
18歳の大塚あやめ(藤江れいな)は、毎日バスの決まった席に座って高校から帰る。あやめが住むのは神奈川県の山あいの町・下村。若者たちはみんな、高校を卒業するとこの町を出ていく。すぐにバラバラになることが決まっているから、あやめは高校では友達も彼氏も作らない。あと数ヶ月経てば、あやめも高校を卒業する。そうすれば、父の毅(木下ほうか)と母の桐子(山村美智)と3人で暮らすこの家を出て、東京でひとり暮らしをして専門学校へ通う予定だ。
ある日、あやめはバス停で見慣れない茶髪の少女を見かける。制服のその少女は、バスのいつもあやめが座っている席に座ってしまった。やむを得ず、別の席へと座るあやめ。
そして家に帰ると、見たことのない女性が「はじめまして……だよね」とあやめを出迎えてきた。さらにバスで見かけた茶髪の少女が「ただいま」と帰ってくる。あやめを出迎えたのは、姉のすみれ(橘麦)。茶髪の少女は、すみれの娘であやめと同い歳の茉祐子(勝尾麻結奈)。あやめが生まれた年に町を出ていったきりだったふたりが戻ってきたのだ。
突然現れた「姉」とその娘。父も母もふたりをごく自然に受け入れているが、あやめはその変化に戸惑いを隠せない。学校が終わってもなかなか家に帰らず、食事も外で済ますようになる。あやめの誕生日に両親とすみれ、茉祐子はパーティーの準備をしてあやめの帰りを待つが、帰ってきたあやめはにこやかに出迎える4人をよそに、自分の部屋に閉じこもってしまう……。
あやめと両親たちの間にギクシャクした空気が流れる中、すみれはこの町に住んでいたころに通っていた塾“やま塾”を訪ね、塾長の妻・一恵(松原智恵子)と再会する……。