんから教えてもらったのは“役者は目で演技する”ということ。斎藤くんはその目力がすごい」と話すなど、キャストひとりひとりに賞賛の言葉を贈りました。

 斎藤さんが「すごく直球なんですけど、それはいまだからこその直球だと思っています。それがみなさんに各々のかたちで響いてくれたら嬉しいなと思っています」と語る、ストレートな少年たちの生き様を描いた『不良少年 3,000人の総番(アタマ)』は、3月10日(土)より池袋シネマ・ロサにて上映されています。

スポンサーリンク