天宝八年、足抜けを図った女郎が放った火により吉原が全焼。吉原再建までの間、女郎屋の山田屋は吉原の外にある仮宅で商売を続けることとなり、人気女郎の朝霧(安達祐実)たち山田屋の女郎たちは仮宅に移り住んできた。
本来であれば女郎たちは年季が明けるか身請けされない限り吉原の外に出ることはできない。仮宅での日々は女郎たちにとってつかの間の自由を感じられる日々。そんな日々を楽しもうと、朝霧の妹分の八津(小篠恵奈)は朝霧を八幡様の縁日へと誘う。半ば強引に連れだされた朝霧は、人ごみの中で転び八津とはぐれてしまう。下駄の片方をなくし途方に暮れる朝霧を助けてくれたのは、見知らぬ男・半次郎(淵上泰史)だった。
その翌朝、なくしたかんざしを探しに再び八幡様を訪れた朝霧は、そこで半次郎と再会を遂げる。見つけた朝霧のかんざしは片方の歯が欠けてしまっていたが、半次郎は自分が直すと約束、ふたりは3日後に同じ場所で会うこととなる。
八津に「男の言葉を信じちゃいけない」と言い放ち、自身も男を信じることなく生きてきたはずの朝霧だったが、半次郎への想いを募らせ約束の日を待ち焦がれる。だが、やって来たその日、約束の場所に半次郎の姿はなく、気を落として帰る朝霧は半次郎が別の女と歩いているのを見てしまう……。
それから数日経ったある日、朝霧は織物問屋・吉田屋(津田寛治)の宴会に呼ばれる。吉田屋は、朝霧が姉のように慕っていた女郎・霧里(高岡早紀)を身請けした人物だが、霧里は身請けされたあとに病に倒れ、すでにこの世を去っていた。座敷に上がった朝霧は、そこに半次郎の姿を見つける……。
花宵道中
監督:豊島圭介
出演:安達祐実 淵上泰史 小篠恵奈 友近 高岡早紀 津田寛治 ほか
2014年11月8日(土)より テアトル新宿ほか全国ロードショー
2014年/カラー/ビスタ/5.1ch/デジタル/102分 |R15+
江戸末期の吉原。幼いころに女郎屋・山田屋に引き取られた朝霧は、いまは山田屋一の人気女郎。妹女郎の八津に縁日へと連れだされた朝霧は、そこで出会った半次郎という男に惹かれていく――。
幼少時より芸能界で活躍し芸能生活30周年を迎えた女優・安達祐実が、その記念の年に主演する作品が「第5回女による女のためのR-18文学賞」受賞作である宮木あや子の小説を映画化した時代劇『花宵道中』(はなよいどうちゅう)だ。
人気ドラマの劇場版『家なき子』以来20年ぶりの映画主演となる安達祐実は、主人公の遊女・朝霧の内面を巧みに表現。また、艶やかな花魁道中を披露するとともに激しい濡れ場にも挑み、まさに全身全霊で朝霧の生き様を演じてみせた。
そして、朝霧と惹かれあう男・半次郎役にはドラマやCMで注目の淵上泰史、朝霧の妹女郎・八津には映画出演の続く小篠恵奈と、期待の若手を起用。さらに、物語の鍵となる織物問屋・吉田屋に津田寛治、山田屋の女将に友近、朝霧の恩人でもある姉女郎・霧里に高岡早紀と、豪華キャストが共演している。
監督は、劇場公開作『怪談新耳袋 ノブヒロさん』『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』やテレビシリーズ「マジすか学園」など幅広いジャンルを手がける俊英・豊島圭介。テレビシリーズ「ホリック xxxHOLiC」でも安達祐実と組んでいる豊島は、自身初となる時代劇というジャンルでその手腕を存分に振るい、安達祐実の新たな魅力を引き出した。
『花宵道中』が描く朝霧の激しくも哀しい恋。それは観る者の心に強く訴えかける時代を越えた「恋」だ。いまスクリーンに、ひとりの女の「生涯一度の恋」という名の花が咲く。
- 朝霧:安達祐実
- 半次郎:淵上泰史
- 八津:小篠恵奈
- 江利耶:三津谷葉子
- 絢音:多岐川華子
- 若耶麻:立花彩野
- 大島屋卯之助:松田賢二
- 朝霧の母:中村映里子
- 弥吉:不破万作
- 霧里:高岡早紀
- 女将:友近
- 吉田屋藤衛門:津田寛治
- 監督:豊島圭介
- 原作:宮木あや子「花宵道中」(新潮文庫刊「花宵道中」所収)
- 脚本:鴨義信
- 製作:間宮登良松
- 企画:加藤和夫
- プロデューサー:佐藤現/矢後義和
- 撮影:藤石修(J.S.C.)
- 照明:沢田敏夫
- 美術:松崎宙人
- 録音:西田正広
- VE:今西貴充
- 編集:米田武朗(J.S.E.)
- 整音:和田秀明
- 音響効果:竹本洋二
- 助監督:林稔充
- 記録:山下佳菜
- 衣裳:鈴木澄子
- メイク:山下みどり(東和美粧)/田上広美(高岡早紀担当)
- 結髪:福本るみ(東和美粧)
- 擬斗:菅原俊夫
- VFX:北正規
- 和楽監修:中本哲
- 製作担当:芦田淳也
- 音楽プロデューサー:津島玄一
- 音楽:かみむら周平
- エンディングテーマ:黒色すみれ「ラピスラズリ」
- 企画協力:新潮社
- 配給・宣伝:東京テアトル
- 製作プロダクション:東映京都撮影所
- 製作:東映ビデオ