
車の中でタバコをふかす沙織(小泉麻耶)。やがて沙織は、車を運転する津田(津田寛治)とともに車を降り「客」のもとへと向かう。障害者専門の派遣型風俗店のデリヘル嬢、それが沙織の仕事。今日は沙織の初出勤日だ。
最初の客・水谷(管勇毅)は体を動かせない。ベッドに寝かせた水谷の服を脱がすと、そこには大きなタトゥーが。少したじろぎながらも「仕事」を続ける沙織。進行性筋ジストロフィーの水谷は、自分に迫りつつある「死」について沙織に聞かせる。
次の客は四肢に障害を持ち車椅子で生活する中嶋(ホーキング青山)。中嶋は、軽妙な話術で自分の障害さえあっけらかんとネタにする。そしてなんとか本番行為に持ち込もうとするのだが、沙織は調子を合わせつつそこはうまくかわしてみせる。
最後に訪れた家で、沙織は客の母親に出迎えられ戸惑いを覚える。バイク事故で不自由な体となった健司(森山晶之)は、サービスの途中で沙織を拒絶する。健司は事故のため勃起することも射精することもない。しかし、それを理解しない母親が勝手に店に連絡したのだという。なにも言えずに健司の家を出ていく沙織。
「ラクそうだし、体が動かない客なら怖くなさそう」。そんな考えでこの仕事を選んだ沙織だったが、初日から客たちが抱えるそれぞれの事情に触れていくことになる。
その後も沙織は、いくつかの思わぬ出来事を経験しながらも店での仕事を続けていく。そんな沙織はある日、衝撃的な事実を知ることになる。そして沙織は、街で偶然に健司と再会する。母親との関係に耐えきれず家を飛び出した健司とともに、沙織は小さな旅へと向かう――。