「３・１」と呼ばれる爆破事故が日本の中部地方で起きてから10年、仮面の少女による爆破テロ事件が発生する。少女はいったい何者なのか!? 爆破テロの目的とは？
２００８年に開催された第10回インディーズムービー・フェスティバルでグランプリを受賞した監督・林嘉一が送るアクション・エンターテイメントムービー、それが『ローン・チャレンジャー』だ！ 爆破テロ事件に揺れる街を舞台に、仮面の少女・カンナと、謎の男・加ト、少女を利用しようとするテレビプロデューサーたちが予測不能なストーリーを繰り広げる！
監督の林は、プロデューサー、脚本、撮影、編集、デザイン、合成、エフェクトまで兼任するのに加え、物語の中心人物である加トも自ら演じ、激しいアクションも披露。ほかのキャストのアクション指導もおこない、まさにマルチな才能を存分に発揮して、インディーズムービーの常識を超えたスケールを持った作品を完成させた。
そして、仮面の少女・カンナを演じアクションにも挑んだ林由莉恵、加トの恋人を演じる『お姉チャンバラ THE MOVIE』などの乙黒えりの女優陣が作品を華麗に彩っている。
２００８年に企画がスタートした本作は２０１１年の公開が予定されていたが、完成後に起きた東日本大震災を連想させる部分があるために一旦公開を延期。一部セリフに修正を加えて公開の運びとなった。
閉塞した現在に挑む孤独なチャレンジャー。劇中の加トの姿と『ローン・チャレンジャー』という作品自体は重なりあう。そしてその激しい感情は、やがてジャンルを越えた結末へと我々を導く！
日本の中部地方にある工業地帯。偶然いあわせた母娘の目の前で、突然に大爆発が発生した。しかし、その爆発事故の報道は間もなく打ち切られ、真相は謎のままとなった。事故がおきたのは３月１日。その事故は、人々の中で「３・１」として記憶されていた――。
それから10年後。名古屋の街頭で取材をおこなっていた報道カメラの前で、突然ビルが爆発し人々はパニックに陥る。騒動の中で、カメラはビルの屋上に仮面を着けたひとりの少女が立っているのを捉えていた。
加ト（林一嘉）は、爆破テロを知り、その犯人に興味とシンパシーに近い感情を抱いていた。そんな加トのことを、恋人の美藍（乙黒えり）は静かに見つめる。
爆破テロの少女に興味を持っている人間がほかにもいた。テレビ報道番組のプロデューサーが、少女を利用することで、リアルハプニングニュースができると考え、裏社会の人間を集めて少女の正体を探りはじめたのだ。
一方、あの仮面の少女＝カンナ（林由莉恵）は、過去の記憶に苦しみながら自らの信念を貫こうとする――。
街では模倣テロも起こり、社会は次第に混迷を深くしていく。そして、誰となく囁く、あの「３・１」にまつわる、ある都市伝説――。“アジャスター”とは一体？
加トとカンナ、ふたりの人生が交錯するとき、そこではなにが起きるのか？ チャレンジャーの向かう先には、誰も予想できないなにかが待っている――。
