
奇跡が起こるという伝説のあるウクライナ・クレヴァニ村の“愛のトンネル”。失った恋人の思い出を胸に日本からやってきた男は、トンネルの中で20年前と変わらない姿の恋人と再会する……。
ウクライナのクレヴァニ村にある緑の樹々に囲まれた線路は、その幻想的な風景から“愛のトンネル”として世界中で評判となっている。『クレヴァニ、愛のトンネル』は、この“愛のトンネル”を舞台に、世界初となる現地でのロケを敢行して完成した愛しく切ない恋愛ファンタジーだ。
監督は、自主映画時代から少女をモチーフとした作品を多く手がけてきた今関あきよし。偶然知った“愛のトンネル”の美しさに惹かれ現地に赴き、自らの企画・原案・製作・共同脚本で映画化を実現した。
ヒロインの少女・一葉(ひとは)を演じるのは、映画『思春期ごっこ』やドラマ「イタズラなKiss〜Love in TOKYO」などで女優としての活躍目覚ましい未来穂香。元・教師の圭には多くの映画・ドラマに出演する小山田将。一葉と恋に落ちる若き日の圭にはユニット・BOYS AND MENのリーダー・水野勝。そのほか、板尾創路、岡村洋一らが共演する。
気鋭のカメラマン・藍河兼一が撮影監督をつとめ、ウクライナの“愛のトンネル”の美しさを映像に刻みつけた。また、イラストレイター・水野歌によるアニメーションが挿入され映画のファンタジックな味わいをより高めている。
8ミリフィルムで撮影された映像もふんだんに盛り込まれた『クレヴァニ、愛のトンネル』は、かつての今関作品を彷彿とさせつつも、2015年ならではの「現在の今関映画」として「今」を「未来」へとつなげていく。

8ミリフィルムの中でさまざまな表情を見せる、制服姿の柏木一葉(未来穂香)。一葉に8ミリカメラを向けているのは、松田圭(水野勝)。女子高に通う18歳の一葉と、新任教師である23歳の圭。家庭で問題を抱え、学校でも同級生とどこか距離をとっている孤独な一葉が唯一心を許す存在が圭だった。生徒と教師であるふたりの許されることのない関係に、一葉の同級生たちも気づきはじめていた……。
それから20年。43歳となった圭(小山田将)は、インターネットでウクライナのクレヴァニ村にある「緑のトンネル」について調べていた。緑の樹々が線路を囲んだこのトンネルにまつわる伝説を、20年前に一葉が圭に教えてくれた。このトンネルでカップルがキスをすれば、その願いは叶うという。
圭は、一葉が行きたがっていた「緑のトンネル」を訪れることを決意する。働いていた工場を辞めてクレヴァニへ向かう圭が携えていくのは、小さな炊飯器と、20年前に一葉を撮影した古い8ミリカメラ。そして、もう言葉を交わすこともできない一葉の思い出。
ウクライナへ着いた圭は、持参した炊飯器で一葉との思い出の中に残るおにぎりを作ると、バスに乗り地元の人に道を尋ねながら、市街地から遠く離れたクレヴァニのトンネルを目指す。
トンネルへとたどり着いた圭は、この世のものとは思えない美しい風景の中、8ミリカメラを回す。やがて圭の目に映ったのは、決して忘れることのできない20年前のあの日と変わらない、18歳の一葉の姿だった……。