10歳になったばかりの少年・テンジン(声:濱田龍臣)は、母親のテジ(声:皆口裕子)を病気で亡くし、たったひとりの身よりである父の元で暮らすため、チベットの草原へとやってきた。
医者である父のラクパ(声:筧利夫)は、久々の再会にもかかわらず、テンジンに優しい言葉をかけることもない。母の命を救ってくれなかったことへのわだかまりもあり、テンジンも父に素直に接することができずにいた。
ある日、父の言いつけでひとりで羊の世話をしていたテンジンは、群れから離れた羊を追いかけるうちに、熊と出会ってしまう。恐怖から動けなくなったテンジンを助けてくれたのは、黄金に輝く毛を持った1匹のチベット犬だった。
テンジンを救ってくれたその犬は、ある出来事から深い傷を負ってしまい、テンジンは犬を救うために懸命の努力をおこなう。その気持ちに応えるかのように、最初は人を寄せつけようとしなかったその犬も次第にテンジンに心を開いていく。
犬はテンジンとともに暮らすことになり、テンジンも、ラクパの元で医学を学ぶメイドラム(声:山像かおり)や、友達となった少年・ノルプ(声:桑島法子)たちに囲まれ、草原での生活になじみはじめていた。テンジンが犬に付けた名前は「ドージェヨンジー」。ノルプが教えてくれた、伝説の光る石の名前であった。
そのころ草原では、謎の獣に人や動物が命を奪われる事件が続いていた。弟を殺された盗賊の首領・ギャロ(声:若本規夫)は、ドージェヨンジーこそが獣の正体に違いないと、ドージェヨンジーの命を狙う。
草原を揺るがす事件の中で、テンジンとドージェヨンジーの互いを想う気持ちがチベットの大地に一筋の光を描く――。
チベット犬物語 〜金色のドージェ〜
監督:小島正幸
声の出演:濱田龍臣 筧利夫 平幹二朗 ほか
2012年1月7日(土)よりシネ・リーブル池袋にてモーニングショー
2011年/日本・中国合作/カラー/HD/91分
チベットの草原で、ひとりの少年は1匹のチベット犬と出会った。黄金の毛を持った、強く誇り高い犬と……。
『チベット犬物語 〜金色のドージェ〜』は、近年では『サマーウォーズ』『REDLINE』などのヒット作を送り出している日本を代表するアニメスタジオ・マッドハウスと、中国最大の映画会社・中国電影集団が、中国政府の許可のもと1本の作品を共同で制作するという、史上初のプロジェクトによって誕生した作品だ。
中国でベストセラーとなったYang Zhijunの小説を原作に、横溝正史ミステリ大賞受賞作「T.R.Y.」などの作家・井上尚登が脚本を執筆。そしてこのプロジェクトのために、大ヒット作品「20世紀少年」などの人気マンガ家・浦沢直樹がオリジナルキャラクターを提供した。浦沢が自作のアニメ化以外でキャラクター原案をつとめるのは初となる。監督は、テレビアニメ「MASTER キートン」「MONSTER」で浦沢作品を見事にアニメ化し、劇場用アニメ『ピアノの森』で高い評価を得た小島正幸がつとめる。
声の出演にも豪華なメンバーが揃った。主人公の少年・テンジン役で、ドラマ「龍馬伝」「怪物くん」や映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE』などで注目を集める子役・濱田龍臣がアニメ初挑戦。テンジンの父・ラクパに筧利夫、成長したテンジンにベテランの平幹二朗と実力派俳優が出演し、山像かおり、若本規夫、桑島法子、皆口裕子ら、充実の声優陣が脇を固めている。
リアルに描かれたチベットの風景は、スクリーン越しに自然の大きさを感じさせてくれる。大きな自然の中で、人や犬、動物たちはあまりにも小さい。だが、その小ささこそが生命の尊さを伝えてくれるのではないか? 『チベット犬物語 〜金色のドージェ〜』は、劇場の大きなスクリーンで観るにふさわしい、生命が息づく雄大な冒険譚だ。
- テンジン:濱田龍臣
- ラクパ:筧利夫
- 大人になったテンジン:平幹二朗
- メイドラム:山像かおり
- ギャロ:若本規夫
- ノルプ:桑島法子
- テジ:皆口裕子
- 監督:小島正幸
- 原作:Yang Zhijun(人民文学出版社刊)
- 脚本:井上尚登
- キャラクター原案:浦沢直樹
- キャラクターデザイン:藤田しげる
- 美術:池田祐二
- 音響監督:清水洋史
- 撮影監督:川下裕樹
- 色彩設計:鎌田千賀子
- 編集:寺内聡
- 音楽:村井秀清
- 主題歌:alan「ECHOES」(avex trax)
- アニメーション制作・配給:マッドハウス
- 配給協力:太秦
- 後援:中国大使館/社団法人日中友好協会