ホリプロタレントスカウトキャラバン２０１２グランプリ受賞者の優希美青（ゆうき・みお）さんが初の映画主演をつとめた『空飛ぶ金魚と世界のひみつ』（林弘樹監督）が９月28日に全国公開初日を迎え、ユナイテッド・シネマ豊洲で優希さんと共演の佐藤仁美さん、ダンカンさんら出演者が舞台あいさつをおこないました。
　『空飛ぶ金魚と世界のひみつ』は、１冊の絵本で結ばれるみっつの時代の物語を通して、国や言葉、文化などの“違い”を認めあう“思いやり”の大切さを伝える作品。優希さんは、絵本作家を父に持つ中学生・黒田みどりを演じています。
　初の主演にあたり「最初に主演をやらせていただけると聞いたときはすごい嬉しかったんですけど、プレッシャーもありました」という優希さんは「私がしっかりして、みなさんが私についてきてくださる環境を作らなきゃなと思うとすごい不安にもなったんですが、やっぱり一番は主演をやらせていただけるということで幸せな気持ちになりました」と、笑顔で振り返りました。

　みどりの新しい母親になる中国人女性・リンリンを演じた佐藤仁美さんは、セリフに中国語があるため「すごいダメ出しが多かったです。スタッフに中国の方がいらして」と、これまで演じたことのない役に苦労もあったことを告白。
　みどりの父・洋志を演じたダンカンさんは、そんな佐藤さんについて「現場で一番気を遣ってくださっていたんじゃないかな。中国語のセリフもありますし、お母さん役でみどりちゃんを“がんばりましょう”って励ますんですけど、控え室に戻っても（優希さんに）“ちゃんと休みを取りましょう”って。役でもプライベートでも気を遣ってくださっていたのは佐藤さん」と撮影中の様子を紹介。優希さんも佐藤さんについて「ほんとにお母さんみたいな感じで接してくださって、すごく優しくしてくださったので、すぐ仲良くなることができました」とコメントしましたが、佐藤さんは「お母さんみたい」という優希さんの言葉に「ちょっと待って！　こんな大きな子供産めないよ、まだ(笑)」と苦笑いを見せました。

　公開初日のこの日はちょうど優希さんが出演している人気ドラマ「あまちゃん」最終回の放送日とあって、ダンカンさんが「ずっと楽しんで観ていた『あまちゃん』が最終回になってしまいまして“こんないい作品にはもう出会えないのかな”と思っていたら、それを越える作品がありました！」と『空飛ぶ金魚と世界のひみつ』をアピールするなど、舞台あいさつでも「あまちゃん」の話題が飛び出し、優希さんは「私のおばあちゃんが朝ドラの大ファンで、私もよく一緒に観ていて、大好きな朝ドラに出ることが夢でもあったので出演できると決まったときはすごく嬉しかったです。それに、私の地元の東北を舞台にした作品で、東北が舞台の作品を作っていただけたことだけでも嬉しいのに、その作品に出演することができて、私の財産だと思いました」と大きな経験となったドラマ出演について語りました。

　舞台あいさつは「世界中で哀しい出来事が起きていますけど、世界中が平和になるのは答えはひとつで、みんなが子供に戻ればいいんです。残念ながら大人が子供に戻ることは現実的にはできませんが、せめて子供のころの気持ちに戻れば世界中は平和になるんじゃないかなと、ぼくはこの映画を通して感じました。これからの世代の子供たちのために、ぜひ一緒に劇場に足を運んでいただけたらと思います」（ダンカンさん）、「すべての人たちが同じ空を見ているわけで、すべての人たちが“ラブ＆ピース”でいてくれたらと私は思います。いろいろな人にこの作品を広めていただいて、自分で言ってちょっと恥ずかしいですが“世界の幸せ”、そうなったらいいなと思います」（佐藤さん）、「この映画は思いやりをテーマに作られた作品なので、みなさん、ぜひお家に帰って、もう１度思いやりについてご家族やお友達と話しあってくださったら嬉しいなあと思います」（優希さん）と、家族を演じた３人のコメントで締めくくられました。

　１９９５年、２０１３年、２０３０年と異なる時代が交錯していくストーリーや、ＶＦＸを駆使して表現される絵本の世界が飛び出してきたような映像も注目の『空飛ぶ金魚と世界のひみつ』は、９月28日(土)より全国ロードショーされています。