1995年、福岡。14歳の黒田みどり(優希美青)は、父・洋志(ダンカン)とふたり暮らし。みどりは、絵本作家である洋志が描く絵本のお話が大好きだった。
ある日、みどりは洋志から一通の手紙を渡される。そこには、洋志が「運命の出会い」をしたことが書かれていた。そして、黒田家に新しいお母さんとなる中国人のリンリン(佐藤仁美)がやって来る。
リンリンのために中国語を覚え、新しい生活にもすぐに馴染んだように見えたみどり。だが、リンリンとの間に文化の違いや気持ちのずれを感じても、それを素直に言い出せずにいた。そんなみどりの戸惑いを感じた洋志は、家族のために新しい絵本を描くことを決意する。8年前に前妻を亡くしてからずっと描けなくなっていた、新しい絵本を――。
ときは過ぎ、2030年。海底資源をめぐって日本を含めたアジア諸国の関係は悪化し、世間の空気もどこか殺伐としていた。福岡空港で働く小林天音(佐津川愛美)は仕事でミスを何度も重ね、仕事に迷いを感じていた。自分はなぜ、いまの仕事を選んだのだろうか? 改めて考えはじめた天音は、子供のころに想いを馳せていた――。
2013年、福岡。8歳の小林天音は病気のため入院を続けていた。天音の楽しみは、同じように入院している子供たちに絵本を読み聞かせること。そんな天音を担当の先生(原田佳奈)は優しく見守る。ある日、天音の入院する病院に、事故でケガをした少年がやって来た――。
1995年、2013年、2030年。1冊の絵本が、時代を越えて人々の想いをつないでいく――。
空飛ぶ金魚と世界のひみつ
監督:林弘樹
出演:優希美青 佐津川愛美 原田 佳奈 佐藤仁美 ダンカン ほか
2013年9月28日(土)より全国ロードショー 8月17日(土)より福岡先行上映、8月24日(土)より九州先行上映
家族への想いを託して描かれた1冊の絵本。その本は、時代を越えて人々に大切なことを語りかける――。
『空飛ぶ金魚と世界のひみつ』は、家族との関係に戸惑う中学生の少女・みどりを中心に、1995年、2013年、2030年みっつの時代それぞれで絵本がもたらす心温まるストーリーを描いた作品だ。
監督は、2011年に公開された『ふるさとがえり』の林弘樹。同作で脚本を手がけた栗山宗大と本作でもコンビを組み、娯楽性とメッセージ性が共存した幅広い層が楽しめる物語を紡ぎ出した。VFXを駆使し、絵本の世界と現実が交錯していくような独特の映像世界を作り上げているところにも注目だ。
主演をつとめるのは、2012年ホリプロタレントスカウトキャラバングランプリ受賞者で、NHKドラマ「あまちゃん」小野寺薫子役で注目を集めている優希美青(ゆうき・みお)。撮影時はまだ13歳だったが、悩みや迷いを抱えた主人公・みどりを等身大の少女としてしっかりと演じきり、映画初主演にして新たな本格派女優の誕生を予感させている。
そして、俳優・タレントなど幅広い活動で知られるダンカンと『ふるさとがえり』にも出演した佐藤仁美がみどりの両親を演じ、映画初主演の優希をしっかりと支える。また、2030年に生きる小林天音には若手実力派の佐津川愛美、幼いころの天音に大きな影響を与える医師には“就活女優”として話題を集めた原田佳奈と、多彩なキャストが顔を揃えた。
言葉や文化、世界にはさまざまな“違い”がある。お互いの“違い”を認めあう“思いやり”の心。これからの世界をつなぐ力を、現代を生きる子供たちに伝えてくれる、かけがえのない作品がここに生まれた。
- 優希美青
- 佐津川愛美
- 山野はるみ
- 原田佳奈
- 佐藤仁美
- ダンカン
- 監督:林弘樹
- 脚本:栗山宗大
- プロデューサー:三浦修/武藤直樹
- 撮影監督:藤田秀紀
- 照明技師:前田貢伺
- 録音技師:辻祥子
- 美術:山王堂史恵
- 衣装:石川知子
- ヘアメイク:橋本京子
- 助監督:川坂翔
- 制作担当:登川奈緒美
- 編集:宮﨑恵
- VFX:中村大輔
- 音楽:宮本貴奈
- 製作:APCC/FireWorks
- 制作:FireWorks
- 制作協力:NAKED
- 配給宣伝:NAKED
- 配給宣伝協力:PONYCANYON/Horipro