
一度はサッカーを諦めつつも、サッカー部を作るため懸命に部員集めに励む高校生・安藤ソラ。彼のひたむきなサッカーへの想いの陰には、15歳にしてサッカー女子日本代表の11番を背負う若きエース・若宮四季の存在があった——。
期待の新鋭監督とフレッシュなキャストが青春のまぶしさをスクリーンに焼き付ける、みずみずしい映画が誕生した。雑誌「ジャンプSQ.」連載の中村尚儁の人気コミックを映画化した『1/11 じゅういちぶんのいち』だ。
主人公・安藤ソラのまっすぐでピュアな想いを見事に表現したのは、若手俳優集団・D-BOYSのメンバーで、これが映画初主演となる池岡亮介。ソラの生き方に大きな影響を与えるヒロイン・若宮四季を透明感をもって演じたのは、主演作『ゆめのかよいじ』ほか映画・ドラマへの出演が続く注目の若手女優・竹富聖花。さらに、工藤阿須加、阿久津愼太郎、上野優華、古畑星夏、東亜優ら、まさに次代のエンターテイメント界を担う若手キャストが顔を揃えた。
監督と脚本は、自主制作のショートフィルムが各地の映画祭で高く評価され、佐藤佐吉監督『Miss Boys!』、廣木隆一監督『きいろいゾウ』で脚本を手がけた新鋭・片岡翔。待望の長編監督デビュー作となる本作では、原作の特徴を活かした巧みな構成と優れた演出により、登場人物ひとりひとりが魅力的に輝く作品を作りあげた。
主題歌は、歌手としても活躍する上野優華が歌う「Dear my hero」。上野が演じるサッカー部マネージャー・篠森仁菜の視点を感じさせる歌声が、映画の余韻をより深くしていく。
過去はいまに繋がり、そして未来へ。映画『1/11 じゅういちぶんのいち』は、キラキラとした“これから”を予感させる。

安藤ソラ(池岡亮介)たちが通う修学院高校。中学までサッカーをやっていたソラは、これまでサッカー部がなかったこの学校に新しくサッカー部を作った。だが、部員はまだ9人。練習試合に向け、ソラたちは部員獲得に励んでいた。
演劇部部員の野村瞬(阿久津愼太郎)は、そんなソラからサッカー部の助っ人を頼まれる。瞬も中学までクラブチームのユースに所属してサッカーをやっていたのだ。演劇部も発表会が近づいており、部長の小田麻綾(東亜優)の指導のもと稽古に明け暮れる日々だったが、瞬はソラたちが演劇部を手伝うことを条件に助っ人を引き受けることになった。
雑誌の読者モデルもつとめる越川凛哉(工藤阿須加)と彼の周りの派手な生徒のグループは、部員獲得のため毎日ビラを配るソラや、稽古に励む演劇部、いつもカメラを持ち校内を撮影している柏木千夜子(古畑星夏)のように、なにかに打ち込んでいる生徒たちをバカにした目で見ていた。ソラたちのまっすぐな姿が、凛哉を苛立たせていく。
ソラと一緒に毎日入部を呼びかけているのは、サッカー部マネージャーの篠森仁菜(上野優華)。練習でも大きな声で選手を励まし、マネージャーの仕事に一生懸命に取り組む仁菜だったが……。
ソラの存在が、瞬や凛哉、仁菜が抱えるそれぞれの事情を浮かび上がらせていく。そしてソラ自身も、ある秘密を抱えていた。自分の限界を感じて一度はサッカーを諦めたソラ。そのソラがもう一度サッカーに向きあうきっかけとなったのは、15歳にしてサッカー女子日本代表の11番を背負うエリート選手・若宮四季(竹富聖花)だった。
みんなの大切な想いが、いまフィールドでキラキラと輝きはじめていく……。