その夜、部屋の窓から外を眺めていた男(三浦貴大)は、道を挟んで向かいにあるマンションの一室の異変に気がついた。部屋の住人である女が、誰かと争っているようだ――。
部屋を飛び出し、あのマンションの一室へと駆けつけた男が見たのは、首から血を流して息絶えた住人の姿だった。そこへ突然、若い女(夏菜)が現われた。住人が死んでいることをたしかめたために、男の手や服にはベッタリと血が付いている。この状況、どう考えても男が犯人だと疑われるのは間違いない――。
自分が犯人扱いされることを恐れた男は、女を拘束して監禁する。女は殺された住人のモデル仲間だというが、夜中に友達の部屋を訪れたわりには財布もケータイも持っておらず、どこか怪しい。そして女は、人並みはずれた観察力を発揮して、男の素性を次々に推理していく。さらに女は、男に思いもよらない提案を持ちかけてくる。協力して住人を殺した真犯人を探り当てようというのだ――。
こうして、男と女の奇妙な“チームプレイ”が始まった。女は縛られたまま男に指示を出し、真犯人の手がかりを探そうとする。夜が明ければおそらく死体は発見される。真犯人を見つけ出すために残された時間は、あと数時間。やがて、殺された女のスマートフォンに残されていたデータから、意外な事実が徐々に明らかになっていくのだが――。
マンションの住人を殺したのは一体誰なのか? そして協力関係を結んだ男と女は、ほんとうに相手を信用しているのか? 謎が謎を呼ぶ深夜の推理劇はどこへ向かうのか――。
監禁探偵
監督:及川拓郎
出演:三浦貴大 夏菜 ほか
2013年6月1日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ新宿ほか全国公開
2013年/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/103分
ある夜、マンションの一室で起きた殺人事件。その現場に居合わせた男と女。犯人と疑われることを怖れた男は、女を部屋に監禁する。だが女は、監禁されたまま、事件の真犯人を明らかにするための推理を始める――。
第86回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞を受賞するなど高い評価を受ける三浦貴大。連続テレビ小説「純と愛」でヒロインを演じる夏菜(なつな)。いま注目の若手俳優ふたりのダブル主演で送る密室推理サスペンス、それが『監禁探偵』だ!
映画の大部分が室内でのふたりのやりとりだけで進行していくという特異な設定の作品に、若きふたりが果敢に挑んだ。「監禁する男」を演じる三浦貴大は、不器用で状況に翻弄されているようだが別の表情も垣間見せる男を巧みに好演。「監禁される女」役で映画初主演をつとめる夏菜は、監禁されつつも状況の主導権を握っていく女を魅力たっぷりに演じるとともに、彼女ならではの健康的なセクシーさも存分に披露してくれる。
大ヒットを記録したサウンドノベル「かまいたちの夜」のシナリオを手がけた作家・我孫子武丸の原作、西崎泰正の作画による同名コミックをもとに『L change the WorLd』などのベテラン・小林弘利が脚本化。ドラマ「深夜食堂」や映画『シャッフル』などでメガホンをとってきた及川拓郎が共同脚本と監督をつとめ、スリルとサスペンスを軽妙なタッチで包んだエンターテイメント作品を生み出した。
密室での奇妙な“チームプレイ”が徐々に明らかにしていく殺人事件の謎。だが、解き明かされたひとつの謎はまた新たな謎を生む。そして謎の連鎖が変えていくもの――。絡みあった謎がほどかれた先に待つものを見逃すな!
- 三浦貴大
- 夏菜
- 監督:及川拓郎
- 原作:我孫子武丸(原作)・西崎泰正(作画)「監禁探偵」(実業之日本社・漫画サンデー)
- 脚本:小林弘利/及川拓郎
- 製作:林裕之/小西啓介
- 企画:山口敏功
- プロデューサー:柴田一成/小笠原宏之
- ラインプロデューサー:戸山剛
- 撮影:早坂伸
- 照明:神谷信人/福長弘章
- 録音:西岡正己
- 音楽:石川光&Nebu Soku
- 主題歌:ピロカルピン「時の抜け殻」(ユニバーサルJ)
- 製作:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント/ファントム・フィルム
- 制作プロダクション:タイムズイン/株式会社フォーゼ
- 配給:ファントム・フィルム