
『ノロイ』『オカルト』など、現実と虚構が交錯する恐怖を放ってきたフェイク・ドキュメンタリー・ホラーの名手・白石晃士。待望の新作『カルト』が「ネクスト・ホラー・プロジェクト」の1本としてついにそのベールを脱ぐ!
ある親子の住む一軒家を訪れたタレントたちの前で次々と起こる怪奇現象。取り憑いたものを祓おうとする霊能力者までもが犠牲となっていく。強大な力の前に、最強の霊能力者・ネオが立ちはだかる!
物語の中心となる3人の女性タレントは、あびる優、岩佐真悠子、入来茉里と、幅広いジャンルで活躍する3人が実名で登場し、現実と虚構を橋渡しする。そして「仮面ライダーオーズ」などの三浦涼介が最強の霊能力者・ネオ役で出演。知名度の高い俳優が架空のキャラクターを演じるというフェイク・ドキュメンタリーの常識を覆すキャスティングは『カルト』の見どころのひとつだ。怪奇現象に見舞われる母親・金田朋絵を演じるのは多くの作品に出演する個性派・小山田サユリ、娘の美保には“おはガール”として活躍中の岡本夏美。作品世界に厚みを与える共演者にも注目だ。
現実に起こった怪奇現象の記録のようなタッチで幕を開ける『カルト』は、やがてフェイク・ドキュメンタリーの枠には収まらない予想外の展開を見せていく。VFXを用いて“怪異”をヴィジュアルとして表現するなどの意欲的な試みは、フェイクを超えた超フェイクとでも呼ぶべき独特の世界を作り出している。
現実や虚構の区別など無意味と思わせる圧倒的な描写の前に、観客はただただ恐怖するしかない。そして観客をさらなる恐怖へと導いていくもの――それは『カルト』というこの映画のタイトルそのものである。

タレントのあびる優、岩佐真悠子、入来茉里の3人は、ある番組の打ち合わせのため制作プロダクションを訪れた。3人がそこで見せられたのは、金田朋絵(小山田サユリ)・美保(岡本夏美)親子の周囲で起こる怪奇現象を記録した映像だった。金田親子を悩ます怪奇現象が収まり、親子が平穏を取り戻すまでをレポートする。それが3人の仕事であった。
打ち合わせから2日後、あびる、岩佐、入来の3人とディレクターは、番組が依頼した霊能力者の雲水(山口森広)とともに金田親子の住む一軒家を訪れた。雲水が金田邸の調査を始めると、それを見守る3人と金田親子の前で次々と怪奇現象が起こる。そしていよいよ雲水によるお祓いが始まるが、その最中に美保が奇怪な行動をとりはじめた。かろうじて美保を抑えた雲水であったが、雲水の力だけでは憑いたものを祓うことはできず師匠の力を借りることとなった。
後日、雲水とその師匠・龍玄(井上肇)により、改めて金田親子のお祓いがおこなわれる。ふたりの霊能力者の死力を尽くしたお祓いにより親子を襲う脅威は去り、朋絵と美保に笑顔が戻った。
かに思われた。
金田親子の周囲で起こる怪異は収まるどころか、さらに拡大の様相を呈していた。あびる、岩佐、入来の3人と番組スタッフももう逃れることはできない。すべてを収束させるべく、ネオと名乗る霊能力者(三浦涼介)が現れる!
ネオの力により、驚愕の事実が次々と明らかになっていく。果たしてネオは、3人のタレントと金田親子を“人間の触れてはいけないもの”から救うことができるのか!?