そこのみにて光輝く
監督:呉美保
出演:綾野剛 池脇千鶴 菅田将暉 ほか
2014年4月19日(土)よりテアトル新宿 ほか全国公開
2014年/カラー/シネマスコープ/DCP5.1ch/120分
たびたび芥川賞候補にのぼりながら1990年に41歳で自ら命を絶った作家・佐藤泰志。2010年に『海炭市叙景』が映画化され、2013年にはドキュメンタリー『書くことの重さ 作家 佐藤泰志』が公開されるなど、近年、日本映画界で注目を集める夭折の作家唯一の長編小説が、気鋭のスタッフ・キャストによって映画化を果たした。哀しい過去を持つ男と恵まれない境遇を背負う女の恋愛を描いた『そこのみにて光輝く』だ。
監督は『酒井家のしあわせ』『オカンの嫁入り』の呉美保。運命に絡み取られるかのように生きる人々の姿を硬質なタッチで描き、新たな境地を見せた。
主人公の青年・達夫を演じるのは、映画・ドラマへの出演が続き、いまや日本エンターテイメント界に欠かせない存在となった綾野剛。達夫と恋に堕ちるヒロイン・千夏には、幅広い役柄をこなす実力派・池脇千鶴。千夏の弟で達夫と千夏の出会いのきっかけを作る拓児には、主演作『共喰い』で評価を高める菅田将暉。3人の俳優は、これまでのイメージを覆すような演技も見せ、登場人物たちを“生身の人間”として作品世界に息づかせてみせた。さらに、高橋和也、伊佐山ひろ子、田村泰二郎、火野正平ら豊富なキャリアを持つ俳優陣が脇を固め、作品世界の厚みを増している。
撮影は、原作者・佐藤泰志の故郷であり、作品中にもしばしばそのイメージが登場する北海道・函館でおこなわれた。夏の函館の風景は、地元以外の人々には新鮮な印象を与えるだろう。原作が執筆された1989年と、それから四半世紀を経た現在とを繋ぐように、普遍的な人間の営みを描いた作品が完成した。
- 達夫:綾野剛
- 千夏:池脇千鶴
- 拓児:菅田将暉
- 中島:高橋和也
- 松本:火野正平
- かずこ:伊佐山ひろ子
- 千夏と拓児の父親:田村泰二郎
- 監督:呉美保
- 原作:佐藤泰志「そこのみにて光輝く」(河出書房新社刊)
- 脚本:高田亮
- 製作:永田守
- 企画・製作:菅原和博
- エグゼクティブプロデューサー:前田紘孝
- プロデューサー:星野秀樹
- アソシエイトプロデューサー:吉岡宏城/佐治幸宏
- 撮影:近藤龍人
- 照明:藤井勇
- 録音:吉田憲義
- 美術:井上心平
- 編集:木村悦子
- 助監督:山口隆治
- キャスティングディレクター:元川益暢
- ラインプロデューサー:野村邦彦
- 音楽:田中拓人
- 製作:「そこのみにて光輝く」製作委員会
- 製作プロダクション:ウィルコ
- 配給:東京テアトル+函館シネマアイリス(北海道地区)
- 宣伝:太秦
- 助成:文化芸術振興費補助金